来年定年を迎えます。「再雇用」でも給与は今よりかなり減ると聞いたので、「再就職」をするべきか悩んでいます。他の人はどうしているのでしょうか?

配信日: 2025.05.25 更新日: 2025.10.21
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来年定年を迎えます。「再雇用」でも給与は今よりかなり減ると聞いたので、「再就職」をするべきか悩んでいます。他の人はどうしているのでしょうか?
定年後は、同じ会社に残る「再雇用」か、新たな環境でチャレンジする「再就職」か、実際にはどちらの道が多く選ばれているのでしょうか。
 
本記事では、給与の違いなど、「再就職」と「再雇用」の実態を比較しながら解説します。
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再就職・再雇用とは?

定年後の働き方として主に挙げられるのが「再雇用」と「再就職」です。
 
「再雇用」とは、定年を迎えた従業員が元の会社と再び雇用契約を結び、引き続き働くことを指します。多くの場合、役職や業務内容、給与水準が定年前とは異なります。
 
一方で「再就職」は、定年退職後に、元の会社とは別の企業や団体に新たに雇用される働き方です。これまでの経験やスキルを生かし、新たなキャリアを築く機会となるため、近年注目されている選択肢の一つです。
 

再就職と再雇用、どちらの方が給与は高い?

株式会社リクルートのジョブズリサーチセンターによる「シニア層の就業実態・意識調査2023」を基に、定年後の就業で継続雇用または再就職した人の個人年収の割合を表1でまとめました。
 
表1

年収区分 継続雇用 再就職
100万~200万円未満 8.0% 15.9%
200万~300万円未満 18.1% 19.9%
300万~400万円未満 15.5% 16.6%
400万~500万円未満 13.2% 10.3%
500万~600万円未満 8.4% 4.7%

出典:株式会社リクルート「シニア層の就業実態・意識調査2023」より筆者作成
 
このことから、継続雇用(再雇用)されている人の方が、年収は高い傾向にあることが分かりました。
 
同様に継続雇用者向けの給与変化に対する質問では、「50~75%未満」の減少が43.3%と最も高く、「100%以上」と回答した人は14.1%にとどまりました。およそ8割以上の人で給与が減少しているため、再雇用後の役職や責任範囲の変更、労働時間短縮などが影響していることが分かります。
 
一方、厚生労働省「令和2年転職者実態調査の概況」によると、再就職で転職した人の賃金が「増加した」と回答した人の割合は、60~64歳で14.6%、65歳以上で18.7%なので大きな差は見られません。
 
ちなみに「減少した」と回答した人は60~64歳で61.2%、65歳以上で69.0%、「変わらない」と回答した人は60~64歳で24.0%、65歳以上で12.3%でした。
 
大企業で働いていた人が経験やスキルを生かして中小企業へ再転職した場合、給与がアップすることもあるようです。つまり、給与水準を維持したいのであれば、自分のキャリアを生かした再就職先を適切に選ぶことが重要です。
 

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再就職と再雇用ではどちらの方が選ばれている?

定年後は、子育てが一段落して収入へのこだわりが薄れるため、心機一転、本当にやりたかった仕事を選ぶ方もいます。
 
その一方で、環境を変えずに経験やスキルを生かせる同じ職場で働き続けたいと考える方もいるなど、働く理由はさまざまです。
 
株式会社リクルートの同調査によると、定年後に就業した1732人のうち、「再就職」を選んだ人の割合は996人(約57.5%)「継続雇用(再雇用)」を選んだ人の割合は736人(約42.5%)でした。
 
また、再雇用者の雇用形態を見ると、「正社員・正職員」の割合が47.8%、「契約社員・準社員」が28.5%です。一方で再就職者の場合は、「アルバイト・パート」が44.0%と最も多くを占めていました。
 
定年後のシニア世代にとって、身体能力への配慮は重要な要素です。必要な生活費を無理なく稼げるように調整しながら働いている方が多いようです。
 

再就職するときの注意点

離職してから就職するまでの期間を比較した調査では、65歳以上の19.8%が「10ヶ月以上」と回答しています。求人数が限られているため競争率が高く、希望するスキルや条件、勤務地に合致する求人を見つけるのが難しいのが現状です。
 
そのため、生活費を稼ぐことを優先するのか、仕事の満足感を重視するのかなど、再就職の目的や優先順位を明確にしておきましょう。あわせて、自身のスキルを整理して効果的な自己PRを用意しておくことをおすすめします。
 

自分にとって最適な道を選択しよう

「再雇用」は、慣れた環境で比較的スムーズに働き続けられるメリットがある一方で、給与が大幅に減少する可能性があります。「再就職」は、新たなキャリアに挑戦できる魅力があるものの、新しい環境への適応や仕事探しに時間がかかる可能性があります。
 
どちらの道を選ぶかは、経済状況や仕事への充実感など、さまざまな要素を考慮した判断が必要です。それぞれのメリットとデメリットをしっかりと理解し、自身にとって最適な選択をしてください。
 

出典

株式会社リクルート ジョブズリサーチセンター【基本報告書】シニア層の就業実態・意識調査2023-個人編 60~74歳-
厚生労働省 令和2年転職者実態調査の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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