更新日: 2024.10.24 その他老後
63歳で「貯金200万円」です…定年し「無収入」なのですが、年金受給開始までの期間を乗り切る方法はないでしょうか?
少しでも生活費の負担を減らすには、継続雇用の利用も視野に入れて対策を事前に考えておくことが大切です。今回は、年金受給前で貯金が少ない場合にできる対処法をご紹介します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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60代の平均支出はいくら?
総務省統計局「家計調査 家計収支編(2023年)」によると、単身世帯かつ60歳以上の方の1ヶ月の平均消費支出額は15万2743円でした。もし、1年間同じ金額の出費が発生すると、年間183万2916円が必要な計算です。
消費支出で63歳から65歳までの2年間では、少なくとも366万5832円の貯金が必要になります。さらに、実際には消費支出以外にも税金や保険料といった非消費支出も含まれます。貯金200万円だけでほかに収入がなければ、足りなくなる可能性が少なくありません。また、働いていても収入によってはやはり不足する可能性があります。
貯金が少ない状態で、年金を受け取る前に退職をしたり失業したりする場合、再就職や節約といった対処法を検討しましょう。
貯金額が少ないときの対処法
貯金額が少ないときの選択肢は、再就職や節約、年金の繰上げ受給などが挙げられます。自分の状況に応じて、どの方法を選択するか決めましょう。
継続雇用や再就職で働く
定年年齢が65歳未満に設定されている場合、65歳までの継続雇用制度の導入は会社の義務です。会社にまだ働きたい旨を伝えて、年金受給開始年齢まで勤務することも視野に入れておきましょう。
また、定年退職を選んだものの、あとから収入が必要になったときは、再就職も選択肢のひとつです。正社員でなくともアルバイトや契約社員で収入を得れば、生活費の負担は軽くなります。ただし、定年後のアルバイト探しはすぐに見つからないケースもあります。
退職前の時点で継続雇用を選んだり退職後に働けそうなところを探したりするなど、事前準備をした方がよいでしょう。
節約する
お金が足りない場合、不要な出費を削ることも有効な方法です。総務省統計局によると、単身世帯の60歳以上における消費支出項目別の1ヶ月の平均支出額は表1の通りです。
表1
項目 | 金額 |
---|---|
食料 | 4万1078円 |
住居 | 1万3240円 |
光熱・水道 | 1万4488円 |
家具・家事用品 | 6457円 |
被服及び履物 | 3550円 |
保健医療 | 8347円 |
交通・通信 | 1万7517円 |
教育 | 0円 |
教養娯楽 | 1万6550円 |
その他の消費支出 | 3万1517円 |
出典:総務省統計局「家計調査 家計収支編 単身世帯(2023年)」を基に筆者作成
項目別に見ると、「食料」と交際費や諸雑費が含まれる「その他の消費支出」が多くの割合を占めています。「その他の消費支出」をさらに細分化してみてみると、交際費が1万6113円と最も多い割合です。人付き合いも大切なので、完全になくす必要はありませんが、交際費として出費することが多いときは、見直してみましょう。
年金の繰上げ受給をする
通常、年金は65歳から受け取りますが「繰上げ受給」を活用すると、最短60歳で受給を始められます。繰上げ受給は、1ヶ月受け取るタイミングを早めるごとに0.4%減額した状態で年金を受給可能です(昭和37年4月2日以降生まれの方の場合)。
例えば、本来、月に15万円の年金を受け取る予定だった方が63歳まで繰り上げると、年金額は月に13万5600円になります。
ただし、繰上げ受給は一度選択するとあとから取り消せません。年金額が減るため、できるだけ多く受け取りたい方は、働いたり節約したりで賄えないか考えた方がよいでしょう。
可能であれば働き口を見つける
貯金が200万円だと、60代以上の平均支出に対して数年以内に足りなくなる可能性があります。特に、定年が早かったり失業したりすると収入源が一時的になくなるため、生活が苦しくなるケースもあるでしょう。
少しでも収入を得たいなら、定年後の継続雇用が利用できないか確認が必要です。65歳より前の定年なら、国により65歳までの雇用機会の確保が義務付けられています。また、アルバイトや契約社員としての再就職も方法のひとつです。
不要な出費もなるべく減らしましょう。毎月何にお金を使っているのか計上すると、節約しやすい項目も分かりやすくなります。繰上げ受給で年金を早く受け取る方法もありますが、受給額が減る点に留意しておきましょう。
出典
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表 年次 2023年 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号2 男女,年齢階級別
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー