あと5年で定年ですが、貯金は「800万円」しかありません…老後まで時間がないので“投資”をしてお金を増やすべきでしょうか?
配信日: 2025.01.20
本記事では、老後に必要な資金額を算出するとともに、投資を行ううえで把握しておくべきリスクについてもご紹介します。
また、投資以外に老後資金を準備するために、どのような方法があるのかをまとめました。定年後の老後資金が心配な方は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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老後に必要な資金はどのくらい?
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上単身無職世帯の1ヶ月の消費支出は14万5430円とのことです。
次に、定年後に受給する年金についても確認しておきましょう。厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年度末時点における国民年金を含む厚生年金の受給者平均月額は14万7360円です。
今回の事例を一人暮らしの方と仮定した場合、65歳で定年を迎えてから90歳まで生きるとして、4362万9000円のお金が必要という計算になります。厚生年金に加入していて平均程度の金額を受給できるのであれば、25年間で4420万8000円になるため、58万円程度の黒字となります。
ただし、60歳で定年を迎えた場合は、年金の受給開始までの5年間、退職金や貯蓄を切り崩さなければなりません。同じように計算すると5年間の生活費は872万5800円になるため、900万円近くの貯蓄が減る可能性があります。
高齢になると入院費や介護費、自宅のリフォーム費用などが必要になるケースもあるため、余裕をもって貯蓄しておいた方がよいでしょう。
投資にはリスクがあるのか?
老後資金を少しでも増やせるように、投資による資産形成を検討する方もいらっしゃるでしょう。投資にはメリットだけでなくリスクもあるため、事前によく確認することをおすすめします。
投資にはさまざまな種類の商品がありますが、それぞれにリスクの種類も異なります。例えば、株式を購入した後で株価が下がり損失を出してしまうリスクや、社債を発行した会社が倒産してしまうリスクがあるでしょう。
リスクが高い商品ほど、得られる利益が大きくなる可能性があるといわれています。しかし、大きな利益を求めて、リスクの高い商品を購入するのはおすすめできません。初めて投資する場合は特に、リスクの少なさを重視した方がよいかもしれません。
投資以外に老後資金を準備する方法
定年まであと数年という段階で老後資金に不安がある場合は、投資以外の方法も考えてみましょう。
可能であれば、定年後も働いて収入を得続けるのもよいでしょう。今勤めている会社に再雇用制度があれば活用する方法もありますし、シニア向けの採用を探すのもよいかもしれません。
また、家計を見直すことで大きな節約効果が得られ、貯蓄を増やせる可能性もあります。例えば、格安スマホに乗り換えることで通信費を減らしたり、契約している保険から不要な特約や補償を外して保険料を安くしたりといった方法があります。
投資にはリスクもあるため、よく理解することが大切
定年まであと数年の段階で、貯蓄と年金だけでは老後生活が不安だという場合は、なるべく早く資金を増やす方法を考えなければなりません。
老後資金を増やす方法として投資を検討されているのであれば、メリットだけでなくリスクについてもしっかりと理解しておきましょう。まずはリスクを軽減するために、安全性の高い金融商品から始めることをおすすめします。
また、投資以外の方法で貯蓄を増やすことも考えてみましょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支-2023年-(19ページ)
厚生労働省年金局 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 II.厚生年金保険 表6 厚生年金保険(第1号) 受給者平均年金月額の推移(8ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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