来年夫が定年ですが、貯蓄が「1000万円」しかありません。年金だけで生活する場合、貯蓄は何年で底をついてしまうのでしょうか?
本記事では、老後にかかる生活費の平均を基に、1000万円の貯蓄がいつ底をつくのかまとめました。あわせて、年金生活の節約方法も紹介しているので、今後年金生活を送る方はぜひ参考にしてください。
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年金だけで生活する場合、1000万円の貯蓄はいつ底をつく?
総務省統計局の「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」によると65歳以上の夫婦のみの無職世帯の支出は28万6877円でした。支出の内訳は、以下の通りです。
・食料:7万6352円
・住居:1万6432円
・光熱、水道:2万1919円
・家具、家事用品:1万2265円
・被服および履物:5590円
・保健医療:1万8383円
・交通、通信:2万7768円
・教育:0円
・教養娯楽:2万5377円
・そのほかの消費支出(諸雑費、交際費など):5万2433円
・非消費支出:3万356円
日本年金機構「令和7年4月分からの年金額等について」によると、収入となる年金は夫婦合わせて月額22万5182円受け取れます(令和6年度分)。これは、平均的な収入(平均標準収入45万5000円)で40年間就業したケースの老齢厚生年金と、2人分の老齢基礎年金(満額)の給付水準額です。
年金だけで生活するとなると、5万8505円の赤字になります。この赤字分を1000万円の貯蓄で補うとすると、約14年で底をつきてしまうことになります。ただし、受け取れる年金額や生活費によって変動するため、この年数は参考程度にしておくといいでしょう。
年金生活で生活費を節約する方法
年金だけで生活した場合、1000万円の貯蓄は約14年で底をつきます。そのため、節約して毎月の赤字額を縮小する必要があります。ここでは、老後に生活費を節約する方法を見ていきましょう。
買い物の回数を減らす
日々の買い物は、少しの工夫で節約につながります。何度も買い物に出掛けると、つい余分なものまで買ってしまうこともあるため、週に2回までなど回数を決めることがおすすめです。
また、ネットスーパーを利用することも節約につながる可能性があります。ネットスーパーは合計金額を見ながら調整できるため、無駄な買い物も減らせるでしょう。
さらに重い荷物を運ぶ手間もなく、高齢者にとっても便利です。節約を意識した買い物習慣が、無駄遣いを防ぐ第一歩になります。
食生活を見直す
夫婦2人だけの生活になると、自炊が面倒に感じられ、お惣菜や外食が増えてしまうケースもあるでしょう。しかしそれが続くと、気づかないうちに食費が大きくふくらみます。節約のためには、必要な食材だけを購入し、冷凍保存をうまく活用することが大切です。まとめ買いや特売の活用も効果的です。
とはいえ、節約ばかりでは心が疲れてしまいます。年に数回の外食など、小さな楽しみも取り入れて、長く続けられる家計の工夫を行いましょう。
光熱費を見直す
光熱費の見直しも節約につながります。光熱費をおさえるためには、こまめに電源を切ることなどが効果的ですが、手間に感じて続かない方もいるでしょう。
そこで、電力会社やガス会社を切り替えるだけで光熱費を節約できる方法を検討してみましょう。現在では、料金比較サイトなどで簡単にシミュレーションができ、自分に合ったプランを選べます。このように、一度の見直しで毎月の光熱費が減れば、日々の生活にも余裕が生まれるでしょう。
趣味の楽しみ方を変えてみる
年金生活では出費をおさえる必要がありますが、楽しみを我慢しすぎると心が疲れてしまいます。そこで、お金をかけずに楽しめる趣味を取り入れましょう。公園で散歩やゲートボールをすれば、お金がかからないだけでなく、気分転換や健康維持にもつながります。
さらに、シニア向けの割引や優待制度を活用すれば、映画や美術館、旅行なども手頃な費用で楽しめます。平日の旅行は料金が安く、混雑も少ないため特におすすめです。こうした工夫を重ねれば、限られた年金の中でも満足感のある毎日を送れるでしょう。
年金だけで生活する場合、1000万円の貯蓄は約14年で底をつく可能性がある
定年後、夫婦2人で年金のみで生活する場合、1000万円の貯蓄は約14年で底をつく可能性があります。
だからこそ、生活費の見直しと節約の工夫が欠かせません。買い物の頻度を減らすことや、食生活・光熱費の見直し、趣味やレジャーの工夫など、無理なく続けられる方法を選びましょう。
出典
総務省統計局 家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要(19ページ)
日本年金機構 令和7年4月分からの年金額について
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー