老後資金「1500万円」ですが「節約すればなんとかなる」と定年後夫が仕事を辞めてしまいました…本当に足りるのでしょうか?
配信日: 2025.03.16

定年後も仕事を続けて老後資金を増やし続ける人もいれば、「老後資金は1500万円あるし節約すればなんとかなる」と思い、定年後に仕事を辞めてしまう人もいます。以前話題になった「老後2000万円問題」を考えると、本当に今の老後資金で足りるのか不安になる方もいるでしょう。
そこで今回は、年金収入だけで老後生活を送る場合に「貯蓄1500万円で足りるのか」という点について調べてみました。老後生活が厳しくならないための節約方法もご紹介しますので、参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
目次 [非表示]
老後生活は1500万円の貯金で足りる?
「老後2000万円問題」が話題になったこともあり、老後資金1500万円では足りないのではないかと不安に感じる方がいるかもしれません。
総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要」から、老後資金の目安を計算してみましょう。同調査によると、65歳以上の夫婦が年金収入だけで生活する場合、一般的な家計収支では毎月3万7916円の不足が生じています。
これを基に老後生活で必要な年数ごとの金額を計算しました。
・10年間:454万9920円
・15年間:682万4880円
・20年間:909万9840円
・25年間:1137万4800円
・30年間:1364万9760円
・35年間:1592万4720円
老後生活の家計収支は各家庭によって違いがあるため一概にはいえませんが、平均的な数値で考えると、老後30年から35年の間に貯金1500万円は底をつく可能性があります。
「少しはぜいたくをしたい」「病気がちで医療費が高額になる」「支出が多くて生活費をおさえられない」などの理由で、毎月の不足分が平均よりも高くなる場合も考えられ、老後資金1500万円では足りなくなるかもしれません。
老後生活が厳しくならないための節約方法
定年後に仕事を辞めても「節約すればどうにかなる」と考える方がいるかもしれません。老後生活で収入を増やすことが難しければ、以下のような方法で節約してみるといいでしょう。
・固定費を見直す
・無駄な買い物をしない
・車を手放す
・交際費をおさえる
固定費は毎月発生するものであるため、一度見直して節約できれば、長期的に効果が得られます。スマホを格安SIMに乗り換えたり料金プランを変更したりして、通信費をおさえることも可能です。保険料の見直しや使用頻度の低いサブスクリプションサービスの解約などで、固定費を節約できるかもしれません。
生活費がなかなかおさえられない家庭では、無駄な買い物が習慣になっている可能性も考えられます。買い物をする前に、冷蔵庫の中身を確認し、買い物リストを作っておくのがおすすめです。
買い物の頻度を決めたり、必要な代金だけを財布に入れたりすると、買い過ぎをおさえられます。1ヶ月の生活費を決めて、週単位で管理するのもいいでしょう。
車を所有している方は、税金・駐車場代・自動車保険代・ガソリン代など維持費が家計の負担になっているかもしれません。車に代わる交通手段を確保できる地域に住んでいる場合は、車を手放すことでも生活費が節約できます。
定年後に仕事を辞めると、自由な時間が増えるため、交際費も増える傾向にあります。裕福な友人と行動を共にすると、出費が増えてしまうでしょう。付き合う仲間や頻度を見直して、生活費の節約を優先させることも大切です。
老後資金1500万円は30年から35年の間に底をつく可能性あり! 年金生活では節約で生活費をおさえることが大切
65歳以上の夫婦が年金収入だけで生活する場合、一般的な家計収支では毎月3万7916円の不足が生じ、老後資金の目安を計算してみると、30年から35年で1364万9760円~1592万4720円のお金が必要となることが分かります。1500万円の貯金があっても30年から35年で底を尽き、生活スタイルによってはその前に足りなくなる可能性もあるでしょう。
定年後に仕事を辞めて年金生活をする方は、老後生活が厳しくならないために、固定費を見直したり無駄な買い物をやめたりして、節約に努めることが大切です。
可能であれば車を手放したり、付き合う仲間や頻度を見直して交際費をおさえたりして、生活費を節約する方法も効果的です。いずれにしても、1500万円あるからと安心せず、自身の家計収支を把握したうえで余裕を持たせた資金計画を立てるといいでしょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2023年(令和5年)平均結果の概要(19ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー