60代一人暮らしの母。「年金と月10万円のパート代」で収支がトントンらしいのですが、この先も一人で生きていけるでしょうか?
配信日: 2024.09.11
将来的に年金以外の収入がなくなってしまったときのことを考えて、できるだけ貯蓄を増やしておく必要があるかもしれません。
本記事では、65歳以上一人暮らしの平均生活費や今後必要な生活費とあわせて、生活費が不安になったときの対処法についてもご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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65歳以上一人暮らしの生活費の平均
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上単身無職世帯の月々の平均生活費は15万7673円(うち、消費支出は14万5430円、税金や社会保険料などの非消費支出は1万2243円)です。消費支出の内訳については、表1のようになっています。
表1
項目 | 金額 |
---|---|
食料 | 4万103円 |
住居 | 1万2564円 |
光熱・水道 | 1万4436円 |
家具・家事用品 | 5923円 |
被服および履物 | 3241円 |
保健医療 | 7981円 |
交通・通信 | 1万5086円 |
教育 | 0円 |
教養娯楽 | 1万5277円 |
そのほかの消費支出 | 3万821円 |
出典:総務省統計局「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
今回のケースで総務省統計局のデータの平均と同じ生活水準だと仮定すると、収入は月々のパート代10万円と年金が5万~6万円程度であると考えられます。
今後必要な生活費はいくら?
現在の年齢を65歳として、仮に90歳まで生きた場合に必要となる生活費を計算してみましょう。月々の生活費を平均の15万7673円とすると、1年で189万2076円、90歳までの25年間で4730万1900円が必要になります。
現在は月10万円のパート代が入ってくるので賄える計算ですが、パートを辞めて収入が年金のみになった場合、月10万円分の貯蓄がないと生活に困ることになるでしょう。例えば70歳でパートを辞めた場合、90歳までの残り20年間で約2400万円の貯金が必要ということになります。
高齢になると介護費や自宅のリフォーム費用、医療費などの突発的な出費が発生する可能性もあるため、実際にはさらに必要になるかもしれません。
生活費が不安になったときの対処法
将来の生活費に不安を感じたときは、節約に効果的な対処法を考えてみましょう。
例えば、住まいを見直すことで家賃や光熱費を大幅におさえられる可能性があります。引っ越しにはさまざまな初期費用がかかりますが、それでも長い目で見ると節約になるかもしれません。
また、毎日必ずかかる食費については、外食を減らしたり食材のまとめ買いをしたりして、少しずつでも節約につながる方法を考えてみるとよいでしょう。
高齢になると医療費のことも心配になってくるかもしれませんが、普段から健康に気をつけて定期的に健康診断を受けるなどして、なるべく医療費をおさえられるよう努めることも大切です。
パート代が入ってこなくなると生活に困る可能性があるので早めに貯蓄した方がよい
総務省統計局のデータによると、65歳以上単身無職世帯における月の生活費は15万7673円が平均とされています。
今回の事例では「年金と月10万円のパート代で生活費がちょうどなくなる」ということなので、将来パートを辞めたときや思わぬ出費が発生したときなどに金銭的な不安を感じることがあるかもしれません。
平均と同じ生活水準と仮定して、65歳から90歳までと考えると4730万1900円の生活費が必要になる計算なので、収入が年金のみになると少なくとも月10万円の貯金がないと生活に困ることになる可能性があります。
できるだけ早いうちから住居費や食費を見直したり、高額な医療費がかかることのないよう定期的に健康診断を受けたりして、将来に備えておくことをおすすめします。
出典
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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