夫が病気がちなので、老後に私は「おひとりさま」になるかもしれません……。老後「2000万円」が必要と言われていますが、独り身だと必要資金は半分の1000万円になるのでしょうか?

配信日: 2025.01.26

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夫が病気がちなので、老後に私は「おひとりさま」になるかもしれません……。老後「2000万円」が必要と言われていますが、独り身だと必要資金は半分の1000万円になるのでしょうか?
これから、ますます「おひとりさま」が増えるとされている今、老後に必要といわれている2000万円で足りるのか?
 
独り身の場合は、1000万円でよいのかと思いを巡らせている人は少なくありません。必要な資金は家庭ごと、一人ひとり違いがあります。老後の資金は、どのように考えておくべきなのでしょうか?
飯田道子

執筆者:飯田道子(いいだ みちこ)

ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

金融機関勤務を経て96年FP資格を取得。各種相談業務やセミナー講師、執筆活動などをおこなっています。
どの金融機関にも属さない独立系FPです。

https://paradisewave.jimdo.com/

2000万円が半分の1000万円にはならない

まず、相談者さまの最大の疑問点である老後資金として必要といわれている2000万円は、独り身の場合は半分の1000万円でよいのかという点についてです。結論からいえば、単純に半分の1000万円になるというわけではありません。
 
その理由としては、家賃や住宅ローンの支払いがある場合、住み替えをしないかぎり2人で暮らしていたときのままの金額です。
 
また、食費や水道光熱費についても単純に半額になるのではなく、単身世帯でも2人世帯の7~8割が必要になるからなのです。このことからも分かるように、老後の必要資金が半分になるというわけではないのです。
 

老後資金の考え方

老後資金は〇〇円必要、△△円必要といわれることが多いのですが、これは一定条件を基に計算した金額です。
 
ライフスタイルや何にお金をかけたいのかによって、人によって老後に必要となる金額は違ってきます。世の中に流れている情報に振り回されることなく、自分・自分たちにとって要な資金はいくらになるのか、考えることから始めてみましょう。
 
そのためには、どのような費用がかかるのか、いつ、どれくらいの資金が必要になるのか等、ライフイベントを明確にすることが大切です。
 
具体的には、衣食住にかかるお金、レジャー関連費、その他のお金がいくらになるのかを算出し、収入となる年金額から差し引けば、必要な金額を賄うことができるのか想定できます。
 
ひと月あたりの金額をもとに、60歳から30年間に必要となる金額がいくらになるのかを考えてみます。


・住居費:10万円
・水道光熱費:2万円
・通信費:1万5000円
・食費:5万円
・雑費:3万円
・合計:21万5000円
21万5000円 × 12ヶ月 × 30年 = 7740万円
 

・レジャー費:年間50万円(85歳までかかるものとします)

50万円 × 25年 = 1250万円

7740万円 + 1250万円 = 8990万円
 

年金収入(65歳から夫婦2人1ヶ月分)

22万円 × 12ヶ月 × 25年 = 6600万円

8990万円 - 6600万円 = 2390万円

ざっくりとですが、夫婦2人でかかる費用を算出しました。このケースでは老後資金として、2390万円必要になる計算です。また、60歳で仕事を辞めて65歳までの期間は収入なしと計算しています。
 
もし、65歳まで働いている場合には、生活費は25年分となり6450万円です。老後資金として必要な金額は、1100万円あれば足りる計算になります。
 

1人でいくらかかるのか、どのようなライフプランを望むのかを明確にする

上記では、ざっくりと老後に必要となる資金を計算しました。より自分のデータに合うように、年金については年金定期便でいくらもらえるのかを確認し、その金額をもとに計算してください。
 
2人分の年金として計算していますが、独り身になったときには、いくらもらえるのかも明確にし、収入が減ったときには老後資金はいくら必要になるのかを計算することが大切です。
 
生活費についても、毎月、いくら使っているのかのデータをもとにして計算してみましょう。住宅ローン(持ち家)がある場合は、何歳まで支払うのか、固定資産税はいくらかかるのか、住宅修繕費も考慮して計算するとよいでしょう。
 
賃貸の場合は、独り身になったときに住み替えることで家賃を抑えることも可能になります。反対に有料老人ホーム等に入所する場合には、一時金として数千万円以上が必要になり、毎月20~30万円かかることもあります。
 
どのような暮らしをしたいかは、人によって違います。自分たちが望む生活をイメージしながら、いくら必要になるのかを計算することが大切です。
 
執筆者:飯田道子
ファイナンシャル・プランナー(CFP)、海外生活ジャーナリスト

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