一人暮らしの父は「定年後は働かずゆっくり過ごしたい」と言っていますが「貯金700万円+退職金1500万円」では厳しいですよね? 仕事をやめる人は多いのでしょうか?

配信日: 2025.08.08 更新日: 2025.10.21
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一人暮らしの父は「定年後は働かずゆっくり過ごしたい」と言っていますが「貯金700万円+退職金1500万円」では厳しいですよね? 仕事をやめる人は多いのでしょうか?
定年後は働かずにゆっくりしたいという父の言葉に、うなずきながらも貯金と退職金だけで生活できるのか不安に感じる方もいるでしょう。
 
本記事では、定年後に働いている人の割合や「貯金700万円+退職金1500万円」で老後の生活ができるのかなどについて解説します。
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定年後も働いている人はどのくらいいる?

定年と聞くと、以降は働かなくてよいと思う方もいるかもしれませんが、実は定年後も働いている方はいます。内閣府の「令和6年版高齢社会白書」によると、55歳以上の就業状況は表1の通りでした。
 
表1

男性 女性
55~59歳 91.5% 74.7%
60~64歳 84.4% 63.8%
65~69歳 61.6% 43.1%
70~74歳 42.6% 26.4%
75歳以上 17.0% 7.7%

出典:内閣府「令和6年版高齢社会白書」を基に筆者作成
 
男女ともに年齢を重ねるごとに働いている方の割合は減りますが、男性の場合は69歳までは6割以上の方が働いているようです。また、同調査によると「何歳ごろまで収入を伴う仕事をしたいですか」の質問に対して、以下のような回答となりました。


・65歳くらいまで:25.6%
・70歳くらいまで:21.7%
・75歳くらいまで:11.9%
・80歳くらいまで:4.8%
・働けるうちはいつまでも:20.6%
・仕事をしたいとは思わない:13.6%

働く意欲がある人が80%以上いるのに対し、仕事をしたいと思わないという方も一定数いることが分かります。
 

貯金700万円と退職金1500万円で老後は生活できる?

定年後は働かずに過ごしたいと思ってはいるものの、貯金と退職金で生活できるのか気になる方もいるでしょう。今回は、貯金700万円と退職金1500万円で老後の生活はできるのか見ていきましょう。
 
総務省統計局の「家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要」によると、65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の1ヶ月にかかる支出は16万1933円でした。
 
しかし、年金収入があるため、この金額すべてを貯金からまかなう必要はありません。同資料によると、1ヶ月の実収入は13万4116円でした。
 
この金額で生活すると、毎月2万7817円の赤字になります。毎月赤字はあるものの、貯金と退職金の合計2200万円で約66年生活できることになり、お金の心配はそれほど大きくないかもしれません。
 
ただし、退職金には所得税や住民税などの税金がかかります。そのため、退職金1500万円をすべて受け取れるわけではないのです。税金がひかれることを想定すると、貯金と退職金のみで生活できる期間は短くなります。
 
また、住宅の修繕費や医療費、介護費用など、突発的な支出が発生した場合、さらに短くなる可能性があります。そのため、年金と2200万円あるから大丈夫と思わず、年金以外の収入を得た方が安心できるでしょう。
 

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定年後に無理なく働く方法は?

「もう働きたくない」という気持ちと「老後資金が心配」という現実の間で、悩まれている方もいるでしょう。そんなときは、生活に支障をきたさない範囲で働くというスタイルを検討してみるのもひとつの方法です。
 
例えば、週に数日だけ働けるパートやアルバイトなどは、体力的な負担も少なく、自分のペースを守りながら収入を得る手段となります。働く時間や日数をあらかじめ絞ることで、趣味や家族との時間も大切にできるでしょう。
 
また、趣味や得意分野を生かして仕事につなげるのもおすすめです。手芸、ガーデニング、語学、写真など、長年親しんできたことが役立つスキルに変わることもあります。好きなことを仕事にすることで、収入を得ながら日々の生活に張り合いが生まれるのも大きな魅力です。
 

老後に「貯金700万円と退職金1500万円」で生活していける可能性はあるが、余裕はあった方がよい

「定年後はゆっくり過ごしたい」という気持ちは自然ですが、現実には70歳近くまで働いている人もいます。また、老後も働くことを希望する人は8割以上にのぼり、再雇用制度やシルバー人材センター、求人サイトなど、定年後の仕事探しにもさまざまな選択肢があります。
 
貯金700万円と退職金1500万円では、突発的な支出や退職金の課税を考えると、完全なリタイアには少々不安が残るのも事実です。定年後の暮らしを豊かにするためには、経済面と生きがいの両面から働くかどうかを決めましょう。
 

出典

内閣府 令和6年版高齢社会白書(全体版)第2節 高齢期の暮らしの動向(20ページ、22ページ)
総務省統計局 家計調査報告[家計収支編]2024年(令和6年)平均結果の概要 II 総世帯及び単身世帯の家計収支<参考4>65歳以上の無職世帯の家計収支(二人以上の世帯・単身世帯)図2 65歳以上の単身無職世帯(高齢単身無職世帯)の家計収支-2024年-(18ページ)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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