【老後】女性ひとり暮らしの場合、必要な生活費はどれくらい?

配信日: 2025.07.29 更新日: 2025.10.21
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【老後】女性ひとり暮らしの場合、必要な生活費はどれくらい?
世界保健機関(WHO)のデータによると、日本人女性の平均寿命は87.16歳で、世界でも一番の長寿になっています。日本の女性は扶養の範囲で働くという傾向もあり、個人の老後の公的年金が少ない人は多いのではないでしょうか。
 
本記事では、女性がひとりで老後生活を送るのにはどれくらいの生活費が必要になるのか、調べてみました。
吉野裕一

夢実現プランナー

2級ファイナンシャルプランニング技能士/2級DCプランナー/住宅ローンアドバイザーなどの資格を保有し、相談される方が安心して過ごせるプランニングを行うための総括的な提案を行う
各種セミナーやコラムなど多数の実績があり、定評を受けている

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女性の場合、老齢厚生年金は少ない傾向に……

厚生労働省の「令和5年度 厚生年金保険・国民年金保険事業の概況」を見ると、65歳以上の女性における老齢厚生年金の平均年金月額は、11万1479円となっています。この額には、老齢基礎年金も含まれます。
 
配偶者の夫が会社員などで、共働きで働いていた場合には自身の老齢厚生年金も増えますが、女性の場合によく見られるのが「夫の扶養に入っている」という方です。
 
しかし、厚生年金加入要件が厳しくなっているなかで、第3号被保険者数は減少傾向にあり、令和5年度は686万人と前年から36万人減少しています。とはいえ、女性のなかには「扶養内で働きたい」と思う人もいるのではないでしょうか。
 
一度も会社員などの加入する厚生年金に加入しない場合、20歳から60歳まで加入するのは国民年金のみとなり、65歳からは老齢基礎年金のみを受け取ることになります(なお令和7年度4月からの新規裁定者の老齢基礎年金満額は、月額6万9308円、昭和31年4月2日以前生まれは6万9108円となっています)。
 
老齢厚生年金は、加入期間の収入に応じて額が増減することになり、扶養内で働いた場合は、この老齢厚生年金がないか少額になることになります。さらに65歳以上の単身者のなかには、配偶者が先立ったというケースがあります。
 
配偶者が老齢厚生年金を受け取っていた場合は、「配偶者が受け取っていた老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3」か、「自身の老齢厚生年金の報酬比例部分の2分の1と配偶者が受け取っていた老齢厚生年金の報酬比例部分の2分の1を合算した額」のいずれか高いほうの額の遺族厚生年金を受け取ることができます。
 
ただし、自身の老齢厚生年金がある場合、老齢厚生年金より遺族厚生年金が多ければ、差額を受け取ることができます。
 

65歳以上の単身女性の生活費は?

令和6年の「家計調査 家計収支編」を見ると、単身の女性のうち65歳以上の方の生活費は、15万5923円となっています。令和元年は14万3810円でしたが、昨今の物価上昇の影響もあるのか、8%以上の上昇となっています。
 
前項にある65歳以上の老齢厚生年金の受給額平均は11万1479円ですが、これでは4万円以上の生活費の不足になることが分かります。
 
仮にこの不足額が、65歳から30年間続くと考えると、4万円×12ヶ月×30年=1440万円が不足することになり、それまでに準備をするか収入を得る必要があります。
 
女性は男性と比べて平均寿命が長く、老後に夫婦2人で生活を送っていても、夫が先立つことが考えられます。妻が働けるような健康状態であれば収入を得ることもできるでしょうが、お互いが高齢となり夫が先立ったときには女性も健康ではない可能性もあり、収入を増やすことが難しい場合も多いでしょう。
 

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扶養に頼らない考え方

日本の女性のなかには、「扶養の範囲内で働きたい」という人がよく見受けられます。現役時代に夫の収入を得つつ、扶養内でパートタイムやアルバイトで生計を立てることで、「無駄な税金や社会保険料を払わないので、得をしている」と感じているのかもしれません。
 
しかし第3号被保険者は、第1号被保険者と同様に「基礎年金しか加入していない」という状態になります。また令和7年には、現在の物価上昇やインフレを加味し、扶養条件の上限を引き上げるという話も進んでいます。
 
とはいえ現在は、所得税の扶養条件の見直しがメインであり、社会保険の加入条件の見直しは後手となっていると感じます。しかし今後、社会保険料の収入要件である「106万円以下」や「130万円以下」といった基準も、見直される可能性はあるでしょう。
 
このように、扶養内で収入を得ることで、老後の収入が増えないことが考えられますので、扶養を超えて働くことも考えていく必要があるのかもしれません。
 

まとめ

長寿国日本において、老後の生活費を考えておく必要性は高くなっています。特に女性が年金を受け取るときは、「自身の老齢厚生年金を受け取る」「夫の遺族年金と自身の老齢厚生年金を受け取る」「老齢基礎年金を受け取る」などさまざまなケースが考えられるので、収入も必要な生活費も千差万別です。
 
とはいえ、自身の現役時代の生活水準を、老後に急に変えることは難しいと考えられます。現役時代の生活水準から将来の生活水準をシミュレーションしながら、不足分を準備することを考えておきましょう。
 

出典

世界保健機関(WHO) 出生時平均余命(年)
厚生労働省 令和5年度 厚生年金保険・国民年金保険事業の概況
日本年金機構 令和7年4月分からの年金額等について
総務省 家計調査 家計収支編 単身世帯 2024年 表番号2 男女、年齢階級別
総務省 家計調査 家計収支編 単身世帯 2019年 表番号2 男女、年齢階級別
 
執筆者 : 吉野裕一
夢実現プランナー

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