日本の男性の平均寿命は「81歳」!? 老後資金は“2000万円”と言われているけれど、「1人暮らし」でもそんなに必要? 単身世帯の生活費をもとに、収支をシミュレーション結果
本記事では、老後資金がどれくらい必要なのか解説します。3パターンに分けて計算するので、ぜひ最後までご覧ください。
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日本の男性の平均寿命は81歳
厚生労働省が公表している「令和5年簡易生命表」によると、日本の男性の平均寿命は約81歳です。平成2年の男性の平均寿命が約75歳なので、直近の30年あまりで6歳ほど寿命が延びていることが分かります。
仮に60歳で仕事を定年退職すると考えると、老後生活はおよそ21年です。
81歳まで生きるとしたら一人暮らしの老後資金はどれくらい必要?
では、60歳で仕事を引退する場合、老後の資金はどれくらい必要なのでしょうか? 総務省統計局の「家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要」を参考に見ていきましょう。
今回は、一般的な単身世帯のほかに、毎月の生活費が25万円のケースと30万円のケースも確認します。
65歳以上の単身無職世帯の生活費は約16万円
同調査によると、65歳以上の単身無職世帯の生活費は約16万円でした。一方で、年金などの実収入は約13万円です。つまり、65歳以上の無職一人暮らしの生活は平均で毎月3万円程度、年間で約36万円の赤字が発生することになります。
仮に、60歳以降この生活が続くとしたら、平均寿命の81歳まで生きると合計で「36万円×21年間=756万円」の赤字が生じます。
一時、老後2000万円問題が話題となりました。しかし、平均的な生活をする場合、一人暮らしなら半分の1000万円でも老後資金は足りる計算です。
毎月の生活費が25万円の場合
では、毎月の生活費が平均より約10万円多い25万円ならどうでしょうか? 実収入や老後生活の年数といった条件については、先ほどと同様とします。
年金などの実収入は約13万円だったので、毎月の不足分は「25万円-13万円=12万円」となり、1年間では144万円の赤字です。
そして、老後生活が60歳から81歳の21年だとすると、合計で「144万円×21年間=3024万円」の赤字となります。毎月の生活費が25万円だった場合、老後資金が2000万円あっても足りない計算となります。
そのため、老後は2000万円あれば大丈夫だと信じ込むのは、やや危険かもしれません。
毎月の生活費が30万円の場合
さらに生活費を増やして、一般的な単身世帯の約2倍の30万円の場合も確認します。こちらも実収入や老後生活の年数は同じとします。
年金などの実収入は約13万円なので、毎月の赤字は「30万円-13万円=17万円」です。1年間では、生活費が204万円足りなくなる計算です。
ここで、老後生活が60歳から81歳までの21年間だと仮定すると、合計で「204万円×21年間=4284万円」の赤字が生じます。かなり大きな金額が足りていないことが分かります。
このように、必要な老後資金はそれぞれの生活スタイルや事情によって異なるため、どれだけ用意しておけば大丈夫かと一概に言えるものではありません。自ら生活費を算出してある程度試算しておくのがおすすめです。
老後資金を用意する方法
老後資金を用意する方法は数多くありますが、まずは固定費の見直しをして支出を削減することをおすすめします。固定費は、住居費や通信費、保険料などの毎月かかる費用です。一度見直すと、その後は手間をかけることなく効果が継続するというメリットがあります。
また、老後の主な収入となる年金を増やすのも老後資金を増やすのに効果的です。例えば、付加年金を納付したり、国民年金基金に加入したりすることで、老後に受け取る年金額を増やせます。
まとめ
日本の男性の平均寿命は81歳であるため、60歳で仕事を引退すると老後生活が約20年あります。そのため、老後を豊かに過ごすためにも資金は非常に重要です。
ただし、一人暮らしの場合は老後資金が2000万円も必要ないケースも考えられます。平均的な老後生活を送るのであれば、半分の1000万円でも足りる計算です。
しかし、生活費が上がれば毎月の赤字額が大きくなり、老後資金が2000万円では足りないケースもあります。老後資金が心配な場合は、固定費を見直したり、年金を増やす方法を実践したりと、今からできる対策を実施するのも良いでしょう。
出典
厚生労働省 令和5年簡易生命表 1 主な年齢の平均余命
総務省統計局 家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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