母が「要介護2」になりました。介護保険を使っても“毎月の自己負担”はどれくらい必要ですか？

母が「要介護2」と診断され、介護保険を利用しても毎月どれだけの負担になるのか不安ですよね。
 
本記事では、在宅介護と施設両方のケースごとに「毎月の自己負担額」を見える化し、所得別の負担割合、補助制度の利用法、そして家計にゆとりをもたせつつ安心ケアを続けるための工夫まで、分かりやすく解説します。

要介護2で介護保険を使うと月々の自己負担は？

介護保険を利用すると、介護サービス費の自己負担割合は原則として1～3割です（所得によって異なる場合があります）。
 
要介護2の支給限度額は19万7050円です。自己負担が1割なら月1万9705円、2割なら3万9410円、3割なら5万9115円が目安となりますが、実際の自己負担はサービス利用状況や所得によって異なる場合があります。
 

在宅と施設でどれだけ変わる？ ケース別シミュレーション

 

1.在宅介護

在宅で訪問介護やデイサービスを利用する場合、1割負担で介護サービス費は月約2万円前後が目安です。これに加え、食費や光熱費、介護用品代など生活費が発生します。
 
公益財団法人生命保険文化センターによると、在宅介護の月々の費用（介護サービス費＋生活費等）は平均5.3万円ですが、一般的には月5～8万円程度が自己負担の目安となることが多いです。
 

2.施設利用（特別養護老人ホーム等）

施設に入ると、介護サービス費（1割負担）に加えて居住費・食費・日常生活費などが必要です。
 
要介護5の例では、多床室なら合計約10万円、個室なら約14万円が一般的な目安ですが、要介護2でも同様の項目が発生します。要介護2の場合も、居住費・食費だけで月5～10万円かかる可能性があります。
 

所得によって変わる負担割合と軽減制度の活用法

合計所得が低い場合、介護保険の自己負担割合は1割になります。単身世帯の場合、合計所得が年280万円以上340万円未満なら2割、340万円以上なら3割負担となります。
 
「高額介護サービス費」制度では、自己負担が高額になった場合、所得区分ごとの月ごとの上限額を超えた分が自治体から払い戻されます。上限額は世帯の所得区分により1.5万円～14万円程度です。
 
申請手続きを行うと、介護サービス利用から3ヶ月後に申請書が届き、申請後に2ヶ月程度で払い戻されることが一般的です。ただし、自治体によって手続きや払い戻し時期が異なる場合があります。
 

負担を抑え、安心ケアを続けるコツ

要介護2で介護保険を使えば、介護サービス費（支給限度額内）の自己負担は約2～6万円が目安です。（在宅／施設の介護サービス費のみの場合。施設利用時は居住費や食費などが別途必要です）。
 
所得次第では1～3割負担。特に2～3割負担となるケースは高所得世帯が該当します。高額になった場合は、高額介護サービス費制度を活用し払い戻しを受けられます。ケアプランの見直し、余計なサービス削減、自治体補助の活用、申請の漏れ回避などが鍵です。
 
まずはケアマネージャーと「月いくらなら無理なく支払えるか」を話したうえで、家計に合ったプランを立てましょう。自治体窓口で制度を確認し、申請を忘れないように注意することが大切です。安心できる介護体制を整える第一歩は、負担を見える化し、制度をフル活用することです。
 

出典

公益財団法人生命保険文化センター　リスクに備えるための生活設計
 
執筆者：FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー