「早期退職制度」は利用するべき? 「定年退職」した場合と比べて、「退職金」はどれだけ減額になることが多い?
配信日: 2025.03.18

そこでこの記事では、早期退職制度の仕組みや退職金の相場、定年退職との金額差を具体的に解説します。ぜひ参考にしてください。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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早期退職制度はどのような制度か
早期退職制度とは、通常の定年よりも早い段階で退職することを促す制度のことを指すようです。主な目的は、企業が組織の再構築やコスト削減を図る際に、希望する社員を対象に柔軟な退職を提供することにあるとされています。
なお、早期退職希望者には退職金の上乗せや再就職支援が用意されていることが多いようです。早期退職を選択する側にとっては、メリットとデメリットがあります。
メリットとしては、退職後に新しいキャリアをスタートしたり、早めのセカンドライフを楽しめたりできることが考えられます。割り増し退職金が支給されることもあるため、まとまった資金を早めに手にできる点も魅力となる可能性があります。
しかし、退職後の収入が減少するリスクや、再就職が難しくなる可能性もあるため、慎重な判断が必要です。
退職金の相場はどの程度か
退職金は企業や業種、勤続年数によって大きく異なりますが、厚生労働省の「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」によると、定年退職者の退職金の平均は以下の通りです。
・大学卒:約1900万円
・高卒:約1700万円
これらは勤続年数が20年以上で、45歳以上の定年退職者を想定したものですが、勤続年数が短い場合はこれよりも大きく下回ると考えられます。また、大企業と中小企業では退職金の差が顕著です。
大企業では満期勤務者の平均退職金が2000万円を超えることもあるようですが、中小企業では1000万円前後であることが多いようです。
定年退職した場合の退職金を100%とすると、どれくらい金額に違いが出るか
早期退職制度を利用すると、退職金の金額がどれだけ変わるのかは気になるポイントだといえるでしょう。
一部の企業では、早期退職希望者に対し、割り増し退職金を支給するケースがあるようですが、このような企業の場合、早期退職であっても勤続年数によっては定年退職時と同等、またはそれ以上の退職金が支給される可能性の両方があると考えられます。
具体的な退職金金額の想定は、以下の通りです。
・早期退職(大卒・院卒):定年退職金の約119.5%
・早期退職(高校卒):定年退職金の約144.5%
例えば、大卒で定年退職時に2000万円の退職金が支給される予定だった場合、早期退職すると退職金は2390万円程度になる計算です。
しかし、割り増し退職金がある場合でも、定年まで勤務した金額には満たない可能性もあるため、新たな職に就く必要があると考えられます。
退職後の収入に保証があるわけではないため、投資なども選択肢に加えながら収入源を確保しなくてはなりません。また、公的年金は基本的に65歳から受け取る形となるため、それまでの期間をどのように乗り切るかが重要です。
早期退職制度は長期的なライフプランを持って検討しましょう
早期退職制度は、セカンドライフを早めにスタートさせたり、新たなキャリアに挑戦できたりする一方で、退職金の減額や再就職の難しさといったリスクも伴うようです。退職金の相場や制度の詳細をしっかり理解し、自分に合った選択をすることが重要です。
特に、退職金がどの程度減額され、割り増し金がどれくらい加算されるかを把握し、資産運用や再就職を含めた長期的なライフプランを考えておきましょう。
出典
厚生労働省 令和5年就労条件総合調査 結果の概況
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー