老後の平均年収は「340万円」! 月に“50万円以上”稼いでいる人はどれくらいいるの?
定年後は月々どのくらいの収入が見込めるのか、貯金がないと生活できないのかなど、気になることも多いかもしれません。
本記事では、60歳以上の平均年収や月に50万円以上稼いでいる人の割合、老後の収入を増やすポイントについてご紹介します。
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60歳以上の平均年収
内閣府の「令和6年度 高齢社会対策総合調査(高齢者の経済生活に関する調査)の結果」によると、60歳以上の高齢者の平均年収は340万円となっています。男女別にみると、男性の平均年収が383万円、女性の平均年収が297万円です。
1ヶ月あたりの平均収入額の金額ごとの割合は表1の通りです。
表1
| 1ヶ月あたりの平均収入額 | 割合 |
|---|---|
| 5万円未満 | 1.6% |
| 5万円~10万円未満 | 7.3% |
| 10万円~15万円未満 | 10.9% |
| 15万円~20万円未満 | 12.0% |
| 20万円~25万円未満 | 14.9% |
| 25万円~30万円未満 | 12.9% |
| 30万円~40万円未満 | 15.0% |
| 40万円~60万円未満 | 10.9% |
| 60万円~80万円未満 | 2.3% |
| 80万円以上 | 2.8% |
| 収入はない | 0.9% |
| 不明・無回答 | 8.5% |
出典:内閣府「令和6年度 高齢社会対策総合調査(高齢者の経済生活に関する調査)の結果」を基に筆者作成
今回の事例では「月に50万円以上稼いでいる人はどのくらいいる?」ということですが、60万円以上の割合が5.1%、40万円~60万円未満の割合が10.9%なので、5.1%~16%程度になると考えられます。
60歳以上の1ヶ月あたりの生活費
同調査によると、60歳以上の家賃や住宅ローンを除いた1ヶ月あたりの生活費は、平均で20万6000円となっています。
年齢別にみると、最も生活費が高いのは「65~69歳」の22万5000円で、最も生活費が低いのは「85歳以上」の17万1000円です。また、配偶者あるいはパートナーがいる人の二人分の生活費の平均は23万7000円、一人暮らしの生活費の平均は13万9000円となっています。
例えば、夫婦二人暮らしだと年間の生活費は284万円ほどかかる計算になるため、平均程度の年収があれば賄える可能性があります。ただし、家賃や住宅ローンを含めたり、介護費や入院費・自宅のリフォーム費用などが必要になったりすると支出がさらに増えるため、平均程度の年収では生活費が不足することになるかもしれません。
老後の収入を増やすポイント
老後の収入を増やすためには、定年後も働き続ける方法があります。再雇用制度を利用して現在の職場で働き続けるほか、再就職したりパートやアルバイトとして働いたりすることも検討してみましょう。
また、年金の受給額を上げるために、国民年金付加保険料を納付したり、繰下げ受給を行ったりする方法もあります。
そのほかにも、個人型確定拠出年金(iDeCo)やNISAなどの制度を活用して、資産運用することも、老後の収入を増やす方法としておすすめです。
同時に、支出を減らすために家計の見直しなどをし、老後に備えましょう。
60歳以上で月50万円以上稼いでいる人の割合は5%~16%程度と考えられる
60歳以上の高齢者の平均年収は340万円となっており、月50万円以上稼いでいる人の割合は5%~16%程度と考えられます。
また、60歳以上の1ヶ月の生活費の平均は家賃や住宅ローンを除いて20万6000円です。単純計算すると年間支出は247万2000円になりますが、家賃や住宅ローンを含めると平均年収と同じくらいの年収では賄えなくなる可能性があります。
高齢になると介護費や入院費などが必要になるケースもあるかもしれないので、老後の収入を増やせるよう定年後も働き続けたり、年金の繰下げ受給を検討したりするとよいでしょう。
出典
内閣府 令和6年度 高齢社会対策総合調査(高齢者の経済生活に関する調査)の結果 第2章 調査結果の概要 3.経済的な暮らし向きについて (3)1か月あたりの平均収入額(1年間の収入額)(問19)(77ページ)・(4)1か月あたりの生活費(問20)(80~81ページ)
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部
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