夫が「定年後も少し働きたい」と言いますが、体力がなくて心配です。「ハローワーク」と「シルバー人材センター」、無理なく働いて「収入を得る」なら、どちらを選ぶべきでしょうか?

配信日: 2025.07.05

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夫が「定年後も少し働きたい」と言いますが、体力がなくて心配です。「ハローワーク」と「シルバー人材センター」、無理なく働いて「収入を得る」なら、どちらを選ぶべきでしょうか?
高齢化が進むなか、定年後も働き続けたいと考えるシニア層が増えています。しかし、「現役時代と同じようには働けない」「体力的に無理なく、少しでも家計の足しにしたい」と感じながら、どこで仕事を探すべきか迷っている方も少なくないようです。
 
今回は、「ハローワーク」と「シルバー人材センター」について、収入面・体力面・働き方の違いに焦点を当てて、解説します。
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ハローワークの特徴とメリット

定年後も収入を得たい、働く時間や日数をしっかり決めたいという場合には、ハローワークの活用が有力な選択肢となるかもしれません。
 
ハローワークは厚生労働省が運営する公的な職業紹介機関で、令和7年4月現在、全国に436カ所以上設置されています。求職者は無料で利用でき、求人情報の数が多いことが大きな強みです。
 
なかでも、「シニアコーナー」や「シニア応援コーナー」など、60歳以上や65歳以上といったシニア世代に特化した相談窓口を設けているハローワークでは、年代に応じたきめ細やかな就職支援を受けることができます。
 
こうした窓口では、シニアの就職事情に詳しい担当者が相談に応じてくれる場合もあり、「短時間で働きたい」「自宅の近くで働きたい」といった希望を伝えることで、体力や健康に配慮した無理のない勤務条件の求人を紹介してもらえるでしょう。
 

シルバー人材センターの特徴とメリット

定年後は少しゆるやかに、体に無理のない範囲で働きたいという場合は、シルバー人材センターの仕組みが適しているケースもあります。
 
シルバー人材センターは、「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律」に基づき、各自治体に設置されている公益法人です。60歳以上の会員が登録し、地域の公共機関や企業、家庭などから依頼を受けた仕事を請け負う仕組みになっています。
 
仕事は「おおむね月10日以内」「おおむね週20時間未満」が原則です。「公園の清掃」「駐輪場管理」「学童の見守り」「簡単な大工仕事」など、体力的負担が少なく、地域に貢献できる仕事が中心です。
 
登録には入会説明会への参加と年会費(おおよそ1000円〜3000円程度)が必要です。収入は「配分金」として支払われ、雇用ではないため源泉徴収はされず、金額によっては自分で確定申告が必要になる場合があります。
 

ハローワークとシルバー人材センター、収入にはどれくらいの差がある?

短期間で収入を得ることを考えた場合、両者には明確な差が生まれます。ハローワークの場合は、時給で給与が支払われます。例えば、東京都の最低賃金(時給1163円)で、体力に合わせて「1日4時間・月12日(週3日)」働いた場合、
 
月収例:1163円 × 4時間 × 12日 = 5万5824円
 
となり、年金に加えて月5万5千円程度の安定した収入を見込めます。
 
一方でシルバー人材センターの場合、仕事内容や地域によって大きく異なりますが、全国平均では月8〜10日程度の就業で、月収は平均3〜5万円程度といわれています。雇用ではないため、収入の安定性よりも働きやすさを優先する方向けのようです。
 

ハローワークとシルバー人材センター、どっちに相談する?

ハローワークは求人件数が多く、就業形態や条件の幅も広いため、健康状態や希望条件に合わせて柔軟に仕事を選びたい方に向いています。専門窓口での相談や職業訓練の活用もできることから、しっかりと再就職を目指したい方には特に適しているでしょう。
 
一方で、シルバー人材センターは、体力や健康に不安がある方や、短時間・短期間の仕事を希望する方にぴったりです。地域社会とのつながりや、生きがいを感じながら働きたいと考えている方にもおすすめでしょう。
 

体力に不安があるなら「シルバー人材センター」が安心。希望に応じて「ハローワーク」との併用も

体力や希望条件に合わせて、ハローワークとシルバー人材センターのそれぞれの特徴を比較しながら活用していくことが大切です。
 
どちらにも興味がある場合は、両方に登録し、それぞれの窓口で相談しながら、紹介される仕事内容や条件を見て、最終的に無理のない働き方を見つけていきましょう。ご自身やご家族に合った働き方が見つかれば、定年後の生活にも安心感や充実感が生まれるでしょう。
 

出典

厚生労働省 職業安定局 公共職業安定所(ハローワーク)の主な取組と実績(令和7年4月)
東京都シルバー人材センター連合
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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