更新日: 2019.06.28 定年・退職

定年してからの生活を考えてますか?事前に準備しておくべきお金のこと

定年してからの生活を考えてますか?事前に準備しておくべきお金のこと
現在は人生100年時代と言われています。100才までとは言わなくても、平均寿命が延びてきている今、少なくとも90才までは生きることを想定しておきたいものです。
 
定年が60才として、残り30年の収支計画を検討していきましょう。
 
古屋禎之

執筆者:古屋禎之(ふるや よしゆき)

古屋FP事務所 代表
CFP(R)資格
1級ファイナンシャル・プランニング技能士

私は皆様の将来の夢を実現するため住宅・教育・老後等のご相談から不安を解消するファイナンシャル・プランニング業務を行い、素敵なライフプランをご提案しています。
相談業務から提案業務に不安解消から夢のある人生に、をモットーに活動中です。
2015年に日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」相談員に就任し、
現在は児童養護施設での子供たちへの金銭教育・生活困窮者家計相談支援業務・就学者支援業務にも力を注いでいます。

まず、現在の生活費を退職後も維持できるか

定年後、今の生活水準を保つためには、当然現在と同じ収入が必要になります。年金や貯蓄・退職金などを取り崩すことでそれが実現できないのであれば、収入を得る手段をとる…つまり働くか、生活水準を落とさなければなりません。
 
定年後、最初に収入として考えられるのは公的年金です。
 
しかし、厚生年金において今年60才になられる男性は、生年月日により63才または64才から報酬比例部分のみの受け取りとなります。60才以降3・4年程度、年金の支給はありません。少なくともその間は無収入となりますので、定年前の生活水準を維持するには、働くか、貯蓄や退職金などの資産を取り崩して生活していかねばなりません。
 
体力などに問題がなく働けるようなら、資産を取り崩すよりも、再雇用や再就職をして収入を得ましょう。現役時代より収入が減っても、元気なうちは収入を得ることをまず考えましょう。
 
65才から老齢年金は満額受給できます。予想年金額は年金定期便などで調べましょう。十分な金額となっていますか?再雇用も65才までという方が多いと思います。差額がでるようでしたら、転職や資産の取り崩しを検討することになります。
 
退職時の資産を30年で割ってみましょう。年金と資産とを合わせた額がその年の総生活費になります。どうしても足りなくなってしまう場合は、生活習慣を変えていかねばなりません。
 

【PR】日本財託グループセミナー

【PR】日本財託セミナー

定年後を見据えた生活改善

もし以前の生活費分の収入にならなくても、定年後は、会社員時代にかかっていた外食やお付き合いなどの費用がなくなり、経費は自身の裁量でいかようにもなります。食事は手作りする、物はリサイクルやシェアを活用、趣味にも散歩や図書館などを使うことで費用を減らすことができます。
 
また、時間はたっぷりありますので、会社員時代にはできなかった創作活動などを通して、収入を得ることもあるでしょう。
例えば、編み物や洋裁、写真、絵など、それらを売るのも楽しみになります。しかし、決して最初から大きな額を目指さないでください。継続していけば30年という時間が味方になるでしょう。
 
すぐに収入になるような趣味がないという方は、定年前から地域デビューを試みましょう。
 
定年後は会社社会がなくなり、新しい地域社会へ加わる新入社員となります。会社員時代に培ったコミュニケーション力を使い、一つと言わずいろいろな団体や社会に積極参加し交流を持ちましょう。参加することで自分に合った居場所が見つかり、人の役に立ち、有益な情報も得られるでしょう。
 
そして、資産運用を始めることも必要です。定年前から準備しましょう。
 
定年後はいわゆる売買差益で大きな利益を狙うのではなく、日々の変動に一喜一憂せず、保有することで継続して利息や配当収入を得ることを目的とします。30年を見据え、気長な長期投資を心がけましょう。
 
最後に、健康を損ねてしまうと、医療や介護に多くの費用がかかります。そのことで、資産をより多く取り崩さなくてはならなくなるかもしれません。常日頃、多くの人と出会い、好奇心を持ち、元気に活躍することが病のリスクを減らします。そしてそれが、お金にやさしい定年後につながるのです。
 
執筆者:古屋禎之(ふるや よしゆき)
古屋FP事務所 代表CFP(R)資格1級ファイナンシャル・プランニング技能士
 

PR
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集