75歳になった父の医療費負担は「2割」だそうです。「後期高齢者医療制度」で1割負担になると聞いていたのですが、なぜですか?

配信日: 2025.06.20 更新日: 2025.10.21
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75歳になった父の医療費負担は「2割」だそうです。「後期高齢者医療制度」で1割負担になると聞いていたのですが、なぜですか?
「後期高齢者医療制度」は、75歳以上の人が自動的に加入する公的医療保険制度です。この制度に加入すると、原則として医療費負担は1割になります。
 
しかし今回のケースのように、負担率が1割ではなく2割になってしまうこともあります。その原因は「収入」です。
 
本記事では、後期高齢者医療制度における本人負担率の仕組みについて解説します。
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後期高齢者医療制度の負担率は収入によって変わる

後期高齢者医療制度に入っているからといって、必ずしも1割負担になるわけではありません。2022年(令和4年)10月1日より制度が変わり、収入が一定以上になると2割負担になってしまうこともあります。
 
収入によって負担率が変わる仕組みは、制度改正前から存在していました。以前の制度では、「現役並みの所得がある人」は3割負担しなければなりませんでした。つまり後期高齢者医療制度に入っていながら、負担率1割の人と3割の人が存在していたわけです。
 
しかし制度改正が行われた結果、「一定以上の所得がある人」の枠が追加され、現在では「1割負担する人」「2割負担する人」「3割負担する人」の3タイプが存在します。
 

収入がいくらになると負担率が増える?

ではいくら収入があると負担率が増えてしまうのか、具体的な収入や所得の基準について見てみましょう。
 

2割負担になる人

2割負担になるのは「一定以上の所得がある」ケースです。政府広報オンラインによると、基準となる課税所得額(税金がかけられる所得金額)と収入は以下の通りです。

・課税所得額:28万円以上
 
・収入(年金収入とその他の所得金額の合計):75歳以上の人が1人のみの世帯は200万円以上、75歳以上が複数人いる世帯は合計320万円以上

この2つの基準をオーバーすると、2割負担になります。一方、課税所得額が28万円以上でも年金収入とその他の所得金額の合計が200万円未満であれば、1割負担です。
 
注意したいのは、個人の所得ないしは収入ではなく、「世帯」の収入によって決まる点です。自分自身の所得が基準に達していなくても、同世帯にいる75歳以上の人の中で基準に達する人がいれば、世帯全体が2割負担になる可能性があります。
 
今回のケースにおいては、父親の所得や収入が2割負担の基準に達している可能性が考えられます。あるいは同世帯のほかの後期高齢者が基準に達しているのかもしれません。
 

3割負担になる人

3割負担になるのは「現役並みの所得がある」ケースです。厚生労働省によれば、具体的には課税所得額が「145万円以上」ある被保険者の方が同世帯にいる場合です。収入で表すと、単身世帯で約383万円以上、2人以上世帯が約520万円以上となります。
 

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自己負担割合が決定するタイミング

自己負担の割合は、毎年8月1日に、前年1年間の収入および所得に基づいて決まります。例えば令和6年8月1日から令和7年7月31日までの自己負担割合は、令和5年中の収入・所得等で決定されます。
 
そのため、所得に変動が起きた場合、翌年以降に負担率が変わるかもしれません。あるいは同世帯で一定以上の所得がある人が亡くなった場合、その人の所得によって世帯の自己負担割合が決まっていたのであれば、やはり負担率が変動する可能性があります。
 

所得・収入によって自己負担割合は1~3割になる

後期高齢者医療制度における自己負担割合は原則1割ですが、本人や世帯の所得・収入によって負担割合は変わります。
 
前年の所得・収入を基に毎年8月1日に決定されるため、今年収入がないとしても、負担割合が2割ないしは3割になってしまうかもしれません。
 
負担割合に関するより詳しい情報について知りたい方は、自治体の保険年金課などに問い合わせるとよいでしょう。
 

出典

内閣府大臣官房政府広報室 政府広報オンライン 後期高齢者医療制度 医療費の窓口負担割合はどれくらい?
厚生労働省 医療費の一部負担(自己負担)割合について 後期高齢者の窓口負担割合及び高額療養費自己負担限度額(1ページ)
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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