もうすぐ年金支給日ですが、「お盆玉×孫4人分」で財布がすぐ空になりそうです。金額は「お年玉くらい」包むべきでしょうか?昔は、こんな習慣なかった気がするのですが…
とはいえ、「昔はこんな習慣なかったのに……」と戸惑う声もあり、金額や考え方は家庭によってさまざまです。特に年金生活の中では、こうした臨時の出費が家計に響くこともあるでしょう。
今回は、お盆玉の相場や広まり方、65歳以上の家計状況をもとに、無理のない贈り方を考えます。
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お盆玉の相場はいくらなのか
お盆玉とは、夏休みに孫や親戚の子どもへ渡す現金のことですが、その相場はどれくらいでしょうか。
年賀状印刷サービスの提供などを行うフタバ株式会社が2025年7月に行った調査によると、お盆玉の金額として最も多かったのは「1000円〜3000円未満」と「3000円〜5000円未満」で、それぞれ同数でした。
この2つの価格帯を合わせると、お盆玉をあげた人のうち約6割を占めており、1000円から5000円までが中心的な価格帯といえそうです。お年玉ほど高額にはならず、帰省時のちょっとした心遣いとして渡されていることがうかがえます。
複数人の孫がいる場合は、この相場を参考に金額を考えることになるでしょう。例えば、1人に3000円ずつ渡すと、4人分で合計1万2,000円ほどの支出になります。
お盆玉を渡す際には、相場はあくまで目安としてとらえ、自分の生活に合った金額設定を心がけることが大切です。
お盆玉は新しい習慣?世間の認知度や広まり方を確認
「お盆玉」という言葉や習慣に、まだなじみがないと感じる方も多いかもしれません。近年、少しずつ知られるようになってきましたが、その浸透度はどのくらいなのでしょうか。
同調査によると、「お盆玉」という言葉を「知っている」と回答した人は39.5%でした。また、これまでに「お盆玉をあげたことがある」と回答した人は16.5%にとどまっています。
この調査結果からも分かるように、お盆玉はまだお年玉ほど一般的な習慣として定着しているわけではないようです。あげない理由としても「出費がかさむ」のほかに「そもそも習慣がない」「知らなかった」という声が多く、家庭や地域によって考え方に差がある新しい習慣といえるでしょう。
年金生活の中で「お盆玉」は負担なのか
公的年金の支給日は偶数月の15日と定められており、8月はちょうどお盆の時期と重なります。支給されても、帰省した子や孫のために使ったり、お盆玉を用意したりして、財布がすぐに軽くなってしまうという人も少なくありません。
実際に、年金生活の家計はどのような状況なのでしょうか。
総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の夫婦のみの無職世帯では、2024年の1ヶ月あたりの平均消費支出は25万6521円でした。また、65歳以上の単身無職世帯の場合、1ヶ月の平均消費支出は14万9286円となっています。
これらの世帯の主な収入は公的年金などの社会保障給付であり、実収入に占める社会保障給付の割合は夫婦のみの世帯で89.1%、単身世帯で90.7%を占めます。現役時代に比べると収入にゆとりはないかもしれません。
消費支出の内訳をみると、食費や光熱費、医療費、住居費など日常生活に欠かせない項目が大部分を占めています。2025年は物価の上昇も重なったことで、家計全体のやりくりはさらに難しくなったといえるでしょう。
年金生活のなかで、お盆玉は“気持ちを込めた贈り物”である一方、決して小さくない負担となっているのが現実です。
お盆玉と上手に付き合うコツ
お盆玉は孫たちとの心温まる交流の一つですが、自分の家計に無理のない範囲で贈ることが大切です。
例えば、孫4人にそれぞれ3000円ずつ渡すと、合計で1万2000円の支出になります。こうした臨時の出費は、固定的な支出が多い年金生活の中では、思った以上に大きな負担になることもあるでしょう。
孫が増えるごとに金額も膨らみますが、一人ひとりの年齢や普段の関係性、自分自身の年間イベント予算などに合わせて、金額を柔軟に考えてみましょう。
また、お盆玉について家族とあらかじめ話し合い、「どのくらいの金額なら無理がないか」や「今年は現金以外にする」など相談するのも有効です。相場や周囲の状況を参考にして無理のない形で続けていくとよいでしょう。
出典
総務省統計局「家計調査報告〔家計収支編〕2024年(令和6年)平均結果の概要」
フタバ株式会社 「お盆玉」に関するアンケート調査
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー