67歳の父に「スキマバイト」の「アプリ登録」を頼まれました。60代でも働けるのでしょうか?「シルバー人材センター」とどちらが稼げますか?

配信日: 2025.08.11 更新日: 2025.10.21
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67歳の父に「スキマバイト」の「アプリ登録」を頼まれました。60代でも働けるのでしょうか?「シルバー人材センター」とどちらが稼げますか?
定年後も働き続けたいという高齢者が増える中、「スキマ時間にできるバイトを探している」という声も聞かれます。
 
とはいえ、スマホ操作に不慣れな方や、「高齢者でも本当に採用されるのか?」と不安を感じる方も多いのではないでしょうか。一方、地域の高齢者の就労支援として知られる「シルバー人材センター」も選択肢のひとつです。
 
この記事では、67歳の方がスキマバイトで働く際のポイントや、シルバー人材センターとの違い、どちらが稼げるのかなどを解説します。
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スキマバイトとは?60代でもスキマバイトは利用できる?

スキマバイトとは、1日単位や数時間だけ働ける短期・単発の仕事を、スキマ時間に合わせて自由に選べる働き方のことです。近年では、スマホのアプリやウェブサービスを通じて求人情報を探し、応募・契約まで行えるスキマバイトサービスが増えています。
 
中には、アプリだけでなくパソコンなどで対応できるものもあり、利用スタイルに応じて選ぶことができます。代表的なサービスのひとつ「タイミー」では、2023年12月時点で60代以上の利用者が3.0%、50代は11.7%と、中高年層の利用も一定数いるようです。
 
登録時は、氏名や住所の入力や本人確認書類の提出などが必要ですが、履歴書や面接が不要な仕事も多く、手軽に始められるのが特長といえるでしょう。
 
仕事の内容も幅広く、飲食店やスーパー、倉庫作業、清掃、イベント設営、保育・介護の補助など、自分の体力やスキルに合わせて選ぶことができます。事前に職場のレビューが見られるサービスもあります。
 
ただし、スマホやパソコンを使って手続きするのが基本のため、最低限の操作スキルは必要です。不安がある場合は、ご家族のサポートを受けるとよいでしょう。
 

「シルバー人材センター」との違いは?働き方と収入を比較

スキマバイトと並んで、高齢者の働き方として知られるのが「シルバー人材センター」です。
 
地域ごとに設置されている公益法人で、60歳以上の方が清掃や見守り、軽作業などの仕事を通じて、社会参加や生きがいを得ることを目的としています。
 
「登録はしてみたけれど仕事の案内が少ない」「もっと自分で選びたい」という声もある一方で、「顔の見えるサポートが安心」「地域に貢献できてうれしい」といった声もあり、シニア世代に根強い人気があります。
 
一方、スキマバイトは自由度の高い働き方ができる反面、スマホ操作や自己管理が求められるため、好みによって向き・不向きが分かれるでしょう。それぞれの主な違いを、表1にまとめました。働き方や報酬の仕組みを比較する際の参考にしてください。
 
表1

比較項目 スキマバイト シルバー人材センター
雇用形態 企業との直接契約 雇用関係なし(請負や委任)
仕事の選び方 自分で検索・応募 センターから紹介
操作・申込方法 スマホで完結する場合が多い 窓口相談が中心
報酬の仕組み 時給制、労働基準法適用 配分金、最低賃金の適用外
時間の自由度 高い(1日~数時間) 固定シフトが多い場合も

※筆者作成
 

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どちらが稼げる?収入面と注意点

一般的な傾向としては、時給の高い仕事を選べば短時間で稼ぎやすいのはスキマバイト、地域に貢献しながら安定的に仕事を続けやすいのはシルバー人材センターといえます。それぞれの収入の仕組みを詳しく見ていきましょう。
 
【スキマバイト(タイミー)の例】
例えば「タイミー」では、利用者が社会保険の加入義務を気にせず働けるよう、労働時間と賃金に制限を設けています。


・1日1件まで
・週39時間未満
・同一企業での報酬は月7万8000円未満
・同一企業での報酬は前年12月1日〜同年11月30日で28万円未満

特別な社会保険の手続きが不要な範囲で働ける仕組みになっており、比較的気軽に収入を得やすいといえるでしょう。ただし、自分でスケジュールや報酬を管理する必要があるでしょう。
 
【シルバー人材センターの例】
一方、シルバー人材センターでは、働いた対価として「配分金」が支払われます。雇用契約ではないため、労働基準法の適用は一部に限られますが、報酬の上限はアプリバイトほど厳しく制限されていません。
 
ただし、配分金はあくまで「社会参加・生きがい就労」を前提とした制度のため、一般的に月3万〜5万円前後の収入が目安とされています。多くのセンターでは「月10日程度の勤務で月収3〜4万円程度」の案件が主流です。
 

確定申告の要否にも違いあり

両者とも、一定の収入を得ると確定申告が必要になりますが、適用される制度や控除に違いがあります。
 
【スキマバイトで働いた場合】
103万円を超える収入がある人は原則として確定申告が必要です。また、給与所得(年末調整済)を受け取っている人は、「スキマバイト」などによる雑所得が年間20万円を超えると確定申告の対象になります。
 
【シルバー人材センターで働いた場合】
配分金は「雑所得」に分類されますが、最大55万円まで必要経費として控除できる特例があります(※「生計維持の範囲」で働いていることが条件)。ただし、配分金と他の所得の合計が一定額を超える場合は、やはり申告が必要です。特に年金との合算に注意が必要です。
 
また、年金の受給状況やその他所得により、必要な手続きは異なります。詳細については、住んでいる自治体や、税務署に相談しましょう。
 

スマホ操作に慣れていれば、60代からでもスキマバイトは現実的な選択肢

スマホ操作に慣れていれば、60代からでもスキマバイトにチャレンジすることは十分に現実的といえるでしょう。自分の空いている時間を活かして、1日単位や数時間だけ働ける仕事を選べる点は大きな魅力でしょう。
 
一方で、地域に密着した安定した仕事を続けたい場合は、シルバー人材センターも有力な選択肢です。職員と相談しながら無理なく働けるため、安心感があります。
 
大切なのは、それぞれの働き方の特徴を理解し、自分の体力や生活スタイル、収入の希望に合わせて選ぶことです。どちらを選んでも、定年後の暮らしをより充実させるきっかけになるでしょう。
 

出典

株式会社タイミー 「タイミー」は中高年でも使える?40代・50代・60代におすすめの理由や注意点を紹介!
厚生労働省 公益社団法人全国シルバー人材センター事業協会 シルバー人材センターの適正就業ガイドライン
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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