更新日: 2024.11.26 介護
もうすぐ40歳の会社員です。毎月の給料から介護保険料を引かれることになるのですが、どのような仕組みですか? 私が使えるようになるのはいつからですか?
介護保険料の納付が40歳から、というのを多くの方はご存じかと思いますが、実際にどのように使えるのか、何歳から使えるのかを介護保険の制度から見ていきます。
執筆者:田久保誠(たくぼ まこと)
田久保誠行政書士事務所代表
CFP®、1級ファイナンシャル・プランニング技能士、特定行政書士、認定経営革新等支援機関、宅地建物取引士、2級知的財産管理技能士、著作権相談員
行政書士生活相談センター等の相談員として、相続などの相談業務や会社設立、許認可・補助金申請業務を中心に活動している。「クライアントと同じ目線で一歩先を行く提案」をモットーにしている。
介護保険とは
介護保険とは、介護が必要な方の負担を社会全体で支えることを目的とした公的な社会保険の制度で、2000年に介護保険法が施行されました。
基本的な考え方は、以下の3つになっています。
1. 自立支援:単に介護を要する高齢者の身のまわりの世話をするということを超えて、高齢者の自立を支援することを理念とする
2.利用者本位:利用者の選択により、多様な主体から保健医療サービス、福祉サービスを総合的に受けられる制度
3.社会保険方式:給付と負担の関係が明確な社会保険方式を採用
どのような仕組みなの?
介護保険の保険者は、市区町村(広域連合を設置している場合は広域連合)で被保険者は40歳以上の国民で介護保険料の支払いの義務が発生します。
被保険者は第1号被保険者と第2号被保険者に分かれており、それぞれの違いは下記のとおりです。
相談者は会社員ですので、毎月の給与から一定額が天引きされ、受給できる要件は特定の疾病の場合のみとなります。ちなみに、令和6年度の第2号被保険者の介護保険料平均見込み額は、事業主負担公費分を含んで月額6276円となっています。
介護保険を利用したとき(サービスを受けたとき)の自己負担は?
介護保険を利用した場合利用者の負担は、そのサービスにかかった費用の原則1割(所得によっては2割または3割)です。居宅サービスを利用する場合は、利用できるサービスの額(支給限度額)が要介護度別に定められています。
また、介護保険施設利用の場合は、費用の1割(所得によっては2割または3割)に加えて、居住費、食費、日常生活費の負担が必要です。ただし、利用者負担額(居住費、食費等を除く)の合計額が上限額を超えた場合には、下記のように所得によって負担が決まってきます。
高齢化はますます進んでいきます
最初に述べたように、2023年度の介護費用は11兆5139億円と過去最高ですが、今後の高齢化のスピードを考えるとさらに介護費用は増えていくものとみられます。相談者はこの制度を覚えておく必要がありますが、普段の生活から健康に留意し、健康寿命を延ばして介護される時間を短くすることによって、よりよい老後が過ごせるのではないでしょうか。
出典
厚生労働省 介護保険制度の概要
執筆者:田久保誠
田久保誠行政書士事務所代表