定年後に暇で趣味に「月5万円」をかけていたら、老後資金が「500万円→300万円」に減っていた…!今後の生活費は賄えますか?
本記事では、定年後から年金受給までに必要な生活費や、老後の毎月の支出、老後のお金を確保するための方法について解説します。趣味にお金を使ってしまい、老後の生活費への不安を感じている方は、ぜひ参考にしてください。
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年金を受け取るまでにかかる生活費はどのくらい?
趣味に月5万円かけており貯金が200万円減っているのを想定すると、60歳で定年してから約3年経過しているといえるでしょう。年金を受け取れるようになるのは65歳からのため、残り2年は貯金を切り崩して生活する必要があります。
総務省統計局の「家計調査(2024年)」によると、単身世帯60歳以上の月の支出は、15万9249円でした。この金額で2年間生活すると、382万1976円かかることになります。このままでは、年金をもらい始める前に資金が底をつきてしまう計算になります。
老後にかかる生活費はどのくらい?
仮に、生活費を切り詰めて300万円で2年間を乗り切り、65歳から年金生活が始まったとしましょう。同資料によると、65歳以上の単身無職世帯の消費支出は14万9286円でした。支出の内訳は、以下の通りです。
・食料:4万2085円
・住居:1万2693円
・光熱、水道:1万4490円
・家具、家事用品:6596円
・被服および履物:3385円
・保健医療:8640円
・交通、通信:1万4935円
・教育:15円
・教養娯楽:1万5492円
・そのほかの消費支出(諸雑費、交際費など):3万956円
65歳以降はこの金額全てを貯金から切り崩さず、年金で一部賄えます。定年退職しているということなので会社員として働いていたと想定すると、国民年金だけでなく厚生年金も受け取れるでしょう。
厚生労働省の「厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、令和5年度の厚生年金の平均は14万7360円でした。この金額を受け取れたとしても、1926円の赤字となります。また、老後は病気やけがのリスクが高まり、予期せぬ出費でさらに赤字となってしまうかもしれません。
老後のお金を確保するにはどうすればいい?
老後に必要なお金を確保するためには、収入が支出を上回る状態を維持する、つまり収支のバランスを管理することが重要です。まず、今の家計を基準にして、老後の生活費を具体的にイメージすることが不可欠です。
同時に、現在の支出に潜む無駄を洗い出す作業もしましょう。賢く支出を減らすことは、収入を増やすのと同じくらい効果的な対策になります。
そしてもう一つの柱が、働くという選択肢です。定年後も仕事を続ければ、目先の生活費を補える可能性があります。現役時代ほどの収入は期待できなくても、少しでも長く働くことは、安定した老後を築くための支えとなるでしょう。
老後資金が300万円だと生活費を賄うのは難しいかもしれない
定年後から年金受給開始までの数年間や、年金生活に入ってからの支出は、思っている以上に家計に影響を与えます。特に年金を受け取れる65歳になるまでは、貯金を切り崩して生活をつなぐ必要があり、生活費の見直しや収支の把握が欠かせません。
年金だけでは賄いきれない赤字を補うには、支出をおさえる工夫や、無理のない範囲で働くことも視野に入れておくことが重要です。老後を安心して過ごすためには、現役のうちから生活費や年金額を具体的に把握し、計画的な準備を進めておくことが何よりの備えになるでしょう。
出典
総務省統計局 家計調査(2024年)単身世帯 詳細結果表 表番号2
厚生労働省年金局 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況(8ページ)
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
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