10年勤めた会社を辞めて転職したい! 「自己都合」で辞めると退職金はどうなる?

配信日: 2025.04.17 更新日: 2025.10.21
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10年勤めた会社を辞めて転職したい! 「自己都合」で辞めると退職金はどうなる?
退職には「会社都合」と「自己都合」があります。「自己都合」で退職した場合、退職金はどのような扱いになるのでしょうか。
柴沼直美

CFP(R)認定者

大学を卒業後、保険営業に従事したのち渡米。MBAを修得後、外資系金融機関にて企業分析・運用に従事。出産・介護を機に現職。3人の子育てから教育費の捻出・方法・留学まで助言経験豊富。老後問題では、成年後見人・介護施設選び・相続発生時の手続きについてもアドバイス経験多数。現在は、FP業務と教育機関での講師業を行う。2017年6月より2018年5月まで日本FP協会広報スタッフ
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退職と退職金

まず、退職金について確認しましょう。
 
退職金とは、「会社を退職する際に支給される一時金」のことで、「法律で義務づけられているわけではありません」が、多くの企業が導入している制度です。したがって、支給額や条件は、企業の支給額や条件は企業の就業規則や退職金規定によって規定されています。
 
そして、退職にはリストラや業績悪化による「会社都合退職」と従業員個人の判断による「自己都合退職」にわかれます。
 

会社都合と自己都合の違い

改めて、会社都合と自己都合それぞれについて確認します。
 
会社都合退職(リストラ・事業縮小など)は、会社が従業員を解雇する退職です。従業員本人の意思とは無関係なので、退職金は高めに設定されるケースが多く、失業保険(雇用保険)の給付がすぐに開始されます。失業給付の支給期間も長めに設定されています。
 
これに対して、自己都合退職(転職・家庭の事情など)は、従業員の意思で自ら退職することなので、退職金は会社都合より少なくなるケースがよく見られます。さらに、基本手当の給付開始まで約2ヶ月間の給付制限期間があります。
 

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退職金の計算方法の例

退職金の金額はどのように決定されるのか、計算の一般的な基準を確認します。退職金の計算には、一般的に「勤続年数」「最終月額賃金」「退職理由(会社都合か自己都合か)」が用いられます。
 
10年勤務した場合の具体例でみてみましょう。

会社都合退職の場合(最終月給 × 勤続年数 × 退職金率)
最終月給 30万円 × 10年 × 1.2(会社都合の退職金率)= 420万円

自己都合退職の場合(最終月給 × 勤続年数 × 退職金率)
最終月給 30万円 × 10年 × 0.8(自己都合の退職金率)= 240万円

退職金の違いの重要性

退職金の違いを含め、退職のタイミングや転職について確認することは重要です。整理しておきましょう。
 
まず、資金面での違いです。 転職を考えるにあたって、自己都合で辞めることで退職金が減る可能性を考慮する必要があります。さらに基本手当の受給タイミングも考慮する必要があります。自己都合退職の場合は給付までに時間がかかるため、生活費の準備が必要であること、貯蓄や投資で補えるか確認する必要があります。
 

退職金を活用する方法

退職の種類によって、退職金の支給額や失業保険の開始時期が異なります。転職活動の準備をすすめつつ、退職にあたって以下の点を意識しましょう。

(1) 退職前に勤務している退職金規定を必ずチェックしましょう。
(2) 最適な退職タイミングを選びます。 例えば、ボーナス支給日や昇給時期と合わせると有利な場合があります。
(3) 退職金制度の種類を把握しておきましょう。 どのような形態の退職金制度を採用しているのか、それぞれによって手続きや支給方法などが変わります。

 

1. 退職一時金制度

退職時に一括で支給される退職金。企業が独自に運用し、支給額は就業規則に基づく
 

2. 企業年金制度

退職後に年金として受け取る形式(確定給付企業年金・確定拠出年金など)
 

3. 中小企業退職金共済(中退共)

中小企業向けの退職金積立制度で、事業主が毎月掛金を拠出
 

4. 確定拠出年金(DC)

企業型DCや個人型(iDeCo)があり、従業員が運用を行う
 

5. 確定給付企業年金(DB)

企業が責任を持って運用し、退職後に確定した給付額を受け取る制度
 

6. 厚生年金基金

企業が独自に年金制度を設け、国の厚生年金に上乗せする形で支給
 

7. 特別退職金

早期退職や会社都合退職の際に、通常の退職金に加えて支給される特別な退職金
 
会社を辞める前に、退職金の条件をしっかり確認し、長期的な資産形成を考えることが重要です。
 

出典

厚生労働省 退職給付(一時金・年金)の支給実態
 
執筆者:柴沼直美
CFP(R)認定者

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