独り身の老後にはどれだけの「貯蓄」が必要? 65歳以降の「生活費」と定年前にできる対策とは?

配信日: 2025.05.27 更新日: 2025.10.21
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独り身の老後にはどれだけの「貯蓄」が必要? 65歳以降の「生活費」と定年前にできる対策とは?
定年後の単身者には、どれくらいの生活費と収入が必要なのでしょうか? 老後のお金の不安をなくすためには、平均的な収支のデータを知り、老後の生活をシミュレーションしておくことが大切です。
 
この記事では、定年後、独り身生活に必要な生活費と収入の目安について紹介します。
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定年後の1ヶ月の平均消費支出

表1は、総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編) 2023年(令和5年)平均結果の概要」による、65歳以上の単身無職世帯の1ヶ月の平均消費支出です。
 
表1

食費 4万103円 27.6%
その他の消費支出
(諸雑費・交際費・仕送り金)
3万821円 21.2%
教育・娯楽費 1万5277円 10.5%
交通・通信費 1万5086円 10.4%
光熱・水道費 1万4436円 9.9%
住居費 1万2564円 8.6%
保健・医療 7981円 5.5%
家具・家事用品 5923円 4.1%
被服及び履物 3241円 2.2%

出典:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編) 2023年(令和5年)平均結果の概要」を基に筆者作成
 
消費支出における月の平均額は、14万5430円でした。消費支出の費用を種目別に見ると、「食料」が最も多く4万103円、次いで「その他の消費支出(諸雑費・交際費・仕送り金)」で3万821円、続いて「教育・娯楽費」が1万5277円、「交通・通信」が1万5086円となっています。
 
さらに、直接税(所得税・住民税・相続税など)と社会保険料として「1万2243円」の支出が発生します。
 

定年後の収入

ここでは、1ヶ月の消費支出に対して、単身無職世帯の平均収入がどれくらいあるのか見ていきましょう。
 
総務省統計局の同資料によると、65歳以上の単身無職世帯の平均収入は、実収入「12万6905円」で、可処分所得は、「11万4663円」でした。
 
実収入「12万6905円」の内訳は、以下の項目です。

・事業・内職収入:973円
 
・他の経常収入:12万1095円
 
・社会保障給付:11万8230円
 
・仕送り金:838円

可処分所得とは、実収入から税金や社会保険料などを差し引いた金額で、実際に生活費として使えるお金のことです。65歳以上の単身無職世帯の1ヶ月の収支を見ると、可処分所得の「11万4663円」に対して、平均消費支出が「14万5430円」なので、毎月の生活費が「3万767円」足りていないことになります。
 

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定年後に必要な貯蓄

65歳以上の単身無職世帯の1ヶ月の平均消費支出「14万5430円」を基準に、老後期間を35年(65~100歳)と仮定して単純に計算した場合、年間では「174万5160円」、35年では「6108万600円」の貯蓄が必要です。
 
ただしこの金額には、年金収入や老後の介護や医療費の支出、今後の物価変動の影響などは含まれていません。老後期間を踏まえ、個人の生活水準やライフスタイルに合わせたシミュレーションが必要です。
 
老後に貯蓄が底をついて破産してしまう世帯もいるため、老後破産の対処法についても把握しておいたほうがいいでしょう。
 

老後破産の対処法

老後破産になる主な原因は、以下のケースが挙げられます。

・住宅ローンの返済が残っている
 
・生活水準の見直しができていない
 
・子どもの教育費の負担が大きい
 
・高額な出費が発生する
 
・医療費・介護費の負担が増える
 
・資産運用がうまくいかない

まず、老後破産の対処法として手を付けるべきなのは家計の見直しです。節約できるところを見つけて改善し、老後の資金であることを意識した貯蓄をすることが大切です。また、定年後も働いたり、医療費や介護費の負担を軽減したりするためにも、健康的なライフスタイルを心がけてください。
 
定年後も健康で働くことができれば、年金の受給開始年齢を65歳より遅らせる「繰下げ受給」にすることで、年金の総受給額を増やすことができます。いずれにせよ、老後破産を回避するためには、問題を先延ばしにせずに早めに対策を考える必要があるでしょう。
 

老後のお金は計画的に準備しよう

老後の生活費をシミュレーションするために、65歳以上の単身無職世帯の1ヶ月の平均消費支出「14万5430円」を基準にすると、100歳までに6000万円以上が必要であることが分かりました。
 
定年前からできる対策としては、家計を見直して長い老後生活に備えた貯蓄をすること、定年後も働けるように健康的な生活を意識することです。具体的な貯蓄額については、個人のライフスタイルに合わせて検討しましょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2023年(令和5年)平均結果の概要(19ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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