今年定年を迎える60代男です。老後は赤字にならずに「年金だけ」で暮らしていけますか?

配信日: 2025.05.07 更新日: 2025.10.21
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今年定年を迎える60代男です。老後は赤字にならずに「年金だけ」で暮らしていけますか?
定年を迎える60代の方にとって、老後の生活設計は大きな課題です。将来への不安から、「年金だけで生活できるだろうか」「貯金を取り崩す必要はあるのか」と悩む方も多いのではないでしょうか。この記事では、そんな疑問に答えていきます。
柘植輝

行政書士
 
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2級ファイナンシャルプランナー
大学在学中から行政書士、2級FP技能士、宅建士の資格を活かして活動を始める。
現在では行政書士・ファイナンシャルプランナーとして活躍する傍ら、フリーライターとして精力的に活動中。広範な知識をもとに市民法務から企業法務まで幅広く手掛ける。

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年金だけで生活するリスク

早速ですが、まずは「このまま老後は年金だけで暮らしていけるか?」という点について回答を示します。
 
答えとしては、「不可能ではないが、簡単ではない上にリスクは捨てきれない」となります。
 
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要」によれば、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、年金含め1ヶ月に24万円ほどの実収入があっても、家計収支は約3万8000円の赤字となっています。
 
65歳以上の単身無職世帯においては、ひと月13万円ほどの実収入に対し、約3万円の赤字が生じています。
 
ここから、年金だけで生活していくことは不可能とまではいえないものの、資産の切り崩しを伴う可能性が高いことが分かります。
 
加えて、老後は加齢からくるけがや病気などにより、医療費や介護費用がかさむ可能性もあります。健康保険や介護保険を利用しても、場合によっては高額な医療費や施設費用がかかることもあり、年金だけでは賄えないケースも想定されます。
 
さらには、物価の上昇という大きなリスクも孕んでいます。年金額は物価スライド制によって調整されていくものの、実際の生活コストの上昇に追いつかない場合があります。その結果、年金だけでは生活できなくなる恐れがあります。
 

老後の収入を補うには

年金だけで生活することにはリスクがあると分かった以上、何かしらの方法で収入を得ることを検討しましょう。主な方法は2つあります。
 
1つは、働いて給与を得る方法です。高齢者向けの求人であれば、無理なく安定して収入を得られる可能性が高いでしょう。
 
もう1つの方法としては、資産運用を行い運用益を支出に充てることや、貯金のうちまだ使わない部分を運用して資産を増やしながら取り崩すという方法です。ただ、こちらの方法は運用成績次第で資産が目減りすることもあり得るため、リスクが高くなります。
 
どちらの方法をとるかは、自分のリスク許容度やライフプランを踏まえて検討しましょう。また、両方を併用する方法も現実的です。
 

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十分に無理のない計画を立てること

忘れてはならないのが、収入と支出のバランスをとることです。
 
固定費、例えば光熱費や通信費、保険料を見直し、無駄を削っていきます。その上で、それまで貯めてきた老後資金と年金をどのように使うか、具体的な計画を立てていきましょう。
 
具体的には、「何歳まで毎月何万円取り崩していくか」というように、使う金額を毎月分決めていきます。併せて、「途中で資産が何円を切ったら働く」といったことも決めておくと、資産が尽きて生活が立ち行かなくなる前に生活を再建することができます。
 

まとめ

定年後に年金だけで生活することは、不可能ではないものの、医療費や物価の上昇、生活費の不足などといったリスクを伴います。しかし、働き続ける選択や資産運用、固定費の見直しなどを組み合わせることで、安定した老後生活を送ることが可能になるでしょう。
 
まずは現在の収入と支出をしっかり把握し、現実的な生活設計を立てることが大切です。必要に応じて専門家のアドバイスを受けることで、無理のない計画を作ることができます。定年後も充実した日々を過ごすために、今できる一歩を踏み出してみましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2023年(令和5年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)及び65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支 -2023年-(19ページ)
 
執筆者:柘植輝
行政書士

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