60歳到達時点と比較して、定年後61歳の収入が8割減に…給付金が利用できると聞いたのですが、どんな人が受け取れるのでしょうか?

配信日: 2025.08.06 更新日: 2025.10.21
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60歳到達時点と比較して、定年後61歳の収入が8割減に…給付金が利用できると聞いたのですが、どんな人が受け取れるのでしょうか?
定年以降に、大幅な収入減少を経験する人も多いでしょう。収入減少に伴う生活の不安を和らげ、高齢者の働くモチベーションの維持・向上策として設けられている制度が高年齢雇用継続給付です。
 
しかし、具体的にどのような条件で給付金を受け取れるのかは、あまり知られていないかもしれません。今回は、制度の概要や支給条件のほか、令和7年4月に変更された支給率について解説します。
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高年齢雇用継続給付とは

高年齢雇用継続給付は、60歳以上65歳未満の労働者が、60歳到達時点と比べて賃金が75%未満に減少した状態で働き続ける場合に、受け取れる可能性がある給付金制度です。
 
60歳を過ぎると、役職を外れたり業務内容がこれまでよりも軽くなったりする傾向があります。こうした状況において、賃金の減少分を補うことを目的としています。また、定年後に働くモチベーションを保ち、高める効果も期待できるでしょう。
 
なお、定年後も同じ会社で働き続ける人と別の会社に再就職する人では、給付金の種類が異なることがポイントです。
 

高年齢雇用継続給付の支給条件と支給率

ここからは、支給条件と支給率について解説します。
 

支給条件

定年後も同じ会社で働く場合は「高年齢雇用継続基本給付金」、別の会社に再就職する場合は「高年齢再就職給付金」が支給される可能性があります。
 
いずれの場合も、給付金を受け取るには、60歳から65歳未満で雇用保険に加入している正社員・パートタイムなどであることにくわえ、加入期間が通算5年以上なければなりません。
 
そのほかの、おもな支給条件は表1の通りです。
 
表1

おもな支給条件
高年齢雇用継続基本給付金 ・失業手当を受け取っていない
・60歳時点の賃金と比べて、それ以降の金額が原則75%未満
高年齢再就職給付金 ・失業手当を受け取った後、60歳以降に再就職し、毎月の賃金が失業手当のベースとなった「賃金日額×30」の金額の75%未満
・再就職する前日のタイミングで、100日以上の受け取っていない失業手当がある
・1年以上継続して雇用される可能性が高い、安定した職業に就いている
・再就職手当の支給を受けていない

出典:厚生労働省 「Q&A~高年齢雇用継続給付~」を基に筆者作成
 
それぞれの支給条件は若干異なるため、違いを確認しておく必要があるでしょう。また、どちらも65歳になったタイミングで支給がストップすることに注意しましょう。
 

支給率

支給率は、定年後の収入の減少率によって決まります。詳細は、表2をご確認ください。
 
表2

60歳時点の賃金に対する、
それ以降の賃金の割合
賃金に上乗せして支給される支給率
64%以下 毎月支払われた賃金額の10%
64%超75%未満 毎月支払われる賃金額の10%までの幅で、減少した割合に応じて、給付額との合計が75%を超えない範囲で設定される率

出典:厚生労働省 「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」を基に筆者作成
 
例えば、60歳到達時点の賃金が40万円であり、定年後の賃金が80%減少して8万円になった場合、支給率は10%、受給額は月額8000円程度の支給が見込まれます。
 
なお、支給率は令和7年4月1日に変更されています。ただし、改定日前日までに60歳になった人については変更が適用されません。仮に賃金が60歳到達時点の64%以下に下がった場合の支給率は、改定前と変わらず15%です。
 

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高年齢雇用継続給付の申請方法

申請者本人が必要事項を記入した申請書を、事業主が管轄のハローワークに提出します。基本的に事業主を介して手続きを行いますが、自分で行うことも可能です。
 

定年後61歳の収入が8割減の場合、高年齢雇用継続給付を受け取れる可能性がある

高年齢雇用継続給付は、定年後に60歳到達時点の収入の75%未満に減少し、そのほかの要件も満たしていると給付金を受け取れる制度です。つまり、定年後61歳の収入が8割減となった場合は、支給対象になる可能性があるといえるでしょう。
 
給付を受けるには、雇用保険の加入期間や失業手当の受け取り状況など、いくつかの条件を事前に確認することが重要です。収入が減ってしまい老後の生活に不安を覚える人は、制度を利用することで安心感が得られるでしょう。
 

出典

厚生労働省
 令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します

 Q&A~高年齢雇用継続給付~ Q1 高年齢雇用継続給付の受給資格を教えてください。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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