65歳から夫婦2人で「年金18万円」で暮らせる？ 定年後の一般的な生活費はどれくらい？
この記事では、65歳以上の夫婦のみの世帯における「食費」「交通費」「通信費」など、主な生活費の支出内訳と、日々の暮らしに取り入れやすい節約方法を紹介していきます。
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65歳以上夫婦の生活費はどれくらいかかるのか
総務省統計局の「家計調査報告［家計収支編］2024年（令和6年）平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、ひと月あたりの平均消費支出が25万6521円となっています。なかでも食費が7万6352円と最も高く、次いで交通・通信費が2万7768円、教養娯楽費が2万5377円という結果です。
年金18万円と生活費の差額をどう考えるか
年金収入が月18万円ある場合、平均消費支出との差は約7万7000円の赤字です。この差をどうやって埋めるかが、定年後の家計を考えるうえで大きなテーマです。
貯蓄で補う場合には、30年間でおよそ2800万円の備えが必要になる計算です。家庭によってはこの金額をあらかじめ用意することが現実的に難しい場合もあるため、その際は出費を見直したり、資金のやりくりを工夫したりすることが欠かせません。
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月18万円の年金の範囲で暮らすためにできること
年金の範囲で暮らしを安定させるには、出費のなかでも負担がかさみやすい部分を上手に見直すことがポイントです。「食費」「交通費」「通信費」などを少しずつ調整することで、無理のない節約につながります。
「食費」は「外食を減らす」だけで変わってくる
前述の総務省統計局の調査によれば、65歳以上の夫婦無職世帯は食費に月7万6000円以上かかっています。また、同調査によると、65歳以上の2人以上無職世帯における外食費用の平均は月7300円です。
株式会社リクルート ホットペッパーグルメ外食総研の「外食市場調査（2025年4月度）」では、外食1回あたりの単価は約2900円でした。仮に月3回の外食を1回に減らすだけでも、6000円もの節約になる可能性があります。
なお、一般的に自炊中心の生活に切り替えると、栄養バランスを取りやすくなり、健康面に良い影響もあるでしょう。買い物の回数を減らして計画的に食材を使い切るなど、日々のちょっとした習慣の積み重ねが大きな効果を生みます。
「車を持たない選択」で「交通費」の負担を軽くする
車を保有している場合、ガソリン代や保険料・税金・車検代など、毎月2万円以上の維持費がかかるケースもあります。年金で暮らすにはこの固定費は重く感じるでしょう。
都市部や公共交通が充実している地域に住んでいるなら、車を手放してバスや電車に切り替えるだけで、車にかかる固定費の負担がかなり軽くなります。
また、自治体によっては、バス運賃が無料や割引になるなど、高齢者向けの交通サポート制度が用意されていることがあります。居住する地域で調べてみることをおすすめします。
「通信費」の負担も「プランの見直し」でぐっと楽になる
スマートフォン代のプランや契約している携帯電話会社を見直すことで節約が可能な場合もあります。格安SIMだけでなく、大手キャリアでも60歳以上や65歳以上を対象にしたお手頃な料金プランを用意していることがあります。
このようなプランを夫婦で取り入れることで、これまで1万円近くかかっていた通信費を半分以下に抑えられるケースもあるでしょう。
無理しない節約で快適な年金生活を
月18万円の年金でも、家計のバランスを見ながら整えていけば、ゆとりを持った暮らしは目指せるでしょう。大切なことは、現在の出費を把握して、無理のない範囲で節約することです。
例えば、外食を減らして自炊中心の食事にしたり、状況に応じて車を手放して公共交通機関を活用する、スマホプランを見直して通信費を抑えたりなど、身近な支出を調整すれば無理のない節約につながるでしょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告［家計収支編］2024年（令和6年）平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支 ＜参考4＞ 65歳以上の無職世帯の家計収支（二人以上の世帯・単身世帯） 表2 65歳以上の夫婦のみの無職世帯（夫婦高齢者無職世帯）及び65歳以上の単身無職世帯（高齢単身無職世帯）の家計収支 －2024年－（19ページ）
e-Stat政府統計の総合窓口 総務省統計局 家計調査 家計収支編 二人以上の世帯 詳細結果表 2024年 ＜用途分類＞1世帯当たり1か月間の収入と支出 表番号3-2 世帯主の年齢階級別
株式会社リクルート ホットペッパーグルメ外食総研 外食市場調査（2025年4月度） 3.外食単価（3ページ）
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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