60代でも「働きたい」という人は多い?定年退職後も働く方の割合と働き続ける理由を解説
配信日: 2025.03.15

本記事では、定年後も働く方の割合や働き続ける理由を解説します。定年後も働く方がどのくらいいるのか気になる方は、ぜひ参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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定年後も働く人はどのくらいいる?
内閣府の「令和6年版高齢社会白書(概要版)」によると、65歳以上の就業率は、平成25年から令和5年まで、表1のように変化しています。
表1
平成25年 | 平成30年 | 令和5年 | |
---|---|---|---|
65歳~69歳 | 38.7% | 46.6% | 52.0% |
70歳~74歳 | 23.3% | 30.2% | 34.0% |
75歳以上 | 8.2% | 9.8% | 11.4% |
出典:内閣府「令和6年版高齢社会白書(概要版)」を基に筆者作成
平成25年から令和5年までの間に65歳以上の就業率は上昇していることが分かります。特に65歳~69歳では、半数以上の方が就業しているようです。
定年後も働く理由は?
ヒューマンホールディングス株式会社の「シニアの仕事観とキャリアに関する実態調査2025」によると、以下のような理由で定年後も働いているようです。
・生活費を得るため:54.6%
・社会とのつながりを保つため:43.0%
・身体的健康を維持するため:42.1%
・余剰資金をつくるため:29.0%
・やりがい・達成感を感じるため:28.4%
社会とのつながりや健康、やりがいなどお金以外の理由で働く方もいるようです。しかし、お金に関する理由も多いため、働かずに生活費を賄うことに不安や厳しさを感じている方も多いといえます。
実際、総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)結果の概要」によると、表2のように65歳以上の無職世帯は赤字になるようです。
表2
夫婦のみ | 単身 | |
---|---|---|
実収入 | 24万4580円 | 12万6905円 |
消費支出 | 25万959円 | 14万5430円 |
非消費支出 | 3万1538円 | 1万2243円 |
不足分 | 3万7917円 | 3万768円 |
出典:総務省統計局「家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)結果の概要」を基に筆者作成
夫婦世帯でも単身世帯でも3万円以上の赤字になるようで、その生活を続けていくと貯金があったとしても底をつくでしょう。このようなお金の不安を少しでも少なくするために、定年後も働くといえます。
定年後に仕事に就いた経緯
ヒューマンホールディングス株式会社の調査によると、定年後に仕事に就いた経緯は以下の通りでした。
・再雇用:34.9%
・異なる業界・異なる職種で転職・再就職:25.3%
・同じ業界・同じ職種で転職・再就職:17.4%
定年後も引き続き同じ会社で働く方が多いですが、異なる業界・職種に就職する方も多く、定年後に新たなキャリアを築くことも可能なようです。
定年後の仕事を探す方法
定年後の仕事を探す方法は、3つあります。
・再雇用制度を利用する
・シルバー人材センターで探す
・求人サイトに登録する
再雇用制度は、定年まで働いていた会社で改めて雇用契約を結んで働けます。ただし、定年前と同じ雇用形態、給料にはならないことを理解しておきましょう。
別の仕事をする場合は、シルバー人材センターや求人サイトで探せます。今までの経験やスキルを洗い出し、生かせそうな仕事を見つけましょう。
定年後も働く人は増加傾向にある
定年後も働く人は確実に増加しており、特に65歳~69歳では就業率が52%と半数を超えています。働く理由としては、社会とのつながりを求める声が最も多い一方で、実収入と支出のバランスをみると、無職の高齢者世帯では毎月3万円以上の赤字となることから、経済的な理由も大きな要因となっています。
働く理由は人それぞれですが、定年後も活躍するためには、健康寿命を延ばすための運動習慣や、定年後の生活設計を早めに立てておくことが重要になるでしょう。
出典
内閣府 令和6年版高齢社会白書(概要版) 第1章 高齢化の状況(第1節及び第2節) 【第1節】高齢化の状況及び【第2節】高齢期の暮らしの動向
ヒューマンホールディングス株式会社 シニアの仕事観とキャリアに関する実態調査2025
総務省統計局 家計調査年報(家計収支編)2023年(令和5年)結果の概要(18ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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