今年60歳で夫が定年、貯金は「800万円」ほどです。年金受給がはじまる65歳まで今あるお金だけで生活する予定ですが、足りますよね?

配信日: 2025.02.20 更新日: 2025.10.21
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今年60歳で夫が定年、貯金は「800万円」ほどです。年金受給がはじまる65歳まで今あるお金だけで生活する予定ですが、足りますよね?
60歳で定年退職を迎える家庭の場合、65歳で年金を受給するまでの5年間の生活費をどのように賄うかは検討すべき重要なポイントです。中には貯金を取り崩して生活することを考えている方もいるようですが、5年間でいくら必要なのでしょうか。定年時の貯金が800万円ほどであれば足りるのでしょうか。
 
そこで今回は、60歳から年金受給が始まるまでの5年間の生活費はいくら必要になるかを調べてみました。年金生活が始まってからの家計収支や、年金だけで老後生活費が足りない場合の対処法もご紹介しますので、参考にしてください。
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60歳から年金受給が始まるまでの5年間で生活費はいくら必要?

総務省統計局の「家計調査/家計収支編(2023年)」によると、世帯主が60~64歳で二人以上の世帯のうち無職世帯における1ヶ月の消費支出は、平均28万5152円であるとのことです。これを基準に必要な生活費を計算すると、1年間に342万1824円、5年間で1710万9120円になります。
 
貯金800万円で年金受給が始まるまでの生活費を賄おうと思っている場合、910万9120円も足りないことが分かります。退職金が出ることも考えられますが、何か別の用途に使う予定があるなら、年金受給が始まるまでの生活費は大きな負担になるでしょう。
 
もちろん各家庭によって生活費は異なります。早めに実際の生活費を計算して、定年から年金受給が始まるまでに必要な金額をシミュレーションすることは大切です。
 

年金だけで生活費が賄えるかも重要なポイント

貯金や退職金を年金受給までの生活費に充てたとしても、その後の年金生活で生活費を賄えるとは限りません。年金受給が始まった後の家計収支もシミュレーションしておくことは大切です。
 
一般的には年金だけで老後の生活費を賄うことは難しいといわれています。総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における家計収支は、月に3万7916円の不足が生じるとのことです。
 
あくまでも参考値ではありますが、これを基準に計算すると、年金受給が始まってからも、1年間で45万4992円の不足が生じる可能性があることが分かります。毎月の不足分を補うために、貯金を取り崩したり仕事をして収入を得たりするなどの対策が必要になるでしょう。
 

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定年後の生活費が足りなくなる事態への備え

定年後の生活費が足りなくなる事態に備えて、以下の対処法を検討しておくとよいでしょう。

●生活費を見直す
●定年後も働き続ける

定年後にいくら年金をもらえるかは、現役時代の働き方などによって各家庭で異なります。しかし一般的には収入が大幅に減少するといわれており、現役時代の生活レベルを維持することは難しいでしょう。家計収支の不足分を少しでも減らすために、今から生活費を見直すことは大切です。
 
例えば今住んでいる家が広すぎると感じられる場合は、夫婦二人で生活するのに十分な広さの家に引っ越せば、家賃をおさえられるかもしれません。
 
使用頻度が少なければ、所有している車を手放したり、あまり利用していないサブスクリプションサービスを解約したりして、毎月の支出を減らすことができるでしょう。これらの固定費は、一度見直すと効果が長続きします。
 
定年後も仕事を続けて、収入を得ることも選択肢となるでしょう。生活費を賄えるだけの収入が得られれば、貯金は医療費や介護費など、万一の場合に取っておけます。定年後すぐに貯金を取り崩すのではなく、働き続けて老後資金を増やしていくなら、定年後も長く続く老後生活は安心です。
 

60歳から65歳で年金受給が始まるまでの生活費は1700万円以上かかる可能性がある! 老後生活の家計収支も考慮に入れたマネープランが大切

60歳で定年を迎えて、65歳で年金受給が始まるまでの生活費を計算したところ、平均的な消費支出額であれば5年間で合計1710万9120円かかることが分かりました。
 
これはあくまでも平均値ですが、貯金800万円で生活費を賄うことを考えていた場合は、910万9120円も足りないことが分かります。「退職金が出れば生活費を賄える」と考えるかもしれませんが、老後は年金だけで生活できないといわれていることから、長期的な視野で資金計画を立てる必要があります。
 
定年後の生活費が足りなくなる事態に備えて、今から生活費を見直すことは重要です。家・車・サブスクリプションサービスなど、固定費の見直しは長期間の効果が得られます。
 
定年後に仕事を続けて収入を得るなら、老後資金を取り崩すことなく増やしていけるでしょう。定年後も長く続く老後生活に備えて、安心して過ごせるようなマネープランを考えることは大切です。
 

出典

政府統計の総合窓口(e-Stat) 総務省統計局 家計調査/家計収支編(2023年) 二人以上の世帯 詳細結果表 表番号3-2 <用途分類>1世帯当たり1か月間の収入と支出 世帯主の年齢階級別
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2023年-(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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