50代夫婦で貯蓄「300万円」ですが、まだ教育費がかかる予定です。もし定年時に貯金「ゼロ」になった場合、”老後貧乏”は確定でしょうか…?

配信日: 2025.05.29 更新日: 2025.10.21
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50代夫婦で貯蓄「300万円」ですが、まだ教育費がかかる予定です。もし定年時に貯金「ゼロ」になった場合、”老後貧乏”は確定でしょうか…?
定年が近づいてくると、老後のお金に不安を抱えるようになる人もいるでしょう。今回の事例のように、まだ子どもの教育費がかかる予定がある場合などは、定年時に貯金がゼロになることもあるかもしれません。
 
本記事では、老後の生活に必要なお金や、年金だけで生活できるのかを確認するとともに、定年時の平均貯蓄額についてもまとめています。
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老後の生活に必要なお金はどのくらい?

総務省統計局の「2024年家計調査報告(家計収支編)」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯における1ヶ月の消費支出は25万6521円で、税金や社会保険料などの非消費支出とあわせると、月々28万6877円が必要になることが分かっています。消費支出の内訳は表1の通りです。
 
表1

項目 金額
食料 7万6352円
住居 1万6432円
光熱・水道 2万1919円
家具・家事用品 1万2265円
被服および履物 5590円
保健医療 1万8383円
交通・通信 2万7768円
教養娯楽 2万5377円
その他の消費支出 5万2433円

出典:総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要」を基に筆者作成
 
月々の出費が28万6877円ということは、65歳で定年をむかえて90歳まで生きると仮定した場合、8600万円以上の資金が必要になります。
 

定年後は年金だけで生活できる?

今回の事例では「定年時に貯金がゼロだと老後貧乏になってしまうのか?」との疑問のため、貯金がなくても老後の生活を送れるかどうかを確認してみましょう。
 
厚生労働省年金局の「厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和6年7月現在)」によると、厚生年金保険(第1号)の受給者に係る老齢年金の平均年金月額は15万1081円、国民年金の老齢年金・25年以上の受給者の平均年金月額は5万9299円となっています。
 
夫が厚生年金、妻が国民年金に加入していると仮定した場合、平均程度の年金を受給できれば、月々21万円程度になるでしょう。
 
老後の生活費が1ヶ月あたり28万円以上かかるとした場合、月々7万円ほど不足する計算です。90歳までの25年間では、2000万円以上の資金が足りなくなる可能性があります。
 
もちろん、定年後も働き続けるのであれば問題なく生活できるでしょう。しかし、高齢になると医療費や介護費など大きな出費が必要なケースもあるため、貯金ゼロでは不安を抱えた生活になると考えられます。
 

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定年時の平均貯蓄額

定年時の平均貯蓄額の目安についても確認しておきましょう。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、令和5年の2人以上世帯における60歳代の金融資産保有額の平均は2026万円、中央値は700万円です。
 
平均は極端に貯蓄額が高い世帯の影響を受けて全体的に引き上げられてしまうため、数値を小さい順から並べたときにちょうど真ん中になる中央値を参考にした方がいいでしょう。
 

定年時に「貯金ゼロ」だと老後の生活が苦しくなる可能性もある

50代で貯蓄が300万円あっても、今後まだ教育費がかかる予定がある場合、定年時には「貯金ゼロ」になっていることも考えられるでしょう。
 
夫婦2人世帯の場合、老後の生活に必要な費用の平均は月28万円以上となっています。収入が年金のみでは生活費をまかなえず「老後貧乏」とよばれる状況になってしまう可能性があります。
 
高齢になると医療費や介護費などが必要になるとも考えられるため、不足分をまかなうために定年後も働き続けることも方法の一つでしょう。
 

出典

総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要(19ページ)
総務省統計局 厚生年金保険・国民年金事業統計 2024年7月 概要 厚生年金保険・国民年金事業の概況(令和6年7月現在)(4、7ページ)
金融広報中央委員会 家計の金融行動に関する世論調査[二人以上世帯調査](令和5年)表番号4
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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