「年金暮らし」の両親、孫へのお小遣いで「毎月2万円」の“赤字”…!ほかの人は孫にどのくらいお金をかけているのでしょうか?
本記事では、孫にかけるお金の内訳や平均金額を解説したうえで、高齢世帯が意識すべき節約ポイントを紹介します。祖父母だけでなく、子どもも一緒に話し合いながら、解決の道を探っていきましょう。
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目次
孫にかけるお金の内訳と平均金額
高齢世帯が孫にかけるお金の内訳と平均金額について、ソニー生命保険株式会社が2024年8月に実施した「シニアの生活意識調査2024」を見ていきましょう。2024年の調査によると、直近1年間における孫への出費理由の上位5つは次の通りです。
●1位:お小遣い、お年玉、お祝い金:65.6%
●2位:一緒に外食:52.9%
●3位:おもちゃ、ゲーム:38.0%
●4位:一緒に旅行、レジャー:32.2%
●5位:衣類などファッション用品:30.4%
お小遣いやお年玉、お祝い金など、現金を渡すケースが最も高い割合であることが分かります。
また、孫のために使った金額の平均は「10万4717円」であり、最も多い金額帯が「5万~10万円:27.5%」、次いで「10万~20万円:17.4%」です。
総務省が公表している2024年の「家計調査報告(家計収支編)」によると、2024年の65歳以上の夫婦のみ無職世帯の実収入は「25万2818円」、支出は「28万6877円」となっています。仮に日々の生活を節約しても、孫へのお小遣いとして数万円を渡した場合、毎月「2万円」程度の赤字が出てもおかしくはないでしょう。
「孫破産」には注意が必要
「孫破産」とは、祖父母が孫への支出を重ねた結果、老後の生活資金の底が尽きてしまう状態を指します。
孫破産に陥りやすい人の特徴として挙げられるものが、現在の収支を基にした将来設計が十分にできていないことです。年齢を重ねるにつれて医療費や介護費が増える可能性は高く、現在は年金だけで生活できていても、将来に備えて資金を確保しておかなくてはいけません。
また、子ども世代が親の経済状況を十分に把握しておらず、安易に金銭的支援を求めてくるケースにも注意が必要です。老後資金は、高齢になって働けなくなった後も自立した生活を維持するための大切な蓄えです。
「孫のために」「子どものために」と援助をすることが悪いわけではありませんが、支出にあたっては感情だけでなく、将来を見越した慎重な判断が不可欠といえるでしょう。
高齢世帯が意識すべきお金の節約ポイント
本章では、日々の生活の赤字を少しでも減らすために、高齢世帯が意識すべきお金の節約ポイントを解説します。
経済状況を「見える化」する
収支の現状を把握せずに援助を続けることは、無自覚な赤字を招きかねません。そのため、まずは家計簿やアプリを使って支出項目を洗い出し、収入とのバランスを数値で「見える化」することが大切です。
自分だけでなく、子ども世代にも経済状況を共有することで、お小遣いや支援のあり方を家族全体で再考できるでしょう。曖昧なままでは「頼られたら出すしかない」となりがちですが、可視化することで援助に線引きができ、将来に備えた判断がしやすくなります。
日々の生活費を見直す
孫や子どもへの出費だけでなく、自分たちの日々の生活費を見直すことも節約の重要なポイントとなります。例えば、食費・光熱費・通信費は老後の家計を圧迫しやすい支出であり、特に「食費」は買い物リストを作成して無駄な購入を防ぐことや、まとめ買いや冷凍保存を活用するなどの工夫が効果的です。
光熱費については、時間帯別の電気使用の工夫やLED照明への切り替え、給湯温度の見直しなどで手間なく削減が可能です。固定費の見直しは携帯電話の料金プラン変更などが検討できるでしょう。
これらの支出を定期的に点検し見直すことで、年間を通して大きな節約効果が期待できます。
孫へのお小遣いが多くて毎月「2万円」の赤字になる高齢世帯もいる! 孫破産を防ぐため節約ポイントを理解しよう
「かわいい孫のために」と生活費や老後資金を切り崩してお小遣いなどを渡し、その結果、毎月2万円の赤字となるなど、日々の生活に支障をきたしている祖父母も少なくありません。孫や子どもへの援助が悪いわけではありませんが、自分たちの将来に備えて資金を確保しておくことも大切です。
無自覚な赤字を避けるためにも、子ども世帯を含めた家族で経済状況を共有するとよいでしょう。
出典
ソニー生命保険株式会社 シニアの生活意識調査2024
総務省 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー