友人の会社は退職金が「2000万円」を超えるそうですが、私はその半分程度の見込みです…30代の今からできる「逆転策」はありますか?

配信日: 2025.08.16 更新日: 2025.10.21
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友人の会社は退職金が「2000万円」を超えるそうですが、私はその半分程度の見込みです…30代の今からできる「逆転策」はありますか?
友人の退職金は2000万円を超えると聞くと、自分との差が気になる人もいるでしょう。退職金は学歴や企業規模、制度の違いによって金額に大きな幅があります。
 
しかし、その差を埋める方法は今からでも準備できます。今回は、退職金の実態を確認し、30代から取り組める資産形成の具体策を整理します。
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退職金2000万円は珍しくない?平均額をデータで確認

厚生労働省が2023年に発表した「令和5年就労条件総合調査」によると、勤続20年以上かつ45歳以上の定年退職者が受け取った退職給付額の平均は、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)で1896万円です。
 
つまり、「退職金2000万円」というのは、決して非現実的な金額ではないことが分かります。
 
ただし、この金額はあくまで平均であり、学歴や企業規模によって差が生じます。同調査で高校卒(管理・事務・技術職)の場合は1682万円 、高校卒(現業職)の場合は1183万円となっており、学歴によって数百万円の差が見られます。
 
また、企業の規模も退職金の額に大きく影響します。一般的に、企業規模が大きいほど退職給付制度が充実している傾向にあります。実際に、退職給付制度がある企業の割合は、従業員1000人以上の大企業で90.1%であるのに対し、30~99人規模の企業では70.1%にとどまります。
 

退職金の金額を決める仕組み

同じくらいの勤続年数なのに、なぜ退職金に大きな差が生まれるのでしょうか。その最大の理由は、会社の「退職給付制度」の違いにあります。
 
退職給付制度は、大きく分けて「退職一時金制度」と「退職年金制度」の2種類があり、企業によってはこれらを併用している場合もあります。退職一時金制度は、退職時に一括でまとまったお金が支払われる制度です。
 
一方、退職年金制度は、退職後、一定期間または生涯にわたって年金形式でお金を受け取る制度を指します。
 
厚生労働省の同調査によると、退職給付制度がある企業のうち、「退職一時金制度のみ」の企業は69.0%、「両制度併用」の企業は21.4%です。そして、この制度形態の違いが、受け取る金額に大きな差をもたらします。
 
例えば、大学・大学院卒(管理・事務・技術職)の定年退職者の平均退職給付額を見ると、「退職一時金制度のみ」の場合は1623万円ですが、「両制度併用」の場合は2261万円と、600万円以上の差があります。
 
もし退職金が2000万円を超えるのであれば、その会社は一時金と年金を併用する手厚い制度を採用している可能性があります。自分の勤め先の制度を知っておくことで、老後の資金計画をより現実的に立てられるでしょう。
 

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退職金格差を埋めるための「逆転策」とは

会社の制度による退職金の差を今から変えるのは難しいかもしれません。しかし、工夫や行動次第で、その差を縮めていける余地はあります。ここでは、老後資金で逆転を狙うための方法をご紹介します。
 
1つ目は、個人型確定拠出年金「iDeCo」の活用です。iDeCoは、自分で掛金を拠出して運用し、60歳以降に受け取る私的年金制度です。掛金は全額が所得から控除されるため所得税・住民税が軽減され、運用中に得た利益も非課税になります。
 
さらに、受け取る際にも控除が適用されます。老後の資産を準備しながら、現在の税負担も軽くできる、効率的な制度といえるでしょう。
 
2つ目は、勤務先の「企業型DC(企業型確定拠出年金)」の確認と活用です。会社に企業型DC制度がある場合、会社が掛金を拠出してくれます。さらに、従業員が掛金を上乗せできる「マッチング拠出」の仕組みがあれば、積極的に活用しましょう。iDeCoと同様に税制優遇を受けながら、効率的に資産を増やせるかもしれません。
 
3つ目は、2024年から新制度がスタートした「NISA(少額投資非課税制度)」での資産運用です。NISAは、年間の投資上限額までの投資で得られた利益が非課税になる制度です。
 
iDeCoと違い、いつでも自由に資金を引き出せるのが特徴で、ライフイベントに合わせた柔軟な資産形成が可能です。まずは少額からでも、長期的な視点でコツコツと積立投資を始めることが、将来の大きな資産につながるでしょう。
 
これらの制度を上手に組み合わせることで、退職金の差を補い、老後資金を確保できる可能性があります。
 
ただし、投資には元本割れのリスクや価格変動リスクも伴います。運用を始める際は、商品の仕組みや手数料、リスクの大きさを十分に理解し、必要に応じて金融機関や専門家に相談することをおすすめします。
 

退職金の差は「早いうちからの資産形成」で埋めよう

重要なのは、自分の退職金の見込み額や会社の制度を正しく理解し、目標達成のために今何ができるかを考え、行動に移すことです。
 
会社の制度という自分ではコントロールできない部分に悩むよりも、iDeCoやNISAといった、自分の意思で始められる資産形成に目を向けましょう。早くから準備を始めるほど、時間を味方につけた運用が可能になり、将来の資産に大きな違いが生まれるでしょう。
 

出典

厚生労働省 令和5年就労条件総合調査の概況
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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