【悪質】高齢の母が「訪問販売」で健康食品を次々契約! 解約は「本人の意思だから」と断られ、途方に暮れています。平均契約額は“80万円”家族ができる、現実的な対応とは?
契約の解約を連絡しても「本人の意思だから」と業者に断られてしまうこともあり、家族としてはどこまで介入できるのか、悩む場面もあるでしょう。
このような高齢者の契約トラブルについては、消費者庁や国民生活センターなどが相談を受けてくれます。なお、65歳以上の消費生活相談1件あたりの平均契約購入金額は、80万円にのぼるというデータがあります。
本記事では、訪問販売で次々と契約をしている親を放置したらどうなるのか、家族ができる現実的な対応と、困ったときの相談先について解説します。
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高齢の親が次々と契約……放置するとどうなる?
高齢の親が訪問販売で商品を契約している状況を放置すると、被害がさらに拡大する可能性があります。一度でも悪質な業者と契約してしまうと、同じ業者やその関連業者から継続的に営業を受ける「次々販売」と呼ばれる被害に発展しやすくなるためです。
勧誘が繰り返される中で、必要のない商品を次々に購入してしまい、契約額が雪だるま式に膨らんでいくケースも少なくありません。
また、高齢者本人がこうした被害にあっている自覚がない場合や、自分の判断で購入した手前、家族に相談しづらくなっていることがあります。
その結果、周囲が気付いたときには、すでに深刻な状況に陥っているかもしれません。そうなる前に、早めに状況を確認し、必要な対応をとることが重要です。
家族ができる対応は?
まず、訪問販売や電話勧誘で契約した商品については、法律で定められた書面を受け取った日から8日以内であれば、理由を問わず書面やメールなどでクーリング・オフが可能です。
もし、8日を過ぎていたとしても、虚偽の説明があった場合や、通常の消費量を超える商品を購入させられた場合には、契約の取り消しが認められることもあります。
認知症などによって判断能力の低下が疑われる場合には、契約の取消しに加えて、成年後見制度や家族信託を活用し、家族が財産管理を担うことで将来の被害を防ぐことも可能です。
また、日ごろからコミュニケーションをこまめに取り、親の言動や生活の変化に気を配ることが大切です。電話を留守番設定にする、業者の訪問時には家族が同席するなど、日常的に関わりながら予防的な対策を講じることも、家族にできる重要な役割の1つです。
困ったときの相談窓口
悪質な業者との対応に困ったときは、1人で抱え込まず、早めに相談機関を頼ることが望ましいです。
「消費者ホットライン(188)」に電話をすると、最寄りの消費生活センターにつながり、専門の相談員が対応してくれます。消費生活センターでは、契約内容の確認や、解約手続きのアドバイスなど、最初の一歩のお手伝いとして、具体的な支援を受けることができます。
詐欺や脅迫の疑いがある場合は、「警察相談ダイヤル(#9110)」に相談し、警察の助言を仰ぐといいでしょう。
また、高齢者の生活全般を支える地域包括支援センターも、消費者トラブルについてほかの機関とも連携しながら対応しています。ケアマネジャーや地域の支援者を通じた相談も視野に入れ、複数の窓口を柔軟に活用することをおすすめします。
まとめ
高齢の親が訪問販売で次々に契約してしまう背景には、悪質な業者による巧妙な勧誘や、本人の判断力の低下などが関係している場合があります。被害を防ぐには、早めに状況を確認し、クーリング・オフや契約の取り消しなど法的手段を検討することが大切です。
困ったときは消費生活センターや警察に相談し、必要に応じて支援を受けましょう。放置せず、家族が適切に関わることで、被害の拡大を防ぐことができます。
出典
消費者庁 消費者事故等に関する情報の集約及び分析の取りまとめ結果等
独立行政法人 国民生活センター 特定商取引法ガイド 訪問販売 契約の申込みの撤回又は契約の解除(クーリング・オフ制度)(法第9条)
e-Gov法令検索 消費者契約法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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