ひとり暮らしの母も高齢になり、そろそろ「介護」が必要そうです。「高齢者施設」に入居するにはいくらくらいの貯えが必要ですか?

配信日: 2025.02.14

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ひとり暮らしの母も高齢になり、そろそろ「介護」が必要そうです。「高齢者施設」に入居するにはいくらくらいの貯えが必要ですか?
日本では依然として高齢化が進行しており、高齢者施設への入居を検討する方もいます。老人ホームをはじめとした高齢者施設に入居するには、入居一時金と月額料金が必要です。本記事では、それぞれどの程度の費用がかかるのかを中心に、高齢者施設への入居にまつわるコストについて解説します。
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そもそも「老人ホーム」にかかる費用とは?

老人ホームに入居するためには、どのような費用が必要なのでしょうか。入居にかかる主な費用は以下の通りです。
 

・入居一時金:入居時に必要となる一定期間分の前払い家賃
・月額利用料:家賃や食費といった、入居後にかかる月額の利用料

 
また、入居後は日常生活費や医療費をはじめ、おむつ代や日用品などの費用は個人で支払う必要があります。入居一時金を支払っておけば、一定期間の家賃を前払いしているため、月額の費用を抑えることが可能です。
 
入居一時金ではなく月払い方式を採用している施設もありますが、まとまった費用が用意できるのであれば、入居一時金を支払うことをおすすめします。
 
入居一時金の償却期間は一般的に5~15年程度に設定されているケースが多く、償却期間が終わる前に施設を退去した場合などは、残りの期間に応じた金額分を返還してもらうことが可能です。
 

「老人ホーム」は施設によって「費用相場」が大きく異なる

老人ホームは、施設設備や利用できる介護内容などによって、費用相場が大きく異なります。
 
ここでは、株式会社LIFULL seniorの調査結果を基に、「高級老人ホーム」(入居一時金が1000万円以上の料金プランを持つ有料老人ホーム)と「低価格老人ホーム」(入居一時金500万円以下、月額20万円以下の料金プランを持つ有料老人ホーム)の1都3県における費用相場を紹介します。
 
有料老人ホームの費用相場は表1の通りです。
 
表1

入居一時金 月額
東京都 高級老人ホーム 2449万5000円 33万6690円
低価格老人ホーム 49万5000円 17万640円
「高級」ー「低価格」の差額 2400万円 16万6050円
神奈川県 高級老人ホーム 1880万円 31万1560円
低価格老人ホーム 24万8000円 16万9270円
「高級」ー「低価格」の差額 1855万2000円 14万2290円
千葉県 高級老人ホーム 1694万4000円 23万6170円
低価格老人ホーム 15万3000円 16万9400円
「高級」ー「低価格」の差額 1679万1000円 6万6770円
埼玉県 高級老人ホーム 1660万円 20万5400円
低価格老人ホーム 16万7500円 17万4898円
「高級」ー「低価格」の差額 1643万2500円 3万502円

出典:株式会社LIFULL senior「1都3県の有料老人ホームの費用相場を調査。高級老人ホーム・低価格老人ホームが多い地域ランキングも発表」を基に筆者作成
 
このように、施設によって費用相場は大きく異なるものの、老人ホームに入居するのは入居一時金だけでも数十万円から数千万円もの貯えが必要であることが分かります。
 

資金が足りない場合は「公的施設」がおすすめ

老人ホームには多様な種類があります。できる限り費用を抑えたい場合は、初期費用や月額利用料が低額である公的施設もおすすめです。公的施設には以下のようなものがあります。
 
・ケアハウス
ケアハウスは、社会福祉法人や地方自治体などが運営している施設です。初期費用が必要な施設もなかにはありますが、民間施設に比べると月額利用料は低めに設定されています。ケアハウスは「自立型」と「介護型」があり、それぞれの概要は以下の通りです。
 

・「自立型」:自立した生活に不安のある60歳以上の方が利用でき、安否確認や生活支援サービスなどが受けられる施設
・「介護型」:65歳以上で要介護1以上の高齢者を対象とし、介護サービスも受けられる施設

 
・特別養護老人ホーム(特養)
特別養護老人ホーム(特養)とは、要介護度の高い方が終身にわたり介護を受けられる公的施設です。初期費用が不要で、月額利用料は民間施設と比べると低めに設定されています。
 
ただし、特別養護老人ホームの対象は、原則として要介護3以上の65歳以上の方です。40~64歳の方であっても、特定疾病が認められ同じく要介護3以上である場合は入居できます。また、要介護1~2の方でも、条件を満たせば入居可能となる場合があります。
 

まとめ

老人ホームに入居するには、主に入居一時金と月額利用料が必要です。また、その他に日常生活費や医療費をはじめ、おむつ代や日用品などの費用もかかります。受けられるサービス内容や施設設備によっても料金が異なるので、予算に応じた老人ホームを選ぶことがおすすめです。
 
資金が足りない場合や、できる限り費用を抑えたい場合は、初期費用や月額利用料が低額である公的施設の利用も検討しましょう。
 

出典

株式会社LIFULL 1都3県の有料老人ホームの費用相場を調査。高級老人ホーム・低価格老人ホームが多い地域ランキングも発表
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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