70代の母は貯蓄が「2000万円以上」あるのに、まだ働いています。「不安だから」といいますが、一人暮らしなら“貯蓄”と“年金”で生活できますよね?

配信日: 2025.08.12 更新日: 2025.10.21
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70代の母は貯蓄が「2000万円以上」あるのに、まだ働いています。「不安だから」といいますが、一人暮らしなら“貯蓄”と“年金”で生活できますよね?
年金も受け取り、貯蓄も十分にあるように見えても、「この先どうなるかわからない」と働き続ける高齢者は少なくありません。
 
本記事では、70代の一人暮らしにかかる生活費や収支の現実をデータで確認しながら、“経済的に足りる”ことと“心理的に安心できる”ことの違いについて考えていきます。
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70代で「まだ働く」理由とは? 子どもから見た疑問

「貯金はあるのに、まだ働くの?」「年金もあるし、のんびりしていいんじゃない?」
 
こうした声は、親の老後を心配する子ども世代からよく聞かれます。実際に、70代でも働いている人は少なくありません。
 
総務省「労働力調査2024年(令和6年)」によると、70~74歳の女性でも27.3%が何らかの形で就業しているとされています。理由の多くは「生活費の補填」ですが、中には「健康のため」「社会とのつながりが欲しい」「何もしないと不安」といった心理的な要因も見受けられます。
 
つまり、働く理由は単に「お金が足りない」だけではなく、「気持ちの安定」や「将来への漠然とした不安」も大きく影響しています。
 

一人暮らしの70代女性にかかる生活費の現実

では、実際に70代の一人暮らしにはどれくらいの生活費がかかるのでしょうか?
 
総務省「家計調査 家計収支編(単身世帯)」によれば、65歳以上の平均支出は1ヶ月あたり15万4601円です。
 
一方で、厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、厚生年金の平均受給額(基礎年金も含む)は1ヶ月あたり14万7360円とされており、毎月約1万円の赤字になる計算です。
 
年間にすると数十万円の不足が出ることになり、この分を貯蓄で補うか、働いて補填している高齢者も多いのが現状です。
 

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年金と貯蓄があっても不安になる背景

仮に年金が月14万円、貯蓄が2000万円あっても、「もう安心」とは思えないのが多くの人の心理です。
 
まず前提として、老後の支出は予測しづらいものです。病気・介護・住宅修繕・物価高騰など、いつ・いくらかかるかわからない出費が重なる可能性があります。
 
また、「2000万円あるから安心」と思えない背景には、定期的な収入がないことへの心理的不安や、「誰にも迷惑をかけたくない」「子どもに頼りたくない」といった思いがある人も多いです。
 
さらに、年金は物価変動によって実質的な価値が目減りする可能性もあるため、「使えば減る」貯金だけでは安心できない、というのは自然な感覚かもしれません。
 

まとめ

貯蓄が2000万円以上あり、年金も受給していれば、70代の一人暮らしの生活費は基本的にまかなえることが多いでしょう。しかし、それはあくまで「数字上の話」です。
 

・高齢者の多くは、年金収入より生活費の方がやや多く、赤字になるケースもある
・貯蓄があっても、「先が読めない」「頼れない」という気持ちから不安が続く
・働くことが、経済的不安だけでなく「心の支え」になっている場合もある

 
親が「働いている理由」が、単なるお金の問題だけではない場合も多いのです。
 
大切なのは、「もう十分だよ」と伝えるよりも、「何が不安なのか」を丁寧に聞き、気持ちに寄り添うことです。安心して過ごせる老後の形を、一緒に考えていける関係性が、何よりの支えになるのではないでしょうか。
 

出典

総務省 労働力調査(基本集計) 2024年(令和6年)平均結果の概要
総務省 2024年 家計調査 家計収支編 単身世帯 詳細結果表
厚生労働省年金局 令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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