60歳をすぎて月給が「7万円」減額…! 60歳以降に給料が下がると「給付金が出る」と聞いたのですが、どうすれば利用できますか?

配信日: 2025.06.30 更新日: 2025.10.21
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60歳をすぎて月給が「7万円」減額…! 60歳以降に給料が下がると「給付金が出る」と聞いたのですが、どうすれば利用できますか?
「60歳をすぎても同じ会社で働いているけど、給料が7万円減った」などと給料が急に下がり困っている人もいるでしょう。
 
雇用保険に加入しているケースでは、60歳以降の給料が60歳時点の75%より下回ると、給付金の対象となる可能性があります。
 
そこで今回は、60歳をすぎても雇用を継続している人向けの給付金について解説します。受給資格や、実際にどれくらいの給付金がもらえるのかも紹介するのでぜひ参考にしてください。
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60歳をすぎて「7万円」も給料が減るのは普通なの?

そもそも60歳をすぎると「給料が7万円減額」はよく起こることなのか、気になる人もいるでしょう。厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」を基に年代別の平均月給を図表1にまとめました。
 
図表1

年齢層 平均月給
45歳~49歳 37万2700円
50歳~54歳 38万400円
55歳~59歳 39万2000円
60歳~64歳 31万7700円
65歳~69歳 27万5500円

厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査の概況 を基に筆者作成
 
平均月給は、年を重ねるごとに増加し、50代後半が最も高く39万2000円で、40代後半から比べると2万円程度多くなっています。
 
しかし、60代に入ると大きく減少し、60代前半で31万7700円となります。50代後半と比べると8万円程度下がっています。さらに、60代後半になると50代後半よりも12万円程度低くなり、60歳をすぎた途端に月給が激減していることが分かります。
 
表題の「60歳すぎて給料が7万円減った」という状況は、十分にありえる話といえるでしょう。
 

60歳以降に給料が下るともらえる「給付金」とは

「高年齢雇用継続給付」は、60歳をすぎて給料が低下したケースでお金がもらえる制度です。60歳になった時点と比べて、一定の割合で給料が下がるケースで受給できます。条件は以下の通りです。
 

・年齢は60歳以上65歳未満
・現状、雇用保険の被保険者
・通算で5年以上雇用保険をかけている
・60歳時点の給料と比べて、給料が75%を下回っている

 
受給できる期間は、60歳の誕生日を含む月から、65歳の誕生日を含む月までです。
 
また、給料の減額理由が、本人都合のお休み、病気療養、介護などによる休暇が含まれるケースでは、「みなし賃金額」として加算されます。このケースでは、実際の給料が75%を下回っていても、受給できない可能性があります。
 
支給申請は、基本的に事業主を通じて行いますが、希望すると本人が直接手続きできます。
 
この制度は、2種類の給付金に分かれており、それぞれ計算方法が異なります。
 
「高年齢雇用継続基本給付金」は、60歳以降の月給が60歳の誕生日月と比べて75%を下回ったケースで申請できる給付金です。この制度のベースとなる制度で、60歳の誕生日を迎えた後に再雇用されたケースなどが該当します。
 
一方、「高年齢再就職給付金」は、60歳をすぎて再就職した際に月の給料が低くなった際の給付金です。再就職するケースでは、失業手当(基本手当)の基準となる給料日額を30倍した金額で判断されます。
 
再就職後の月の給料が、失業手当(30日分)と比べて75%を下回ると受給できる可能性があります。ただし、失業手当をもらえる日数が100日未満では受給できません。
 

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60歳をすぎて給料が激減すると、いくらもらえる?

原則として、60歳以降の月の給料の10%と決められており、給料の低下率によって支給金額の割合が変動します。例えば、給料の低下率が70%になると4.16%、64%以下になると上限の10%がもらえます。
 
表題の「60歳をすぎて7万円減額」のケースで、60歳になった月の給料が40万円とすると、7万円減ると月額33万円、低下率が82.5%となり給付金は受け取れません。
 
しかし、60歳時点の月の給料が25万円で、60歳を超えて7万円減額したケースでは、低下率が72%となり受給できそうです。現在、低下率が72%の場合、支給率は2.42%です。60歳以降の給料が月額18万円のケースでは、4356円の給付金を受け取れる可能性があります。
 
つまり、「60歳をすぎて◯万円減った」のように減額された金額ではなく、減る前と減った後の月給を比べて支給の可否や金額が決定します。そのため、減額したからといって必ずしも受給できるわけではありません。
 
なお、受給額は厚生労働省の「毎月勤労統計」の平均定期給与額を基に毎年基準値が改定されます。支給率や実際にもらえる金額は、申請するタイミングによって変わる可能性があるため注意しましょう。
 

60歳以降に給料が減ったら、高年齢雇用継続給付を受けられる可能性がある

60歳をすぎて、60歳の誕生日を含む月の給料の75%を下回ったら、高年齢雇用継続給付を受けられる可能性があります。申請は基本的に事業主が行うため、事業主を通じて申請しましょう。
 
ただし、表題の「7万円減額」のように減額された金額によって受給できるかが決まるわけではありません。60歳の誕生日を迎えた時点の月給がベースとなり、75%を下回らなければ受給できないため、申請する前に受給できるかを確認しましょう。
 

出典

厚生労働省 令和6年賃金構造基本統計調査の概況
厚生労働省 高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について
厚生労働省 雇用保険制度Q&A~高年齢雇用継続給付~
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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