今年定年退職する両親の貯金が「500万円」だということを先日知りました…年金だけで生活していけるのでしょうか?

配信日: 2025.03.13

この記事は約 4 分で読めます。
今年定年退職する両親の貯金が「500万円」だということを先日知りました…年金だけで生活していけるのでしょうか?
両親が定年を迎えるタイミングで、老後生活を問題なく送れるか心配する人もいるようです。定年退職後は収入が大幅に減少することが一般的であるため、老後生活に備えて老後資金を貯めることは大切ですが、定年退職時の貯金が500万円ほどしかないケースも考えられます。
 
そもそも老後生活は年金だけで生活していけるのでしょうか。そこで今回は、老後の年金支給額はどれくらいなのかを調べてみました。老後の生活に必要な金額や貯金が少なくて老後生活が厳しい場合の対策もご紹介しますので、参考にしてください。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

老後の年金支給額

老後の年金支給額は、現役時代の働き方や年金保険の加入期間などによって個々で異なります。
 
国民年金および厚生年金の平均受給額については、厚生労働省年金局の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を参考にできます。同資料によると、令和5年度末時点における各年金の受給者の平均年金月額は以下の通りです。


・国民年金:5万7700円(令和5年度の満額は月額6万6250円)
・厚生年金:14万7360円

仮に両親の一方が会社員でもう一方が専業主婦(主夫)または扶養内でパートをしていた場合、両親が定年後に受け取る年金額の目安は1ヶ月で20万5060円ほどであると考えられます。一方で、両親が国民年金のみに加入している場合は、夫婦2人で1ヶ月に11万5400円しかもらえません。
 
65歳以上の厚生年金受給権者については、男性の平均年金月額は16万9484円、女性は11万1479円です。この金額を基に夫婦共働きだった場合の年金額を計算してみると、28万963円と予想できます。
 

老後の生活に必要な金額は? 年金だけで生活していける?

老後の生活に必要な金額の目安は、総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」を参考にできます。同調査によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における1ヶ月の消費支出は平均25万959円です。
 
前述の老齢年金支給額を基に家計収支を見てみると、夫婦共働きであった場合の予想年金収入28万963円であれば、年金だけでも生活できる可能性はあります。
 
しかし一方が会社員でもう一方が専業主婦(主夫)または扶養内でパートをしていた場合で考えると、年金収入は20万5060円で、毎月4万5899円の不足が生じます。両親が国民年金のみに加入している場合は11万5400円しかもらえないため、不足分は13万5559円です。
 
なお、同調査の消費支出では「住居」にかかる費用が1万6827円です。賃貸住宅に住んでいる場合などはさらに支出が増えると予想できます。また老後生活で趣味や娯楽を楽しむなど、余裕のある生活を送りたい場合は、さらに支出が増えるでしょう。
 

今年定年退職する両親の貯金は500万円……老後生活が厳しい場合の対策

年金だけで生活するのが難しい場合は、貯金を取り崩すことになるでしょう。仮に毎月4万5899円の不足分を貯金で補うとすると、毎年55万788円が必要になり、9年たつと500万円の貯金は底をついてしまいます。
 
両親が老後生活で困らないために、両親の家計状況を把握することは大切です。まず収入に関して、前述の厚生労働省年金局「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」を基にした計算では、両親が1ヶ月に受け取る年金受給額は、現役時代の働き方などに応じて11万5400円~28万963円と予想できます。
 
年金受給額を確認したうえで、実際にどれくらいの生活費がかかるかをシミュレーションします。毎月の家計収支が赤字になる場合は、生活費の見直しや、定年後も体力が続く限り働くことを提案できるでしょう。それでも生活が厳しい場合は、自身の生活に余裕があれば仕送りなどを検討できるかもしれません。
 

一般的に老後生活を年金だけで賄うのは難しいと考えられる! 貯金500万円が底をつかないよう早めの対策が必要

両親の一方が会社員でもう一方が専業主婦(主夫)または扶養内でパートをしていた場合で考えると、毎月4万5899円の赤字となります。不足分を貯金で補う場合、500万円は9年もたつと底をついてしまいます。
 
実際に受け取る年金額は、現役時代の働き方などによって11万5400円~28万963円と予想され、各家庭により幅があることも分かりました。生活費もライフスタイルなどによって異なるため、両親の家計状況を把握することは大切です。
 
両親の家計収支が赤字になると予想される場合は、生活費を見直したり、定年後も働いたりするなど、早めに対策を考えるとよいでしょう。状況によっては、両親への仕送りなども検討できるかもしれません。
 

出典

厚生労働省年金局 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況 II.厚生年金保険 (2)給付状況(8、12、13ページ)、III.国民年金 (2)給付状況(19ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支<参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯)表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

夫の家事への不安に関するアンケート
FF_お金にまつわる悩み・疑問 ライターさん募集
FFジャックバナー_ヘッダー用 【PR】
FFジャックバナー_フッダー用 【PR】