公務員は定年後も働き続けられるの?会社員のような再雇用制度はある?

配信日: 2025.02.21

この記事は約 4 分で読めます。
公務員は定年後も働き続けられるの?会社員のような再雇用制度はある?
公務員は定年後も働き続けることができるのでしょうか? 会社員のように再雇用制度はあるのか、気になる方も多いはずです。公務員の定年制度や、定年後の再任用制度について詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

公務員の定年引き上げ、令和13年度に65歳へ

令和5年4月に施行された法律改正により、国家公務員の定年年齢が引き上げられます。これまで60歳だった定年が2年ごとに1歳ずつ延長され、令和13年度には65歳に達する予定です。
 
地方公務員についても同様の方針が採られ、今後数年間で定年が引き上げられる見込みです。
 

定年後も働く公務員は8割超

人事院が公表した「令和5年退職公務員生活状況調査」によると、定年退職後も働きたいと考えている人は83.3%に上っています。
 
働きたい理由で最も多かったのは「日々の生計維持のために必要」で85.7%でした。次いで「社会とのつながりを保ち、生活に張りや生きがいを持ちたい」が44.0%、「経済的により豊かな生活を送りたい」が38.1%となっています。
 
調査時点で収入を伴う仕事に就いている人の割合は87.6%でした。また、定年後に働く意思がなかった人でも54.1%が仕事に就いています。
 
仕事の内容をみると、「国の機関(行政執行法人を含む)の暫定再任用職員」が79.2%を占めています。次いで「民間企業」に就職した人が10.6%です。退職公務員の多くが、経済的な理由から定年後も働き続けており、再任用制度の活用が一般的であることが分かります。
 

定年前再任用制度と暫定再任用制度

定年前再任用短時間勤務制度と暫定再任用制度は、給与や勤務条件に共通点があるものの、目的や対象者、任期が異なる別の制度です。
 

定年前再任用制度

定年前再任用制度は、定年が65歳に引き上げられることに伴い、60歳以降の多様な働き方を支援するために導入されました。60歳に達した後、一度辞職した上で短時間勤務の官職に就き、定年退職相当日まで公務に従事できる仕組みです。
 
これは、健康面や家族の介護など、高齢期特有の事情に配慮することを目的としています。
 

暫定再任用制度

暫定再任用制度は、定年が65歳に引き上げられる過渡期において、雇用と年金の連携を目的とした制度です。
 
対象となるのは定年退職した職員で、フルタイムまたは短時間勤務の再任用職員として採用されます。任期は1年以内ですが、65歳年度末まで更新可能です。この制度は、原則として令和13年度末までの期間限定で運用されます。
 

公務員は失業保険を受け取れるのか

国家公務員や地方公務員は雇用保険の適用対象外であるため、退職後に失業保険を受給することはできません。
 
これは、公務員には国家公務員法などの法律に基づく独自の保障制度があり、一般の雇用保険を上回る給付が確保されているためです。また、公務員は民間企業の従業員と比べて雇用が安定している点も、理由の1つです。
 
その代わりに、公務員には「退職手当」が支給されます。退職手当の金額は、退職時の給与や勤続年数、退職理由によって決まり、長く勤めるほど増える仕組みになっています。
 
ただし、勤続期間が短い場合は退職手当が少なくなるため、退職後の生活に不安を感じることもあるでしょう。そのような場合は、条件を満たせば「失業者の退職手当」を受け取ることが可能です。
 

公務員は定年後も働き続けることが可能

定年は令和13年度までに65歳へ引き上げられる予定ですが、それまでの過渡期には「暫定再任用制度」があり、定年後もフルタイムや短時間勤務での再任用が可能です。
 
また、60歳以降に柔軟な働き方ができる「定年前再任用制度」もあります。多くの公務員が定年後も働き続けており、再任用制度を活用する人が大半を占めているのです。会社員の再雇用制度と似た仕組みですが、公務員特有の制度として運用されています。
 
また、公務員は雇用保険の適用外のため失業保険は受け取れませんが、「退職手当」が支給されます。勤続年数や退職理由によって額が変わるが、一定条件を満たせば「失業者の退職手当」も受け取ることが可能です。
 

出典

内閣官房 高齢政策
人事院 令和5年 退職公務員生活状況調査の結果について
人事院 定年引上げ・再任用制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

【PR】
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集