高齢の両親は「月15万円」で生活しているそうです。かなり心配なのですが「仕送り」したほうがよいでしょうか?

配信日: 2025.05.10 更新日: 2025.10.21
この記事は約 3 分で読めます。
高齢の両親は「月15万円」で生活しているそうです。かなり心配なのですが「仕送り」したほうがよいでしょうか?
いくら自分の家族であっても、一度家を離れてしまったあとに両親が毎月のやりくりをどうしているか聞くのはなんだかはばかられ、実際の経済の状況がどうなっているのか把握していない人も多いのではないでしょうか。
 
一方で、今回の事例のように、「月15万円」で生活していると聞き、なかなか大変そうにやりくりしていることを知った場合、親に仕送りをしたほうがよいのでしょうか。
 
本記事では、高齢者世帯の支出の平均や仕送りするとしたらいくらくらいなのか、という疑問について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

ファイナンシャルプランナー

FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。

編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。

FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。

このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。

私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。

【PR】株式会社アートネイチャー

おすすめポイント

・自毛になじむ自然な仕上がり
・気になる部分だけのピンポイント対応OK
初めてでも安心のカウンセリング体制

夫婦高齢者無職世帯の平均的な「消費支出」は「月25万6521円」

総務省統計局が発表している「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、2024年における「65歳以上の夫婦のみの無職世帯」の消費支出の平均月額は「25万6521円」でした。
 
このうち、もっとも多くの割合を占める支出の内訳は30%弱の食費で、次いで交際費を含むその他の消費支出、交通・通信費、教養娯楽費、水道光熱費と続きました。
 
一方で、社会保障給付などの実収入から税金などの非消費支出を差し引いた可処分所得の平均月額は22万2462円となっており、前述の消費支出から毎月3万4000円以上が不足しているという計算になってしまいます。
 
今回の事例を振り返ると、夫婦2人で月15万円の収入の場合、総務省統計局のデータが算出した平均的な消費支出の金額より10万円程度も下回る計算になってしまいます。そのため、かなり切り詰めて生活していることがうかがえるかもしれません。
 

親に仕送りしている世帯は全体のわずか「1.9%程度」

では、実際に親に仕送りをしている人の割合はどのくらいなのでしょうか。厚生労働省が実施している「令和4年国民生活基礎調査」を参照したところ、「親への仕送りのみの世帯」は全体のわずか1.9%程度という結果になっていました。
 
世代別では、50~59歳の世代がもっとも割合は多かったものの、それでも仕送りをしている世帯は約3.4%といずれも少数といえるでしょう。
 

【PR】株式会社アートネイチャー

おすすめポイント

・自毛になじむ自然な仕上がり
・気になる部分だけのピンポイント対応OK
初めてでも安心のカウンセリング体制

親への仕送り額は1世帯あたり「平均5万6000円」

次に、具体的な仕送りの金額について見てみましょう。引き続き厚生労働省の「令和4年国民生活基礎調査」を確認すると、親への仕送りのみの世帯における1世帯あたりの平均仕送り額は「5万6000円」で、金額別では「2~4万円未満」が約29.9%ともっとも多い結果になっています。
 
なかには「10万円以上」と回答している世帯もありますが、送る側の家計が厳しくなっては元も子もありませんから、もし仕送りを検討している場合は無理のない金額で続けることが重要です。
 
ちなみに、両親や子どもなど、家族に対する仕送りには基本的に「贈与税」などの税金はかかりません。日常生活をおくる上で必要な生活費として使用されることが目的ならば、財産の贈与とは認められないためです。
 
しかし、月に数百万円など非常に高額な仕送りをした場合や、そもそも両親が生活に不自由していない場合など、生活費以外の目的で使用される可能性がある場合は課税されるケースも考えられるでしょう。
 

まとめ

両親への仕送りをしている世帯は少ないのが現状ですが、「人生100年時代」などといわれ老後の生活が長くなりつつある現代では、お金のやりくりに苦心しているケースも考えられるかもしれません。今回の事例においては仕送りを検討してもよいかもしれませんが、毎月仕送りをする場合は無理のない金額に抑えて計画を立てるとよいでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 <参考4> 65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯) 図1 65歳以上の夫婦のみの無職世帯(夫婦高齢者無職世帯)の家計収支 -2024年-(18ページ)
e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 国民生活基礎調査/令和4年国民生活基礎調査/世帯 表番号56 世帯数,仕送りの有-仕送り先-無・世帯主の年齢(10歳階級)別
e-Stat政府統計の総合窓口 厚生労働省 国民生活基礎調査/令和4年国民生活基礎調査/世帯 表番号57 仕送りをしている世帯数-1世帯当たり平均仕送り額,仕送り額階級・仕送り先別
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

  • line
  • hatebu
【PR】 SP_LAND_02
FF_お金にまつわる悩み・疑問