60代になってから通院費や子への出費などで「月10万円」は追加の支出があります。60代の月の支出は平均いくらですか?
特に子どもの結婚式や出産祝いなどのイベントが重なると、ご祝儀や贈り物の費用がかさみ、生活費以外の出費が月10万円を超えることもあるかもしれません。
本記事では、政府の統計データを参照しながら、60代の平均的な消費支出について詳しく解説します。
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60代の平均消費支出
総務省統計局「厚生労働省 家計調査/家計収支編二人以上の世帯詳細結果表」の2024年調査データによると、60代の2人以上の世帯における平均消費支出は表1の通りです。
表1
| 消費支出(月あたり) | 60~64歳 | 65~69歳 | |
|---|---|---|---|
| 生活費 | 食料 | 8万5832円 | 8万8062円 |
| 住居 | 1万6491円 | 2万1284円 | |
| 光熱・水道 | 2万4230円 | 2万4444円 | |
| 家具・家事用品 | 1万3885円 | 1万3821円 | |
| 被服及び履物 | 9343円 | 9002円 | |
| 保健医療 | 1万5856円 | 1万8087円 | |
| 交通・通信 | 5万462円 | 4万5594円 | |
| 小計(生活費) | 21万6099円 | 22万294円 | |
| その他の消費支出 | 教育費 | 6132円 | 1438円 |
| 教養娯楽費 | 2万9038円 | 3万268円 | |
| 交際費 | 2万419円 | 2万1719円 | |
| 仕送り金 | 6575円 | 3151円 | |
| こづかい | 7092円 | 6554円 | |
| その他 | 2万6972円 | 2万7201円 | |
| 小計(その他の消費支出) | 9万6228円 | 9万331円 | |
| 合計(月あたりの消費支出) | 31万2330円 | 31万626円 | |
出典:総務省統計局「厚生労働省 家計調査/家計収支編二人以上の世帯詳細結果表」を基に筆者作成
衣食住と密接にかかわる費用を生活費とすると、その金額は60~64歳で21万6099円、65~69歳で22万294円です。
そして、娯楽費や交際費といったその他の消費支出を合計すると、その金額は60~64歳で9万6228円、65~69歳で9万331円と、多くの金額が費やされていることが分かります。
生活費以外の支出が月10万円という状態は、平均値と比較すると、決して多すぎるとは言えないことが分かります。
年金だけで消費支出を賄うことは難しい
一方、日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」によると、令和7年度の国民年金は一人あたり月額6万9308円、夫婦2人分の老齢基礎年金を含めた標準的な厚生年金は月額23万2784円となっています。
上記の年金平均受給額だけでは、表1の消費支出を賄えないことが分かります。
過去には「老後2000万円問題」が話題となりましたが、リタイア後も安心して暮らしていくためには資金が必要です。そのため、現役世代のうちから資産形成に取り組み、年金だけでは足りない金額を補っていくことが必要不可欠です。
また、60代以降の消費支出をおさえるために、支出項目に優先順位を付け、無理のない家計管理・節約を行うことも大切になります。
生活費以外の支出で最も大きな金額を占めている項目は、教養娯楽費です。その娯楽は本当に自分の生活を豊かにしてくれているのか、一度見直してみることもいいでしょう。
60代の生活費以外の支出は平均9~10万円
60代においては、生活に必要不可欠な支出以外にも、娯楽費や交際費、仕送りなどに平均月10万円近くの支出が発生しています。
しかし、老後の年金だけで全ての支出をカバーすることは難しく、現役時代からの貯蓄や資産運用の検討のほか、60代以降の支出金額の抑制が必要です。
子どものライフイベント関連や冠婚葬祭の支出は避けられないケースが多いため、事前の備えが重要となるでしょう。
出典
総務省統計局 厚生労働省 家計調査/家計収支編二人以上の世帯詳細結果表 表番号3-2
日本年金機構 令和7年4月分からの年金額等について
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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