65歳ですが通院の際の交通費が「月5000円以上」かかります。「高齢者の交通費が安くなる制度がある」と聞いたのですが、年齢以外の「利用条件」はありますか?
移動の負担をおさえながら、外出の機会を保つためにも、制度の内容や対象条件を正しく把握しておくことが大切です。今回は、シニア割制度について、申請条件や費用、利用方法について解説します。
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高齢者の交通費が安くなる「シニア割」とは?
シニア割は、高齢者を対象に買い物や移動、外食などの費用をおさえて利用できるように考えられた制度です。対象年齢はサービスによって異なり、60歳や65歳を目安に設定されているケースが多く見られます。
シニア割には、旅行代金やスーパーでの買い物で優遇が受けられたり、バスや電車の運賃が割安になったりする自治体の制度も見受けられます。どの制度が使えるかは、年齢だけでなく地域や企業によって条件が異なるため、公式サイトなどで確認することが大切です。
シニア割の条件とは?
シニア割の内容や条件は、自治体によって異なります。ここからは、いくつかの自治体で利用できるシニア割を例に、条件を解説します。
東京都:シルバーパス
シルバーパスは、東京都に住民登録されている70歳以上の高齢者を対象に、都営地下鉄やバス、都電、日暮里・舎人ライナーなどを定額で利用できる制度です。
通院や買い物だけでなく、趣味や地域の活動にも使えるため、日常生活の移動を支える手段として活用されています。なお、パスの有効期間は毎年10月1日から翌年9月30日までの1年間です。
大阪市:敬老優待乗車証
大阪市の敬老優待乗車証は、市内在住で70歳以上の方が対象となるICカード型の交通優待制度です。Osaka Metro(地下鉄・ニュートラム)と大阪シティバスを1乗車50円で利用でき、改札やバスの読み取り機にかざすだけで乗車できます。
ただし、本人が区役所などの窓口で手続きできない場合や、他の福祉的措置(無料パスなどの制度)を受けている場合は対象外のようです。
申請は本人が区の保健福祉センターに写真と本人確認書類を持参して行う必要があり、代理人では手続きできません。70歳の誕生月の3ヶ月前から受け付けが始まり、期日までに申請すれば誕生月の1日から利用可能です。
なお、申請後約1ヶ月半で到着し、カードの有効期限は交付日から5年です。有効期限が切れた場合は再度更新手続きが必要になります。
名古屋市:敬老パス
名古屋市の敬老パスは、市営交通だけでなく私鉄やバスの市内区間でも利用できる交通優待制度です。「名古屋市内に在住していること」「65歳以上」の2つが条件で、外国籍の方も利用可能です。
ただし、年間730回までという利用回数の上限が設けられているため、1日に複数回利用する場合は、注意が必要です。
申請は、65歳になる月の約3ヶ月前に案内が送付されるため、申込書を返送またはオンラインで申し込み、負担金を納付すると、誕生日の前日から翌年の誕生日の前々日までの1年間有効なパスが郵送されます。
シルバー割の利用には年齢以外の条件があることも
今回は、各自治体が実施しているシニア割について解説しました。シニア割は、年齢を重ねた方々の移動や生活を経済的に支える制度です。
年齢以外にも、「対象地域に住民票があること」や「利用回数」などの条件が設けられている場合もあります。制度の対象となるかを確認するためにも、自分が住む地域の情報を事前に確認しましょう。
出典
一般社団法人東京バス協会 東京都シルバーパスのご案内
大阪市 70歳になったら敬老優待乗車証(敬老パス)が利用できます
名古屋市 敬老パスの交付
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー