年金だけで暮らしたいですが、想像以上に厳しいです…。老後資金はどのように準備すればよかったのでしょうか?

配信日: 2025.03.20

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年金だけで暮らしたいですが、想像以上に厳しいです…。老後資金はどのように準備すればよかったのでしょうか?
「老後の生活を年金だけで賄うことが難しい」と感じる方は少なくありません。実際、多くの人々が老後資金の不足に直面しています。では、どのようにして老後資金を準備すればよいのでしょうか。
 
本記事では、老後に必要な資金額、年金受給額とのギャップ、そして効果的な資金準備の方法について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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老後に必要な生活費と年金受給額

老後の生活費は、生活スタイルや個々の状況によって異なります。
 
生活費の一般的な指標として、総務省統計局の「家計調査」があります。「家計調査報告(家計収支編) 2024年(令和6年)平均結果の概要」による、高齢者で夫婦2人、単身者の生活費(消費支出)と収入は以下のとおりです。
 

<65歳以上の1ヶ月あたりの消費支出>

・夫婦のみの無職世帯:25万6521円
・単身無職世帯: 14万9286円

<65歳以上の1ヶ月あたりの社会保障給付額>

・夫婦のみの無職世帯:22万5182円
・単身無職世帯:12万1629円

これらの数字から、夫婦2人で毎月約3万円、単身者で約2万8000円の不足が生じる計算になります。
 
なお、(公財)生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によると、夫婦2人がゆとりある老後生活を送るためには、平均で月額約37万9000円が必要と考えられています。
 
この結果から計算すると、社会保障給付(年金)のみの収入では、月に約15万円不足ということになります。
 

老後資金の不足額を試算

上記の不足額を基に、老後資金の総額を試算してみましょう。例えば、夫婦2人が65歳から95歳までの30年間生活すると仮定すると、以下のとおりになります。
 

■夫婦2人の不足額

年間の不足額:月3万円 × 12ヶ月 = 36万円
30年間の不足額:年36万円 × 30年 = 1080万円

 

■単身者の不足額

年間の不足額:月2万8000円 × 12ヶ月 = 33万6000円
30年間の不足額:年33万6000円 × 30年 = 1008万円

 
このように、かなりの金額が不足することが分かります。ただし、これは個々の生活状況によって異なるため、生活スタイルや支出を見直すことで必要な老後資金は変動する可能性は大いにあります。
 

老後資金の準備方法

老後の生活を年金だけで賄うのは難しく、多くの人が追加の資金を準備する必要があると考えられます。老後資金の準備にはさまざまな方法があり、生活費の見直しや退職後の収入源の確保も重要なポイントです。
 
ここでは、老後資金を効果的に準備するための方法をいくつかご紹介します。
 

1. 貯蓄の積み立て

定期的な貯蓄は、老後資金準備の基本です。例えば、毎月3万円を20年間積み立てると、元本だけで720万円となります。これに利息が加われば、さらに増加します。ただし、現在の低金利状況では、銀行預金の利息による増加はほぼ期待できないため、他の方法と併用することをおすすめします。
 

2. 資産運用の活用

預貯金だけでなく、投資信託や株式投資などの資産運用を活用することで、資産を効率的に増やすことが可能です。例えば、月3万円を年利3%で20年間運用すると、約985万円に達します(税引き前)。 ただし、投資にはリスクが伴うため、自身のリスク許容度を考慮し、分散投資を心掛けることが重要です。
 

3. 個人年金保険の利用

個人年金保険は、老後の生活資金を計画的に準備する手段として有効です。保険料を積み立てることで、将来的に年金形式で受け取ることができ、税制上の優遇措置も受けられる場合があります。 ただし、途中解約時の返戻金が少ない場合やインフレに弱いというデメリットもあるため、長期的な視点で加入することが望ましいです。
 

4. iDeCoやNISAの活用

個人型確定拠出年金(iDeCo)や少額投資非課税制度(NISA)は、税制優遇を受けながら資産運用ができる制度です。iDeCoは掛金が全額所得控除の対象となり、運用益も非課税ですが原則60歳まで引き出しができません。
 
一方、NISAは運用益が非課税となり資金の流動性も高いため、中期的な資産形成にも適しています。それぞれの特徴を理解し、自分に合った方法を選ぶことが重要です。
 

5. 支出の見直し

老後の生活費を抑えるために、現役時代から支出の見直しを行うことも重要です。保険料や通信費などの固定費を削減することで、将来的な負担を軽減できます。また、大きな支出として予想される退職後の住居費や医療費・介護費などは、早めに対策を講じることで安心感が高まります。
 

6. 退職後の収入源を確保する

老後資金を補うためには、年金以外の収入源を持つことも重要です。例えば、パート・アルバイト、不動産収入、副業・在宅ワークなどといった方法があります。これらの収入源を確保することで、年金に頼りすぎることなく、余裕のある生活を送ることが可能になります。
 

早めに老後資金の準備をして老後の安心につなげよう

年金だけで老後を過ごすことは、多くの人にとって厳しい現実でしょう。しかし、老後資金は計画的に準備をして確保することで、ある程度ゆとりのある生活を送ることは可能となります。
 
大切なのは、「老後はまだ先の話」と考えずに、できるだけ早く準備を始めることです。少しずつでも貯蓄や資産形成に取り組み、将来の安心した生活につなげていきましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告(家計収支編) 2024年(令和6年)平均結果の概要
公益財団法人 生命保険文化センター リスクに備えるための生活設計
国民年金基金連合会 iDeCo公式サイト iDeCoってなに?
金融庁 NISA特設ウェブサイト NISAを知る
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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