月7万円の年金で暮らす一人暮らしの母へ、毎月「5万円」援助してきました。物価高もありこれ以上の支援が難しいのですが、高齢者が利用できる制度はありませんか?

配信日: 2025.03.17

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月7万円の年金で暮らす一人暮らしの母へ、毎月「5万円」援助してきました。物価高もありこれ以上の支援が難しいのですが、高齢者が利用できる制度はありませんか?
年金のみで生活している一人暮らしの親に対して、金銭面で支援している子どももいるでしょう。しかし、物価高や子どもの収入が変動したなどの理由により、継続的な支援ができなくなるケースがあります。
 
もし支援できなくなったときは、公的支援制度を利用できないか確認してみましょう。今回は、高齢者が生活に困ったときに利用できる制度についてご紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

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高齢者で一人暮らしをしている方はどれくらいいる?

厚生労働省の「2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況」によると、65歳以上の方がいる世帯は2695万1000世帯です。
 
そのうち、単独世帯は855万3000世帯で65歳以上の方がいる世帯のうち31.7%でした。夫婦のみの世帯は32.0%の863万5000世帯なので、夫婦のみと比較しても一人暮らしは珍しくないといえるでしょう。
 
また、全世帯平均の総所得は平均524万2000円なのに対し、高齢者世帯のみの平均総所得は平均304万9000円です。
 
さらに、高齢者以外の世帯の総所得の平均は651万1000円なので、高齢者になると総所得が平均346万2000円減少することになります。現役時代より所得が大きく落ち込むことが考えられるため、人によっては生活に困難が生じる可能性もあるでしょう。
 
実際、同調査によると、高齢者世帯のうち総所得がすべて公的年金や恩給だという方は41.7%いました。つまり、高齢者世帯で4割以上の方は収入源が年金のみということになります。
 
そのため、年金額があまり多くない方は、生活費を工面できなくなる場合があります。
 

高齢者が生活に困ったときに受けられる給付金とは

親の収入源が年金のみで生活に困っている場合、可能であれば子どもが助けることも有効な手段でしょう。しかし、親の助けをしていて自身の生活に影響が出ている場合は、親に給付金制度や貸付制度の利用をすすめることも選択肢のひとつです。
 
ここでは、年金生活者が利用できる可能性のある制度についてご紹介します。
 

(補足的)老齢年金生活者支援給付金制度

厚生労働省によると、(補足的)老齢年金生活者支援給付金制度は、以下の条件をすべて満たしている場合に利用できる給付金制度です。
 

・65歳以上で老齢基礎年金を受け取っている
・同一世帯の全員が市町村民税非課税
・昭和31年4月2日以降生まれ:前年の公的年金やそのほかの所得の合計が88万9300円以下
・昭和31年4月1日以前生まれ:前年の公的年金やそのほかの所得の合計が88万7700円以下

 
もし条件に該当していれば、月額あたり「(5310円×保険料納付済み期間/480ヶ月)+(1万1333円×保険料免除期間/480ヶ月)」の金額を受け取れます。
 
ただし、所得によっては計算式が変動する可能性があります。また、昭和16年4月1日以前生まれの場合、誕生年月日に応じて受給額の計算式における480ヶ月の部分は減少するため、年金事務所や自治体に詳細を確認しましょう。
 

生活福祉資金貸付制度

生活福祉資金貸付制度は、高齢者世帯や障がい者世帯、低所得者世帯などが安定して生活を送れるように、資金の貸し付けや必要な相談をできる制度です。
 
政府広報オンラインによれば、生活福祉資金として貸し付けされるお金は、総合支援資金、福祉資金、教育支援資金、不動産担保型生活資金の4種類があります。
 
年金生活で生活が苦しいときは、総合支援資金の貸し付けを受けられないか相談するとよいでしょう。総合支援資金の貸し付け条件は以下の通りです。
 

・市町村民税非課税相当の低所得者で収入の減少などにより生活に困窮している
・公的な書類などで本人確認が可能である
・現在住居を持っているか、住居の確保が確実に見込まれる
・法に基づいた支援とともに、関係機関からの継続的な支援に対して同意している
・貸し付けや支援により自立した生活が可能になり、お金の返還が見込める
・ほかの公的給付金や公的な貸し付けを利用できず、生活費をまかなえていない

 
貸付制度はほかの公的給付金制度を利用していないことが条件のひとつです。まずは老齢年金生活者支援給付金制度を利用できないか確認してから、貸付制度の利用を検討しましょう。
 

生活が苦しいときは年金生活者向けの給付金制度を利用できないか確認する

高齢者で一人暮らしをしている方は多くいます。さらに、所得が年金のみという方も高齢者世帯の4割以上いることから、年金に生活費を頼っている方は少なくないといえるでしょう。
 
もし親が経済的に困っており、子どもから支援できないときは老齢年金生活者支援給付金制度の利用をすすめましょう。要件を満たしていて所得が一定額以下であれば、給付金が支給されるため生活費の足しにできます。
 
また、給付金制度が利用できないときは生活福祉資金貸付制度の利用も検討しましょう。
 

出典

厚生労働省 2023(令和5)年 国民生活基礎調査の概況 結果の概要 I 世帯数と世帯人員の状況 2 65歳以上の者のいる世帯の状況 表2 65歳以上の者のいる世帯の世帯構造の年次推移(4ページ)、II 各種世帯の所得等の状況 4 所得の種類別の状況 表8 各種世帯の所得の種類別1世帯当たり平均所得金額、図11 公的年金・恩給を受給している高齢者世帯における公的年金・恩給の総所得に占める割合別世帯数の構成割合(11ページ)
厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について
政府広報オンライン 生活にお困りで一時的に資金が必要な方へ「生活福祉資金貸付制度」があります。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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