現在30歳、50歳までにアパートを購入して、老後は「家賃収入」で生活したいです。毎年どのくらい貯金すればいいでしょうか?
ただし、不動産購入にはまとまった資金が必要です。本記事では、50歳までにアパートを購入するために、毎年どれくらい貯金をすればよいのか、具体的な目安と考え方を解説します。
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アパート購入で家賃収入を得るには、いくら必要?
まずは、アパート購入にどれだけの資金が必要かを知っておくことが大切です。
アパートの価格は地域や規模によって大きく異なりますが、国土交通省「土地総合情報システム」のデータをもとに筆者にて集計したところ、2024年第4四半期の中古マンション等の全国平均取引価格は約3160万円です。アパート一棟であればもっと価格は上がります。
ほかにも初期費用として、登記・仲介・税金などの諸費用が物件価格の7~10%、修繕・リフォーム費用や予備費として数十万~数百万円が必要とされています。仮に、3000万円の中古アパートを目指す場合、トータルの必要資金は約3300万~3500万円が目安となります。
また、購入とは別にアパート経営を維持するためには、管理費や共用部の光熱費、修繕・リフォーム費用、仲介手数料、損害保険料、空室や突発的なトラブルに備える予備費なども発生します。これらの費用も事前に計画に組み込んでおくことが大切です。
50歳までに貯めるには、年間いくら必要?
現在30歳で、20年間で3500万円を貯めるとすると、年間の貯金目標は175万円です。月に換算すれば約14万6000円。生活費や他の支出もある中で、この額を毎月貯めるのは決して簡単なことではありません。
一方で、目標が明確であれば、必要な行動も見えてきます。ボーナスを活用する、無駄な出費を抑える、固定費を見直すといった工夫を重ねれば、達成可能な範囲に近づくことも可能です。
貯金だけでなく、投資やローンも視野に入れよう
「貯金だけで3500万円を用意するのは現実的ではない」と感じる方も多いと思います。そこで検討したいのが、資産運用やローンの活用です。
たとえば、金融庁の「つみたてシミュレーター」によると、年率10%の金融商品で積立投資をした場合、毎月5万円の積み立てでも20年後には約3800万円に達します(複利運用の想定)。
ただし、投資には元本割れのリスクもあるため、商品選びや分散投資などの工夫が欠かせません。安定運用を前提にする場合でも、必ず余裕資金の範囲で行いましょう。
また、物件購入時にはローンを活用する方法もあります。ローンの場合、一般的に物件価格の15~30%程度の頭金が必要です。たとえば、頭金1000万円を用意し、残りをローンで借りて、月々の返済計画を立てれば、家賃収入と組み合わせて運用も可能です。
ただし、ローンを使う際は空室リスクや修繕費などのシミュレーションも必須です。不動産は「買って終わり」ではなく、「保有・運営するもの」という意識も持ちましょう。
まとめ:長期的な視点で、着実に準備を始めよう
50歳でアパートを持ち、老後は家賃収入で生活するというのは、とても堅実で現実的な目標です。ただし、その実現には今からの計画と行動が欠かせません。
貯金を続けることはもちろん、投資やローンをどう活用するかも重要な選択肢です。最初から完璧を目指す必要はありません。まずは年間の目標金額を決め、将来の安心に向けた小さな一歩を今日から踏み出してみましょう。
出典
国土交通省 不動産情報ライブラリ
金融庁 つみたてシミュレーター
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー