「勤続20年」の会社を自己都合での退職を検討。この場合、退職金は満額もらえないですよね?

配信日: 2025.07.30 更新日: 2025.10.21
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「勤続20年」の会社を自己都合での退職を検討。この場合、退職金は満額もらえないですよね?
長年勤めてきた会社を自らの意志で離れる決意をしたとき、気になるポイントの一つが退職金の扱いです。
 
勤続20年という節目を迎えたとき、これまで積み上げてきたキャリアが反映された形で退職金を受け取れるのかどうか、気になる方も多いでしょう。本記事では、勤続20年で自己都合退職する場合に、退職金がどのように変動するのかを解説します。
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退職の種類

退職には、大きく分けて定年退職・会社都合退職・自己都合退職の3種類があります。それぞれ退職理由や背景が異なるため、一般的には会社から支給される退職給付の金額にも差が生じるようです。
 
入社してから会社で定められた定年まで、終身雇用という形で一つの会社に勤めた場合、退職金は就業規則に基づいて満額支給されることが多いです。
 
一方、会社都合退職とは、経営破綻やリストラなど、会社側の事情によって退職を余儀なくされるケースのことをいいます。自分の意志ではなく退職を迫られることになるため、退職金が上乗せされる場合もあるようです。
 
そして、自己都合退職とは、従業員が自ら退職を希望する場合を指します。このケースにおける退職金は、定年退職や会社都合退職と比較して減額されることが一般的です。
 

自己都合退職の退職金の計算例

ここからは、自己都合退職における退職金の計算例として、人事院による国家公務員の退職手当制度をご紹介します。人事院では、国家公務員の退職手当を以下の計算式で算出しています。
 
退職手当=基本額(退職日の俸給月額×退職理由別・勤続期間別支給割合)+調整額
 
退職手当の計算においてポイントとなっている要素が、退職理由と勤続期間です。表1を見ると、同じ勤続年数でも、定年退職や早期退職募集に応募した場合と比べて、自己都合退職は支給割合が低く設定されていることが分かります。
 
そして、勤続20年で自己都合退職した場合の退職手当は、同じ勤続年数の定年退職と比べて、支給割合が80%におさえられています。
 
表1

 

勤続年数 退職手当支給割合
自己都合退職 定年・応募認定退職
20年 19.6695 24.586875
40年 44.7795 47.709

出典:人事院「給与・生涯設計 退職手当の計算例」を基に筆者作成
 

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退職金の相場

上記の事例からも分かるように、定年退職と比べて自己都合退職は退職金が減額されるケースが多くなっている傾向です。
 
厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」によると、勤続20年以上かつ45歳以上の退職者における退職金の平均金額は表2の通りです。
 
表2

表2

出典:厚生労働省「令和5年就労条件総合調査 結果の概況」を基に筆者作成
 
大学・大学院卒の退職給付金を見ると、定年退職の1896万円に対して自己都合退職は1441万円と約76%の金額となっており、退職金が満額支給されていないことが分かります。
 
また、高校卒業の場合でも、自己都合退職の退職金は定年退職時より数百万円低い支給額となっています。
 

自己都合による退職では、退職金は満額もらえないケースが多い

20年間という長期にわたる勤務の末に自己都合で会社を離れる場合は、基本的には退職金は満額支給されません。多くの企業では、退職理由に応じた支給割合を定めており、自己都合退職では支給割合がおさえられている場合が多いです。
 
退職手当の金額は、企業の制度によって大きく異なります。将来の生活設計や転職計画を見据え、退職前にしっかりと自社の退職金制度を確認しておくことが重要です。
 

出典

人事院 給与・生涯設計 退職手当の支給 第3章定年後の収入と支出
人事院 給与・生涯設計 退職手当の計算例 1 退職手当制度の概要
厚生労働省 令和5年就労条件総合調査結果の概況(17ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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