同僚とそれぞれ「退職金2000万円」を受け取りましたが、私の方が手取りは少ないことが判明…! 同じ会社なのになぜですか?

配信日: 2025.05.18 更新日: 2025.10.21
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同僚とそれぞれ「退職金2000万円」を受け取りましたが、私の方が手取りは少ないことが判明…! 同じ会社なのになぜですか?
退職金は額面と同額を受け取れるわけではなく、所得税や住民税の課税対象です。そのため、手取りが気になる場合は税額の計算方法を知っておくといいでしょう。また、状況によっては、同じ退職金額でも手取り額に差が出る可能性があります。
 
今回は、退職金の手取り額の決まり方や、条件によって手取り額がどのくらい変わるのか、退職金の手取り額が少なく不安なときの対処法などについてご紹介します。
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退職金の手取り額の決まり方とは

退職金からは、給料と同じように所得税と住民税が引かれます。手取り額を知りたいときは、所得税と住民税を計算するといいでしょう。
 
退職金の手取り額は以下の手順で求められます。

(1)退職所得控除を求める
(2)退職金から退職所得控除を差し引く
(3)(2)×2分の1が退職所得金額
(4)退職所得金額に所得税率をかけて控除額を差し引き所得税額を求める
(5)所得税額に2.1%をかけて復興特別所得税を求める
(6)退職所得金額に住民税率をかけて住民税額を求める
(7)退職金から各所得税と住民税を差し引く

退職所得控除額は、勤続年数に応じて変動します。勤続年数が20年以下の場合は「40万円×勤続年数(最小でも80万円)」、20年超なら「800万円+70万円×(勤続年数-20年)」です。
 
また、退職所得は分離課税のため、ほかの所得とは合算せず単体で計算します。
 

勤続年数が変わると手取りはどれくらい異なる?

今回は、以下の条件で勤続年数が20年と25年のときの手取り額の差を比較しましょう。条件は以下の通りです。

●退職金額は2000万円
●千代田区在住
●退職金は一括受取
●退職所得控除のみを適用

なお、千代田区の場合、住民税は6%の特別区民税と4%の都民税をそれぞれ100円未満切り捨て、合算して求めます。
 
勤続年数が20年のときの退職所得控除は「40万円×20年」で800万円です。そのため、「(2000万円-800万円)×2分の1」で600万円が退職所得になります。600万円のとき、所得税率は20%、控除額は42万7500円のため、所得税額は77万2500円、復興特別所得税は1万6222円です。
 
また、住民税は「600万円×6%+600万円×4%」で求められ、60万円が課されます。勤続年数20年のときの手取りは1861万1278円です。
 
一方、勤続年数が25年のときの退職所得控除は「800万円+70万円×(25年-20年)」で1150万円なので、退職所得は「(2000万円-1150万円)×2分の1」で計算した425万円です。425万円の場合、所得税率は勤続20年の場合と同じなので、所得税額は42万2500円、復興特別所得税は8872円です。
 
また、住民税も税率は同じなので42万5000円が課されます。勤続年数25年のときの手取りは1914万3628円です。
 
今回のケースでは、勤続年数が5年違うことで、手取り額に53万2350円の差があることが分かりました。
 

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退職金の手取りだけで生活が不安なときは

退職金の手取りが想定より少なく、老後の生活が不安なときはまず生活費を見直しましょう。加入している保険やサブスクリプションサービスなどを見直し、不要なものは解約するだけでも節約になります。また、支出の多い項目をチェックすることも大切です。
 
医療費がかさむ場合は、高額療養費制度などの制度を活用する方法もあります。また、適度な運動と健康を意識した食事で、できるだけ健康でいられるようにすると、医療費をおさえられるでしょう。
 

同じ会社でも勤続年数が異なると手取りも変わる可能性がある

退職金の手取り額は、退職所得控除を差し引いたあと、所得税と住民税を計算すると分かります。退職所得控除は勤続年数に応じて金額が変わるため、同じ会社で同じ役職でも、勤続年数が少なければ手取り額も少なくなります。
 
もし、退職金が少なく生活に不安を覚えるなら、生活費を見直すことで支出をおさえられないか確認するといいでしょう。
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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