夫婦2人で「ゆとりある老後」を送るためは「月38万円」が必要!? 50代から「老後資金」を蓄え始めるポイントは?
そこで今回は、老後資金を「月38万円」と想定した場合と、50代から老後資金を蓄え始めるポイントについて解説します。
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
老後の生活費の目安
公益財団法人生命保険文化センターの「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」によれば、「老後を夫婦2人で暮らしていくうえで、日常生活費として月々最低いくらぐらい必要か」また「ゆとりある老後生活を送るためには、その金額のほかに、あといくらぐらい必要か」と尋ねたところ、平均結果は表1の通りとなりました。
表1
| 費目 | 金額 |
|---|---|
| 最低日常生活費 | 23万2000円 |
| 老後のゆとりのための上乗せ額 | 14万8000円 |
※公益財団法人生命保険文化センター「2022(令和4)年度 生活保障に関する調査」を基に筆者作成
「老後のゆとりのための上乗せ額」として回答者が想定した使い道は、下記の通りです(複数回答)。
・旅行やレジャー:60.0%
・日常生活費の充実:48.6%
・趣味や教養:48.3%
・身内とのつきあい:46.2%
・耐久消費財の買い替え:31.7%
・子どもや孫への資金援助:19.4%
・隣人や友人との付き合い:12.5%
・とりあえず貯蓄:3.9%
・そのほか:0.3%
・分からない:0.5%
半数以上が使い道として答えたのは「旅行やレジャー」です。さらに半数近くが「日常生活費の充実」「趣味や教養」「身内とのつきあい」を選び、3割程度の方が「耐久消費財の買い替え」も想定しています。
「最低日常生活費」と「ゆとりのための上乗せ額」を合計した平均値は、37万9000円でした(サンプルの合計値の平均であり、各費目平均の単純合計額とは異なる)。
これらを踏まえると、老後資金を月あたり38万円準備しておくと金銭面で生活にゆとりをもたらせる可能性があるといえるでしょう。
50代からの老後資金をためるための準備
50代から老後資金をため始める前に、貯金の目標額を算出しましょう。
目標貯金額は、退職から寿命までの期間を元に計算します。寿命は、厚生労働省の「令和5年簡易生命表の概況」を基に、男性は81.09歳、女性は87.14歳とし、退職が65歳だった場合、老後の生活は約17年~23年と考えられます。
老後資金を月38万円準備する場合、17年間で約7752万円~23年間で約1億488万円が必要になるでしょう。
ただし、定年までに老後の生活費をすべて準備する必要はありません。退職後には年金や退職金などの収入が見込まれます。
65歳以降でも元気なうちは、働く人もいるでしょう。退職後に得られる収入を想定に入れたうえで、老後資金を準備することが理想的といえます。老後の収入見込み額を50代のうちにある程度把握しておくと、目標額を決めやすいでしょう。
貯金を殖やすためのポイント
貯金を殖やすための主な方法としては「収入を増やす」「支出を減らす」「貯金を運用する」の3つが挙げられますが、今回は「支出を減らす」「貯金を運用する」の2点に絞ってご紹介します。
まず、貯金を作るために、無駄な出費を減らしましょう。特に固定費である、携帯電話や保険、電気などの契約やプランを見直すことが効果的です。一度固定費を削減すると、継続的な節約効果が期待できます。家計を見直して無駄な出費を削減したら、貯金にまわしましょう。
また、クレジットカード等の利用でポイントをため、支出を減らすことも効果的です。ポイントの還元率は、買い物をするお店で異なる場合があるため、保有するカードの特典を生かせるお店を選ぶとよいでしょう。また、ポイントカードを発行するお店では、ポイントを二重取りできる可能性があるため、貯金を効率よく増やせる可能性があります。
さらに、給料をもらったら先に貯金にまわすとよいでしょう。難しい場合は、定期積金を利用すると、口座のお金が自動で貯金にまわるため、計画的にためやすいといえます。50代で子どもの教育費の支払いが終わる人は、そのお金をそのまま貯金にまわすのもよいかもしれません。
貯金を作ったら、資産運用でお金を増やすことを考えてもよいでしょう。新NISAの成長投資枠は年間最大240万円、つみたて投資枠では120万円を非課税で投資できます。ただし、元本割れのおそれがあるため注意しましょう。
ゆとりある老後を送るために「月38万円』を目標に準備しよう
老後のゆとりある暮らしに必要な生活費は、月38万円程度と考える人が多いようです。生活費から退職後に見込まれる収入を差し引いて、不足する分を貯金で補いましょう。
50代から老後資金をいくらためたらよいのか悩んでしまう人は、今回の内容を参考にしてください。
出典
公益財団法人生命保険文化センター 2022(令和4)年度 生活保障に関する調査
厚生労働省 令和5年簡易生命表の概況
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー