定年を見据えてのおすすめ副業は「スキルシェア」~高い時給も狙える!?
配信日: 2019.01.21 更新日: 2019.06.13
もちろん資格はあるに越したことはありませんが、それがすぐ収入になるかというとまた別の話です。その前に、「実はあなたには『スキル』があるのです」というお話です。
執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家
明治大学リバティアカデミー講師
ビジネスコンテンツ制作の有限会社ガーデンシティ・プランニングを28年間経営。その実績から明治大学リバティアカデミーでライティングの講師をつとめています。7年前から「ローリスク独立」の執筆活動をはじめ、副業・起業関連の記事を夕刊フジ、東洋経済などに寄稿しています。副業解禁時代を迎え、「収入の多角化」こそほんとうの働き方改革だと考えています。
「ふつうの会社員としての経験や知識」を聞きたい企業がいる
ある業界で会社員生活を長く続けると、業界のことや自分の仕事まわりのことには、ある程度に詳しくなるでしょう。
そういう「会社員としての経験や知識」を求める人がいます。自分自身では毎日ふつうに働いてきて、何の売り物にもならないと思っていたものがお金に変わる、つまり、副業になる可能性があります。
たとえば、あなたが食品会社の営業マンとして、ずっと東北地方で働いてきたとします。業務はパンやお総菜に関することとします。
あなたは、ふつうに仕事をしてきたつもりですが、他の企業から見ると、「この人には、食品業界のこと、とくにパンのこと、東北地方の食品マーケットのことについては、知識や経験があるのじゃないか」と見えるのです。
別の業界の企業が、食品関連の新規事業をスタートさせたい、そして東北地方に展開したいな、と考えるとします。その新規事業責任者は「誰か東北の食品業界事情に詳しい人はいないだろうか」と悩みます。
ほんとうは、大手コンサルタントに依頼して、調査してレポートを挙げてもらえればいいのですが、莫大な費用がかかります。その前に「社内でこれから本格的に詰めたいんだけど、詳しい話を聞けないだろうか?」と思うことがよくあります。
スキルシェアという新しい副業
そんな「話を聞きたい人」と「話ができる人」をマッチングさせるサービスがあります。このようなマッチングは、インターネットがあるからできることです。「話」だけでなく、「教えて欲しい人」と「教えられる人」なども含め、副業では『スキルシェア』という分類になります。
『スキル』というとハードルが高そうに見えますが、冒頭述べたように、「自分が業務で培った経験や知識」がそのまま使えるのです。(もちろん会社の秘密を漏らすようなことは許されません)
たとえば、「ビザスク」というサービスでは、自分が会社で積み重ねてきた知識や経験を話せる人(アドバイザー)と、それを聞きたい会社とのマッチングを行ってくれ、マッチングしたアドバイザーと企業が、実際に電話や対面でやり取りするサービス(スポットコンサル)を展開しています。
マッチングまではネット上でやるけれど、実際に会ったり話したり1時間リアルに話をします。ビザスクでは、シニアのアドバイザーを歓迎していているようです。
最初はドキドキするかもしれませんが、平均で1時間約1万5000円の謝礼が受けられるようです。時給としてはいいですね。何より「自分を必要としている人」と話せるのはうれしいでしょう。
スキルシェアという新しい副業
もう少し緩いスキルシェアとしては、たとえば先ほどの例で述べた「東北の食品業界でずっと営業マンで働いてきた人」で、「自分は企画書や提案書を書くのが得意で人に教えられる」「自分はPowerPointの初心者に教えられる」となると、それはほんとうに自分のスキルです。
「企画書や提案書の作り方を教えてもらいたい」「PowerPointを手取り足取り教えて欲しい」という人にリアルで会って、相談に乗ってあげる副業です。これも立派なスキルシェアです。
さらに、仕事の経験や知識とはあんまり関係なく、自分が独自に積み重ねてきたスキル、たとえば趣味や特技でも生かせます。「東北の食品業界でずっと営業マンで働いてきた人」なんだけど、実はジャズギターが得意で人に教えたいなんて場合、これも立派なスキルシェアです。
これも、ネット上で完結しない、実際に会ったり教えたり、パフォーマンスしたりという場面があります。そういった、リアルの場で相手と接触する副業は、おおまかにいって時給は上がり目です。「ストアカ」や「タイムチケット」などが有名です。
執筆者:藤木俊明(ふじき としあき)
副業評論家