老後のため家のリフォームの試算をしたら、200万円もかかることが分かりました。「老人向け施設」に入所するのとどちらが安くすみますか?
配信日: 2025.01.07
本記事では、家のリフォーム費用と老人向け施設の入居費用を解説します。老後の準備を考えている方は参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老人向け施設の種類と費用の相場
老人向け施設にはいくつか種類があり、施設によって費用に大きな差があります。リフォームの予算が200万円であれば、その範囲内で入所できる施設が望ましいでしょう。
本項では、その判断材料として、種類別に老人向け施設の入居費用を解説します。
老人向け施設の種類と概要
老人向け施設の種類と特徴は以下のとおりです。
●特別養護老人ホーム……要介護高齢者のための施設で、日常生活の世話、機能訓練、健康管理などを行う
●ケアハウス……軽費老人施設(低所得高齢者向け住居)の1つで、自宅での生活が困難な高齢者の日常生活をサポートする
●介護老人保健施設……要介護者の心身の機能の維持回復を図り、自宅で生活を営めるための支援を行う
●介護医療院(介護療養型医療施設)……要介護高齢者の長期療養・生活施設で、重い身体疾患のある高齢者や身体合併症のある認知症高齢者が対象
●介護付き有料老人ホーム……介護や医療サービスが充実している老人向け施設で、対象者が自立していても入所可能
●住宅型有料老人ホーム……自立していても入所できる生活支援サービス付きの施設
●グループホーム……認知症高齢者を対象とした共同生活住居
●サービス付き高齢者向け住宅……単身または夫婦で60歳以上、または要介護、要支援の60歳未満を対象とした住居
●シニア向け分譲マンション……バリアフリー化された分譲マンションで、支援サービスがない自立者向けの住居
施設別の費用相場
リフォーム資金200万円以下を前提にすると、入居できる老人ホームは限られます。公的施設の費用は安いものの、要介護が条件です。したがって、要介護でない人は民間施設を検討しましょう。
対象となる施設別の費用の相場は、図表1のとおりです。
【図表1】
介護付き有料老人ホーム | 住宅型有料老人ホーム | サービス付き高齢者向け住宅 | シニア向け分譲マンション | |
---|---|---|---|---|
入居一時金 | 0~数千万円 | 6~数百万円 | 15~50万円 | 物件購入費 1000万~数億円 |
月額費用 | 12~40万円 | 12~24万円 | 5~40万円 | 10~20万円 |
リフォーム費用と施設費用の比較
高齢者向けに自宅をリフォームする場合にかかる費用は、バリアフリー化や手すりの設置、車いすを使用するための床の強化費用などです。総務省の「令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果」によると、高齢者向けの設備のある住宅は全体の約56%にのぼるため、将来に備えたリフォームの必要性は高いといえます。
また、200万円の予算でも、実際に支払う金額が大きくなることも考えられます。一般社団法人住宅リフォーム推進協議会の「2020年度 住宅リフォームに関する消費者実態調査 結果報告書」によると、リフォームの予算平均279万円に対して実際にかかった平均費用は356万円でした。
リフォーム予算が200万円であれば、ほとんどが施設の一時金の範囲内となります。一方、施設の月額費用は食事の費用を含めた生活費となるので、入所後も大きな差はありません。
つまり、リフォーム費用と一時金を比較して施設を選択することになります。費用は施設によって一時金の費用が大きく異なるので、予算に合った施設が近くにあるかを調べて検討しましょう。将来要介護になった場合を考慮するのであれば、自宅を売却して一時金を捻出することも視野に入れてください。
リフォームと施設の費用を比較する場合は、自身の状況に合わせて比較しよう
リフォームの予算200万円でも、入居できる老人ホームはあります。リフォームにするか施設への入所にするのかは、自身の状況によって選択することが大切です。
施設では食事のサービスが付いているので、月額費用は入居前の生活費と変わりません。したがって、入所に必要な一時金とリフォームの予算を比較しましょう。また、自宅を売却して一時金や敷金、頭金などに充当するのも手段の1つです。
出典
厚生労働省 介護老人福祉施設
厚生労働省 公益社団法⼈ 全国⽼⼈福祉施設協議会について
厚生労働省 介護老人保健施設
厚生労働省 介護療養病床・介護医療院の これまでの経緯
厚生労働省 介護を受けながら暮らす高齢者向け住まいについて
厚生労働省 認知症対応型共同生活介護
総務省 令和5年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計(確報集計)結果
一般社団法人住宅リフォーム推進協議会 住宅リフォーム契約者実態調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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