「年金暮らし」の親との「同居」。「生活費」はもらうべき?
そこで今回は、年金暮らしの親との同居で生活費をもらうべきかを検証します。これから同居を検討している方はぜひ参考にしてください。
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平均的な年金暮らしの世代の経済状況は?
総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯と、65歳以上の単身無職世帯のひと月における可処分所得と消費支出は次の通りです。
表1
| 65歳以上の夫婦のみの無職世帯 | 65歳以上の単身無職世帯 | |
|---|---|---|
| 可処分所得 | 22万2462円 | 12万1469円 |
| 消費支出 | 25万6521円 | 14万9286円 |
| ひと月における不足金額 | 3万4059円 | 2万7817円 |
※総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」を基に筆者作成
どちらの世帯においても、ひと月における消費支出が可処分所得を上回っており、赤字になっている傾向があることが分かります。ただし、老後の経済状況は退職金や保有資産の状況により大きく異なるため、ひと月における不足額は目安として参考にしてください。
年金暮らしの親との同居で生活費をもらうべきか?
年金生活の親と同居する場合に、生活費をもらうかどうかは個々の状況により異なると考えられます。前述したように、年金生活の親世帯では毎月の支出が収入を上回り、赤字になる可能性があることが分かりました。ただし、これはあくまで平均であるため退職金や金融資産の保有状況などにより個々の状況により大きく異なります。
また、2023年の家計調査によると、2人世帯におけるひと月の消費支出は26万4238円、3人世帯では31万2567円、4人世帯では32万3324円です。世帯員が1人増えると単純に1ヶ月で約4万8329円、2人増えると約5万9086円支出が増えるようです。
そのため、年金生活の親との同居で生活費をもらう場合、支出が増える目安として5万円~6万円程度を参考にしてもよいかもしれません。夫婦2人でも経済的に余裕がある場合は、親から生活費の一部負担を受けなくても問題ないケースも考えられます。
生活費をもらうか否か、もらう場合の金額や負担割合などは、互いに負担のない金額をあらかじめ話し合って決めるとよいでしょう。
親と同居する場合の生活費はあらかじめルールを決めておこう
年金生活の親と同居する場合に生活費をもらうかどうかは、家族間でよく話し合って決めるとよいでしょう。2023年の家計調査によると、世帯員が2人から3人または4人に増えると、ひと月あたりの消費支出は約4万8329円~約5万9086円増えるようです。
一方で、65歳以上の夫婦のみの無職世帯と、65歳以上の単身無職世帯のひと月の支出は、共に収入を上回っている傾向があるようですが、老後の資産状況は個人により大きく異なります。同居する場合の生活費の負担割合や金額については、あらかじめ互いに負担のない額や割合を決めておくとよいでしょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要
e-Stat 政府統計の総合窓口 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 2023年
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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