60代の親が「終活宣言」!正直まだ早い気がするのですが、終活は「何歳で」「どんなこと」から始めるのが一般的なのでしょうか?
本記事では、そもそも終活とは何か、終活を始めた人は何歳でどんなことを行っているかを紹介します。
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そもそも「終活」とは?
「終活」という言葉は、2009年に「葬儀・墓の準備」を指す造語として、登場しました。現在では、葬儀や墓のみならず終末医療や財産整理・保険など、高齢社会のさまざまな課題に備えることを表し、意味が広義化しています。
なお、厚生労働省では、終末医療にフォーカスし「人生会議(ACP:アドバンス・ケア・プランニング)」を普及・啓発しています。人生会議とは、「もしものときのために、あなたが望む医療やケアについて、事前に考え、繰り返し話し合い、共有する取組」のことです。
厚生労働省によると、「命の危機が迫った状態では、望むケアを自分で決めたり人に伝えたりできなくなる恐れがあるため、前もって自分自身で考えるとともに周囲の人たちに共有することが重要」としています。信頼できる家族や医療チームと話し合い、希望する医療を事前に決めておくと安心かもしれません。
終活は「何歳で」「どんなこと」から始めるべき?
株式会社ハルメク「50〜79歳男女に聞いた「終活に関する意識調査2023」によると「終活」が必要だと思う割合は76.8パーセントである一方、実際に「終活」をすでに始めている割合は39.2パーセントでした。
また、同調査内の「すでにやり終えた」終活を、年代の割合とともに以下の表1で紹介します。
表1
| 項目 | 割合(全体) | 割合(50代) | 割合(60代) | 割合(70代) |
|---|---|---|---|---|
| お墓の準備 | 27.7パーセント | 3.1パーセント | 8.5パーセント | 16.1パーセント |
| 加入保険の整理・見直し | 23.9パーセント | 4.8パーセント | 7.4パーセント | 11.6パーセント |
| 家具や家の中の荷物整理・処分 | 19.5パーセント | 2.7パーセント | 6.8パーセント | 10.1パーセント |
| 金融口座・金融商品の整理 | 17.7パーセント | 2.4パーセント | 5.4パーセント | 9.9パーセント |
| 衣服やアクセサリーなど身につけるものの整理・処分 | 17.2パーセント | 1.8パーセント | 5.1パーセント | 10.3パーセント |
出典:株式会社ハルメク「50~79歳男女に聞いた「終活に関する意識調査2023」を基に筆者作成
割合が最も高かったのは、70代の「お墓の準備」でした。終活を始めたいけれど、何から始めたらよいか分からないと悩んでいる方は、お墓について検討してみてもよいかもしれません。
「生前贈与」は計画的に進めておくこと
生前贈与とは、生きている間に家族などの人に財産を贈ることを指します。存命中に財産を贈与すると、相続財産(亡くなった時の財産)が少なくなるため、相続税の軽減につながります。特に、暦年課税(基礎控除110万円まで)は、早めに開始することで減税効果を最大限に引き出すことが可能です。
また、贈与税非課税制度(結婚・子育て資金や教育資金などの贈与制度)の活用も、相続税軽減に効果的です。
まとめ
終活とは、高齢者が自分の死や老いに対して備える準備のことです。例えば、お墓の準備や家の中の荷物整理、金融口座の整理などが挙げられます。今回参照した調査によると、「70代」で「お墓の準備」から始める方が多いようです。参考にするとよいでしょう。
出典
厚生労働省 「人生会議」してみませんか
厚生労働省 あなたは、「もしものこと」を考えたことがありますか?
株式会社ハルメク 50~79歳男女に聞いた「終活に関する意識調査2023」(4ページ)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー