年金暮らしが厳しい高齢者に「月5000円」支給される制度がある?「年金生活者支援給付金」とは?
本記事では、制度の内容や支給対象者、金額、申請方法などをわかりやすく解説します。
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「年金生活者支援給付金」とは? 月5000円は本当?
「年金生活者支援給付金」は、消費税率引き上げによって増える国の財源を使い、低所得の年金受給者を支援するために作られた制度です。65歳以上で老齢基礎年金を受け取っている方の中から、収入が少ない方を対象に支給されます。
月5000円というのは、制度の基本的な支給額の目安です。実際には年金保険料の納付状況などに応じて金額が決まります。2025年度は基準支給額が月5450円となっており、支給額は毎年見直されています。
月額だけを見ると少なく感じるかもしれませんが、年間で6万円を超える給付になるため、食費や光熱費の一部に充てられるなど、生活の助けになる支援です。
支給の対象者は? 自分が該当するか確認しよう
この給付金を受け取れるのは、以下の3つの条件をすべて満たす方です。
1.65歳以上で老齢基礎年金を受給している
2.同じ世帯の全員が住民税非課税である
3.前年度の公的年金などの収入金額とその他所得の合計が、一定額以下である
※昭和31年4月2日以降生まれの方は88万9300円以下、昭和31年4月1日以前生まれの方は88万7700円以下
これらの条件に当てはまる方は、給付金を受け取れる可能性があります。
給付金の金額と申請方法もチェック
支給額は、年金保険料の納付状況や免除期間に応じて個別に計算し、それぞれを合計した金額が支給されます。計算方法は以下のとおりです。
・納付済み期間に基づく額:5450円 × 納付済み月数 ÷ 480ヶ月
・免除期間に基づく額:1万1551円 × 免除月数 ÷ 480ヶ月
たとえば、納付済み60ヶ月・免除240ヶ月の場合、月額約6450円の支給が見込まれます。
申請方法は、日本年金機構から対象者に対して「請求書」が届く仕組みです。それに必要事項を記入して返送するか、マイナポータルからオンライで申請を行います。初めて該当する方は忘れずに申請を行いましょう。
すでに受給している方は、所得などの状況に大きな変化がなければ、申請を繰り返す必要はありません。
まとめ:制度をうまく活用して生活を安定させよう
年金生活者支援給付金は、月に数千円の支援とはいえ、長期的には大きな助けになります。年金だけでは生活が厳しいと感じる方は、自分が対象かどうかを確認してみる価値は十分あります。
申請書が届いたら、忘れずに提出することが大切です。また、所得や世帯構成が変わったときには、通知内容を確認し、必要に応じた対応を取りましょう。
このような制度を上手に活用して、少しでも安心した年金生活を送れるようにしましょう。
出典
厚生労働省 年金生活者支援給付金制度について
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー